さっそく現場では不満爆発です。
うちの施設では「勤続10年」「介護福祉士」という条件に合う人が一人しかいなくて、自動的にその方が給料8万円アップ。
・・・でもその人、職場で有名な新人クラッシャー。
これまで何人の将来有望な新人が辞めさせられてきたか。
かくいう私も新人時代にいじめられました(苦笑)
文句(?)が多いというか、細かいというか、物の置き方ひとつにしても「どうしてこうなってるの? いつもと違うでしょ?」とくる。
素直に「これはここに置いてね」で済む話を「どうしてこうなってるの?」「なぜこうしたの?」「何考えてるの?」と追い詰めるタイプ。
自分からは素直に教えない。
まず相手に非を認めさせて、理由を聞き(たいてい新人は何も考えていない)、謝らせて「私はこうはしないけどね〜」と正解も教えない。
食い下がって正解を聞こうとすると「前に教わったよね?」「メモとってないの?」「そのメモちょっと見せて」と火に油。
万事この調子なので、お年寄りに寄り添いたいという優しい志を持って入ってきた新人は心が折れてしまう。
逆に「○○さんコワイ〜笑」とか笑って流せるギャルの方が長持ちしたり(決して介護に向いている人材ではない場合が多い)
では介護技術は優秀かというと、私が見ても決してマネしたいほどじゃないし、お年寄りの評判もそれほど良くない。
勤務年数が多く役職もついていますが、リーダーというより立ち位置は平社員並。
全体を見渡して「この日は人員が少ないから出てくる」とか「この人は疲れているから勤務変わろうか」なんて考えたこともないタイプで常に自分の都合優先。
そんな方が給料8万円アップとなったら、同僚や部下は心中穏やかでいられるわけがありません。
しかも自分の給料が上がるとわかったからなのか何なのか、最近やけに優しくて、文句もいわなくなったから逆に不気味なんです。
自分から率先して仕事したりして(そんなことしたことないのに!)
今年10月に新設される「特定処遇改善加算」
勤続10年以上の介護福祉士に8万円の処遇改善を加算するというものですが、では“勤続10年以上”の具体的な定義とは何なのか?
厚生労働省の審議会によると 「“勤続10年以上”の定義は個々の事業所の裁量で設定できる」 となっています。
同一の法人で10年以上働いていなくても、介護福祉士の資格を取ってから10年以上経っていなくても構わない。別の法人に務めていた期間も、医療機関で仕事をしていた期間も、障害福祉の現場を支えていた期間も、全て考慮に入れることも可能、だとか。
つまり事業所の裁量で決めていい、解釈は各事業所にまかせる、ということらしいです。
そもそも厚労省が重視しているのは、現場を牽引するリーダー級の介護福祉士が最も高く評価されること。
極端にいうと、必ずしも“勤続10年以上”にこだわって考える必要すらない。
そのスキルや仕事ぶりなどを勘案し、事業所が「この人は経験・技能のある介護福祉士だ」「この人の給料を上げたい」と判断すれば、たとえ“業界10年”に至っていなくても対象として扱える。
“勤続10年以上”はあくまで目安でしかない、というのです。
日本語あいまいすぎるわ!
うちの事務所、絶対そんなことわかってないよ。
単純に「ここで10年以上働いている介護福祉士」て条件で決めてる。
じゃなきゃ、むしろ早く辞めて欲しいと現場が望んでいる新人クラッシャーが選ばれるわけがない。
処遇改善全体にいえることだけれど、事業所の裁量にまかせちゃダメだって厚労省。
現場を何も理解していない事業所の管理職にお金を渡したら、絶対現場の介護士には届かないんだから。
支配者たちは豪華な家や車を持っているのに国民は飢えている、どっかの独裁国家と同じ構図なんだって。
うちの現場では「10年以上働いている人は簡単には辞めない。むしろ生活の苦しい新人に8万円より少なくていいから少しでも支援してあげた方が介護業界全体のためになる」という意見で一致しました。
そもそも本気で介護職の待遇を改善する気があるのかさえ疑わしいですけどね。
ホント、現場を支えている人にお金が渡って欲しい。
ある意味利用者様よりやっかいな職員ばかりで。
職員の教育にもっと時間を割ければいいのですが、日々の業務に追われてそれどころじゃなくて。
どこも大変みたいですね。あけさんもお体大切に。健康第一です!