上善如水

ホークの観察日記

森見登美彦 『聖なる怠け者の冒険』

2013-08-25 00:28:05 | 本と雑誌

聖なる怠け者の冒険 聖なる怠け者の冒険
価格:¥ 1,680(税込)
発売日:2013-05-21



 こんなにも活躍しない主人公がかつていただろうか?(笑)

 森見登美彦さんの長編小説『聖なる怠け者の冒険』(朝日新聞出版社)を読みました。

 京都。
 狸。
 宵山。

 京都の週末に現れ、困っている人を助けて回る謎の怪人「ぽんぽこ仮面」

 ひょんなことから「ぽんぽこ仮面」の跡継ぎに指名された、社会人二年目の主人公小和田君は、休日をただただのんびり過ごしたいがために、あとやっかい事に巻き込まれたくないために、この頼みを断り続けるのですが・・・・・・

 もう、「ぽんぽこ仮面」なんてどうでもいいです!

 とにかく何もしたくない、のんびりしたい、退屈にひたっていたいという小和田君が、森見登美彦さんの分身に見えてしょうがない(笑)

 ずっと夏休みだったら・・・・・・

 そんな気持ちもわからなくはない。

 わからなくはないけれど、それじゃあ物語が進まない!(苦笑)


 眠る主人公。

 迷い続けるアルバイト探偵。

 土曜日の休日を楽しむためにめいいっぱい予定を組むカップルに、食べても食べても出てくる「無間蕎麦」!!

 北白川ラジウム温泉で湯につかり、電飾またたくレストラン菊水のビアガーデンに足を運ぶ。
 
 ふるまわれるのは幻の酒「テングブラン」

 宵山でにぎわう京都の町。

 赤い浴衣の女の子に、かわいい狸のお面をかぶった怪人が飛び回る。


 ちょっとお金があったらをエキストラを雇って、赤い浴衣の女の子と狸のお面の格好をさせて、集団で祇園祭の京都を通り抜けるのとか面白そう♪

 なんて、この本を読んでいるうちに、イタズラ心がムクムクとわきあがってきました。

 森見登美彦さん、面白いなぁ~