どうしても観たい映画があって、名古屋まで出かけてきました!
鈴木浩介監督。「ケアニン 〜あなたでよかった〜」(2017年)
そう、2017年公開の映画なのですが、当時は見逃してしまって。
2019年現在でも、自主上映会などが行われていて、次回作も製作予定だとか。
私は今回、名古屋のミニシアター「シネマコーレ」で上映されるのを知って観に行って来ました。
この「シネマコーレ」はアジア映画、日本映画、インディーズ作品と、普段大きな映画館では観れないような映画が観れる、映画ファンには有名な映画館らしいのですが、私は今回が初めて。スクリーンもひとつだけという小さな映画館です。
映画「ケアニン」は「ケアする人」という意味。介護施設を舞台にした介護の映画。
実在する神奈川県の小規模多機能介護施設「おたがいさん(株式会社あおいけあ)」をモデルに、多くの介護施設、専門学校、関連団体に取材し作られました。
現場の介護士である私が見ても、すごく考えさせられたし、すごく共感できたし、すごく感動しました!!
そりゃあ映画です。役者さんはスタイルいいですし、高齢者は粉ふいてないですよ(苦笑)
でも「スイッチが入る」とか現場でもよく使うフレーズが出てきたり、「介護」という言葉に代表されるさまざまな問題が、こちらはしっかりと「リアル」に描かれていました。
もうね、うちの施設の職員全員に見せてやりたい。
特にリーダーや管理職、理事の連中には強制的にでも観せるべき! と強く思いました。
自分の親が認知症だと思いたくない息子が、母親の変わりように絶望したり落ち込んだり、母親の中の幼い自分と出会ったり。
そのシーンがせつなくてせつなくて、涙、涙でしたよ〜
職業柄印象に残ったのは施設での食事風景。
うちは毎回戦場のような慌ただしさで、食事介助、服薬介助、歯磨き、トイレ誘導、後片付けと、とても利用者さんと向き合える時間なんてないのに、映画の中でのゆったりとした食事風景を見て、あぁ、家では食事ってこれが普通だよな、と衝撃を受けました。
なんで自分たちはあんなに毎日時間に追われて利用者さんを追い立てるように食事をしているんだろう、と。
人は誰でも年をとる
新人介護士の主人公を中心に、徘徊、妄想、拒否、失禁、同じことを繰り返す、家に帰ろうとする、家族の顔を忘れる、介護現場での事故、看取り、と認知症の様々な周辺症状、介護現場なら誰でも直面する問題が出てきます。
「こんな仕事やってられるか、
どこにやりがいがあるんだ
どこが楽しいんだ・・・ってか?」
「人間だから当然だよ。
こっちも人間なら、むこうも人間。
感情もあればプライドもあるんだ」
人間と向き合う。
認知症と向き合う。
それってとっても大変で、それって命と向き合うってことなんですよね〜
観て良かった。
これで明日からも頑張れそう!
この映画のモデルとなった「あおいけあ」に一年間密着したドキュメンタリー映画。
「僕とケアニンとおばあちゃんたちと。」も2019年5月18日に公開されました。
こちらもミニシアターを中心に上映されています。
機会があったら観に行きたいなぁ〜
「僕とケアニンとおばあちゃんたちと。」予告編