約10年ほど前、書棚を整理しようと思い切って本を廃棄した。ただ、文庫本は思い出がありすぎて、殆ど残してあった。
ここ数年前からは、読み直そうと本を開いても、細かい字を読むのが苦痛になってきていた。
そんな時、家内から、『読まないのだったら棄てたら』とサラッと言われた。これって、断捨離したらと言うこと?
・・・断捨離とは・・・
よく聞く言葉だが、どんな意味なのか調べてみた。
「断捨離とは(ウィキペディアより引用)」
「断捨離」のそれぞれの文字には、ヨーガの行法(ぎょうほう)である断行(だんぎょう)・捨行(しゃぎょう)・離行(りぎょう)に対応し、
断:入ってくる不要な物を断つ。
捨:家にずっとある不要な物を捨てる。
離:物への執着から離れる。
という意味がある。
置いてある文庫本って、「断捨離」に該当するのか・・・
これらの本には、たくさんの思い出がある。幼いころからの写真や学校の卒業アルバムを残しているのに似ている。簡単に「断捨離」とは割り切れなかった。
アレコレ思案したが、家内の尻たたきもあって、廃棄の大決断をした。
ただ、「竜馬がゆく」シリーズや雑賀衆の「雑賀孫一」など、今も脳裏に刻まれている司馬遼太郎作品や吉川英治・山岡荘八の一部作品だけは捨てきれなかった。
別れるにあたって、せめて、今なお記憶に残っていることだけでも書きとめておこうと思いついた。それが廃棄する本への供養となり、何よりも自分を慰めることになる気がした。
これから何日かかけて、合間を見ながら、おぼろげな記憶を辿りだすことにした・・・