上善如水

ホークの観察日記

口から食べられなくなったらどうしますか?

2017-08-09 09:27:00 | 悩み

食べることは生きることの基本。

老衰の過程で食べる量が減り、全身が弱るのは自然なこと。

海外では、高齢あるいは、がんなどで終末期を迎えたら、口から食べられなくなるのは当たり前で、胃ろうや点滴などの人工栄養で延命を図ることは非倫理的、逆にそんなことをするのは老人虐待という考え方さえあるそうです。

日本では少しでも、一秒でも長く長生きすることが患者本人にとって「よいこと」と考える人が多いため、ひと言も話せない、自分で体を動かせない、自分の意思を表現できない、いわゆる寝た切りになっても「胃ろう」で命をつないでいる人がたくさんいます。

でもご家族の立場だったら、「胃ろう」にしなければやがて死んでしまうことはわかっている。

ある意味「死亡宣告」の選択を強いられるわけです。

「生」と「死」についてのとらえ方が問われる、これはつらい選択だと思います。

 

でもね、そんな「胃ろう」の利用者さんをたくさん見ている介護員の中には「自分は胃ろうはイヤ」て人、けっこういるんですよ。

 

うちの施設でも「胃ろう」の利用者さんが何人かいらっしゃいます。

体調が悪くなり入院となったある利用者さま。

その方は高齢なこともあり、痰のからみや足のむくみなどがひどく、もう医療ではできることがない、これ以上の延命は本人の苦しみが続くだけ。ということで、胃ろうでの栄養摂取をあきらめ、ほんの少しの水分を入れるだけにすることにご家族が同意されたようでした。

・・・つまり、自然に弱っていきやがて死を迎えることを選択されました。

 

退院され、残された時間、私たちがお世話することになったのですが、それまで、ご家族が毎週のように面会に来られ、献身的に体をさすっている姿を見ていただけに、退院後付き添ってみえるご家族に、どう言葉をかけたらいいのか、言葉に詰まってしまったのをおぼえています。

その利用者さんは一週間ほどで亡くなられました。

本当にごくろうさまでした。

 

毎月のように亡くなる方を見送ってはいますが、悲しみよりも、ごくろうさま、よくがんばったね、ありがとね、という気持ちが大きいです。

ご本人にも、ご家族にとっても。

 

 

食べることって、本当に大切ですよね。

私なんか食べる事の楽しみだけで生きているようなところがあるので、食べれなくなってしまったらどうなることやら。

自分の意思がしっかりしているうちに、老後「胃ろうはやりません」「延命処置も必要ありません」て家族が困らないように何かに残しておいた方がいいのかな。

 

 

 

 

 



報告、連絡は、一方的に発信するだけでなく、必ず伝わっているか確認するべし

2017-08-06 08:00:00 | お弁当

専門用語、業界用語て難しいですね。

介護の現場に入って、普段使わない言葉がバンバン使われていることにビックリ。

まぁ、SPO2 とか KT とか横文字医療用語は上げたら切りがないですが(SPO2=動脈血酸素飽和度。KT=体温)

側臥位(そくがい)

嚥下(えんげ)

含嗽(がんそう)

痙縮(けいしゅく)

鼠蹊部(そけいぶ)

なんて、日本語なのに日常的に使いこなすのに時間がかかりました(今でも時々???てなりますが)

 

「この人、嚥下能力低下してて誤嚥の可能性高いから今日から口腔ケア含嗽不可だからね」

なんて申し送りされたりしますが、ようは

「歯磨きの時にうがいさせないで」(ガーゼやスポンジブラシ使って歯磨き介助してあげて)

ということでしょ?

もっと簡単に言って欲しい・・・

 

先週のお弁当。

 

 

・玉子焼き(のり巻き)

・豚肉とキャベツの味噌炒め

・ナポリタン

・ブロッコリー

・きんぴらごぼう

・塩昆布

 

のり巻き玉子焼きはまだまだ改善の余地あり。

豚肉とキャベツは失敗の少ない組み合わせ。

でもキャベツ一玉買うと、お値打ちだけれど使い切るのがけっこう大変。

千切りだけじゃ芸が無いのでサラダにしたりシチューに入れたり。

あと半分。

何に使おうかな?

 

 


募集かけても人が来ない

2017-08-04 08:30:37 | 悩み

うがぁ〜

先月だけで職員さんが2人辞めてシフトむちゃくちゃ。

夜勤専属じゃないのに中一日で連続夜勤て何なの?

事務所もケアマネも夏休みて何なの?

利用者さん亡くなって3日も経たずに新規入所者入れたはいいけど、アセスメント全然違ってて、現場に丸投げって何なの?

職場に救急車到着して「利用者さん急変した!?」て慌てたら、倒れたの職員の方で、過労が原因って何なの?

それでも「人員不足だけどみんなで頑張って乗り越えましょう」って精神論しかいわない上司って何なの?

 

ハア、ハア・・・・

 

いやね、体壊した職員さんにはゆっくり休んで欲しいし、どんなに募集かけても人が集まらなくて、でも給料上げる権限なんかなくて苦労している人事の人の心中もわかるし、人員補充されない中で自分の休み削ってヘルプに入っているけど限界がある主任さんの気持ちもわかりますよ。

職員不足しているんだから利用者さん入れなきゃいいのに、ベッドの稼働率ばっかり気にしている経営者に毎日プレッシャーかけられてる生活相談員さんにも同情します。

 

いっそスウェーデンみたいに介護職員を公務員的な扱いにしてくれないと、もう人が集まらないんじゃないかな?


人員不足て書いていますが、国などが定める常勤換算の人員基準はギリギリ満たしています。

でも、この常勤換算が曲者なんですよね。

職員と利用者さんを1:3とする人員基準の場合、常時1:3である必要はなくって、昼間たくさんの職員が働いていれば、夜勤帯は1:25でもOK

有給休暇で休んでいる人も常勤換算には含まれるので、実際にはもう職場には来なくて有給消化しているだけの人の分も、現場では人員として数えられちゃう。

マンパワーが頼りの介護の現場で、介護員さんが一人いないってことが他の介護員さんにとってどれほどの負担になるのか、利用者さんにとってどれほど不便なのか、制度を作った人はもうちょっと考えて欲しかった。

もうね、認知症や病気と戦っているんじゃなくて、介護保険制度というか、この国の福祉政策全般と戦っている感じです。

いや、戦っているっていうか、どこまで耐えられるか人間の限界に挑戦? て感じ。

これはゲームに例えると限りなく無理ゲーに近い。

中ボスが経営者でしょ、イベントボスが看護師だったり相談員だったり栄養士だったり利用者家族だったり。仲間のはずの介護員だって攻撃してきますからね。

守るはずの利用者さんからも攻撃されますが、これには反撃不可。

加えて少ない休みと給料の中での健康管理、モチベーションの維持。睡魔、夜勤明けの食欲との戦い。

武器である知識や技術はどんどん新しい物を仕入れないといけないのに、毎年のようにコロコロ変わる福祉政策に制度見直し、介護報酬の引き下げ、高齢者の増加、3年に1度の介護保険の改正。

 

嫌なら辞めれば?

て声が聞こえてきそうですが、まぁ、実際そういう理由で辞めていく人もたくさんいますが、この仕事好きだから続けたい、もっと働いていたい・・・でも続けられない・・て人を何人も見ていますからね。

本当は「この仕事好き」て人に長く働いて欲しいんです。

その人自身も健康で、ちゃんと生活できていけるだけの報酬を受け取って。

それができない現状が残念なんです。

ハァ・・

 

利用者さんが立て続けに亡くなったり、大好きな同僚が次々と辞めてしまったりで、今月は波乱の幕開け。

自分も倒れないように、しっかり夏バテ対策しないと。