上善如水

ホークの観察日記

村上春樹 『女のいない男たち』

2014-04-20 18:17:36 | 本と雑誌
 村上春樹さんの新作、『女のいない男たち』(文藝春秋)を読みました。

 短編集とのことですが、どちらかというと中編かな?

 いくつかあるお話のうち、表題作だけが書き下ろしです。

女のいない男たち女のいない男たち
価格:¥ 1,700(税込)
発売日:2014-04-18



 う~ん。

 長い人生、一日くらいこういう気分になってもいいけれど、長くいたい場所じゃないな。

 個人的には『パン屋再襲撃』みたいな短編が好きなのですが、これはどちらかというと『1Q84』タイプ?

 本質を描くために様々な人間を描いているように感じましたが、ぐるぐる迷路をたどっているようで、少々健全性に欠けます(笑)

 村上春樹作品に一定の解釈を求めるのは野暮というものでしょうが、収録作品の一つ『木野」だけ、ちょっと不思議な人物が登場していて、「アレは何だったの?」とちょっと気持ちが残りました。

 全体的に中年男性の悲哀みたいなものを感じてしまったのですが、まさか作者の反映じゃないよね?(苦笑)



 物事を婉曲に、又は示唆的に表現するのなら、他にも表現のしようがあるはずなのに、新しい村上春樹が読みたい!

 もちろん、こういう”ムラカミハルキ”が好きなファンも多いのでしょうが、読者なんて勝手なものですからね(笑)

 『女のいない男たち』ということで、それぞれの物語に女性が登場しますが、いつものようにあまり生活感は感じません。

 水沢悦子さんのマンガ『花のズボラ飯』に登場する花ちゃんみたいな女性はいません(笑)

 ハフハフしながら、たまごかけご飯を食べたりはしない!

 そういう”小さな”幸せで、人間ってけっこう生きていけたりするんですけどね。

 モデルさんが演じるカラフルでオシャレな写真にあふれた、ライフスタイルを提供する雑誌みたいでした(比喩的な意味で☆)。


 

   逢ひ見ての のちの心に くらぶれば

           昔はもの を 思はざりけり

         ー権中納言敦忠ー






一箱古本市

2014-04-20 00:52:16 | まち歩き
 岐阜県の県庁所在地、岐阜市で一箱古本市が開かれているので出かけて来ました。

 電車での移動だったので、一度名古屋まで出て、そこから岐阜行きに乗り換えて到着。

 しかし、県庁所在地に行くのに、隣の県の県庁所在地を経由して行くのが一番早いってどういうこと?(苦笑)

 でもそのおかげで、名古屋名物きしめんを食べることができました♪

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 一箱古本市というのは、ようはフリーマーケットなんですが、一箱分くらいの本を持ち寄り、いろんな人たちが場所を借りてそれぞれが販売するという、とってもこじんまりとした店構えの、そして個性豊かな古本市です。

 東京などではよく開かれているみたいなんですが、田舎じゃ珍しい。

 今回は柳ケ瀬(やながせ)という商店街のアーケード街で行われたのですが、本だけでなく、ワークショップが行われていたり、食べ物の販売があったり、手作りの小物やオリジナルの小冊子なども販売されていました。

 地元の人たちの立ち話が耳に届いたのですが、ここ柳ケ瀬の商店街も、普段は閑散としているとのことで、こんなに人が多いのは久しぶりとのことでした。

 確かにシャッターの閉まったお店もあるし、場所柄一歩奥に入るとスナックやバーの看板ばかりで、どちらかというと夜の街なのかな?

 それこそ、織田信長が「岐阜」と名付け、金華山のふもとに楽市楽座を開いて栄えたのは遠い昔のこと。

 他の地方都市と同じように、商店街は苦戦しているようですね。

 商店街の人たちもどうにかして人を呼び思うと、こうして様々なイベントを立ち上げているみたいです。

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(岐阜の街を走っていたバス)


 古本市の開かれている通りを行ったり来たりして本をのぞきこみ、出店者の人と言葉を交わしながら本を選ぶのは楽しいです♪

 商店街の近くには地元の古本屋さんもあったので、そちらものぞいて来ました。

 帰りには、地元で有名な「薄焼きたい焼き」を並んで購入!

 ひとつひとつ金型があって、おじさんが一人で焼いている小さなお店なんですが、これが皮がパリパリするくらい薄くて、とっても美味しかったです☆

 その場で焼きたてをひとついただき、お土産にも包んでもらいました。

 めったに行けない場所にあるのが残念なくらいうまかったなぁ~

 わかりますかね、この薄さ?

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 家に帰ってからレンジで温めましたが、それでもやっぱり美味しかったです!

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 来年も参加したいなぁ。