自然となかよしおじさんの “ごった煮記”

風を聴き 水に触れ 土を匂う

今秋の紅葉・黄葉(3)

2024-12-04 | 自然一般

古刹の白壁に映るモミジのシルエットをもう一度撮りに行きました。

今度は葉をきちんと主役に位置付けた上で,向こうにシルエットをできるだけ印象深く写し込むことをポイントにしました。時間帯は午前中の1時間程度,条件は風がなく快晴であること,です。果たして,うまくいくでしょうか。

まず,シルエットそのものを主役にして。

 

次に本番。試行錯誤しながら撮った写真を二枚アップします。

 

なんとか,主役をたいせつにしながら光と影を生かすことができた気がしています。まばゆい白壁と,そこからあふれそうなシルエット。わたしはタイトルを「影絵」としたいと思うのですが。

 

横の方で,愛犬を撮影していらっしゃる方がありました。「かわいい!」というと,撮影していただいていいですよ,とのこと。もちろん撮影しました。それが下写真です。惜しいかな,白壁の影絵は最適な時間帯を過ぎたので薄っすら。

 

撮影をたのしむことがわたしが感じている心得の核心です。

 


今秋の紅葉・黄葉(2)

2024-11-29 | 自然一般

「行ったら撮れる写真は撮るな」。写真教室の主宰者はそう教えるのだそうです。だれでも撮れるような写真は人に見せるべきでないということでしょう。同感です。人が写した写真が気に入って,「自分もそこへ行って同じ風景写真を撮りたい」と思い,実行する人がいます。絵葉書に使われる写真を思い浮かべるとよくわかります。それとそっくりな写真を撮りたいというようなものです。しかし,平凡さの典型例だとわたしは感じています。平凡さは上達にはマイナスにはたらきます。それより自分のカラーを見つめることが大事だと思うのです。この話,自分で写り映えをたのしむ限りはまったく当てはまりません。

撮影時間帯を考えて撮る,特異な状況下で撮る,それだって自分色の表出に大いに関係します。紅葉・黄葉の風景写真も同じです。

ここは市内にある古刹です。ここでよく知られた構図は参道の中央から撮るもの。その辺りにアマチュアカメラマンがかたまった日がよくあります。その中に入ろうとは思いません。白壁が毎年の撮影ポイントの一つになっています。この日は風がかなりあって,葉が揺れました。葉のシルエットが主役です。色づいた葉が少ないのが惜しいといえば惜しい。

 

露出を変えながら試し撮り。フラッシュが強すぎ! これも勉強のうちです。

 

シルエットを大きく写し込みました。葉の輪郭がぼんやりしているのは葉が揺れているからです。

 

白壁の上の屋根に紅葉が一枚ありました。

 

数枚あるところも。

 

葉が落ちそうになっています。参道を歩く人をかすかに入れました。「小さなものを大きく,大きなものを小さく」。これはわたしが師匠と感じている方の教えです。

 

写真の素人なのになんだか偉そうな書き方をしたような。「なんだ,これが自分色なのか」と問われれば,ドキッとします。それでも自分ならではにこだわり,見え方や表し方を気にしていきたいと思っています。

 


今秋の紅葉・黄葉(1)

2024-11-28 | 自然一般

今秋のモミジは,夏の暑さと秋の高温のせいか,見ごたえはあまりない感じです。耳にする紅葉情報も今一つ。そんな中で,やっと色づいたモミジに目を向けました。

ここは隣り町にある古刹。サクラの木に挟まれるようにしてモミジがある風景です。近づいて葉の色を写しとるとよいのでしょうが,そこまでしませんでした。どこで撮影しても場所がわからない写真はできるだけ避けたからです。色彩がゆたかというだけでは,なんだか物足りないのです。

 

階段の参道の脇にヤマザクラの幹が。横たわるようにして伸びています。

 

その幹を,根元の方から撮りました。シダがよじ登っています。相当古い木です。趣を感じました。

 

大イチョウはまだこんな色。イチョウの推定樹齢は180年だそうです。180年前といえば1840代にさかのぼり,江戸期の終わりにあたります.このイチョウの下で,偶然住職さんの奥様と話す機会に恵まれました。ほんの立ち話程度ですが,古刹を守る責任の重さが伝わって来ました。

 

紅葉を一枚,コケの上に載せて。

 

参道に木漏れ日が射したとき,ここにモミジ葉をおきました。

 

なにもかも新しいのがよいわけでなく,こんな古さを感じとれる雰囲気が気に入りました。

 

古刹の秋をもうすこし訪ねてみようかなと思っています。

 


'24夏 虫の目レンズは友 ~麦田~

2024-06-14 | 自然一般

撮影地に向かう途中,道端に麦田が広がっていました。家がまばらに見える山あいの田です。車から降りて田に行くと,小麦の芒がとにかくあちこちに伸び放題。向こうの方で刈り取りのコンバインが動いていました。

 

空にはきれいな雲が浮かんで,いかにも夏の風景です。

 

コンバインが音を立てて刈り取っていました。

 

ムギの収穫期はホタルと重なります。今頃のムギを見ると,少年期だった頃,麦田の間の道を通って蛍狩りに行った思い出がよみがえります。

 


雪の結晶 ~灰雪~

2023-02-06 | 自然一般

よく降る雪,当たり前に見かけるこの雪は灰雪。細雪と言い換えると,なんとなく情緒があります。

たまたま降って来たので,コンデジで結晶写真を撮ってみました。雪の結晶は積もっているところを選んで撮るのは禁物。周りや背景が白いのでくっきり浮かび上がりません。マツや竹ぼうきのような細長いものやクモの糸に付いたものなどがねらい目です。

結晶を単独で撮るのは困難。雪の結晶はふつう複数のものがくっ付き合って出来上がっており,結晶はその一部,すなわち一構成部分にすぎません。自然のもとで,単体結晶だけを完全なすがたで観察・撮影することは不可能です。

下写真には結晶の一部が写っています。枝分かれしているのがわかります。

 

比較的きれいな結晶が見つかりました。五角形を連想させる結晶もあります。

 

背景が黒っぽいのが理想です。かたちがよくわかります。六角形の結晶が見えます。

 

時間をかけて探すと,かなり条件の良い結晶が見つかるものです。でも寒いのでたいへん。

 

クモの糸に付着した結晶を見てみました。

 

これはきれいに撮れました。右の羽根をよく見てください。微かにクモの糸が縦方向に走って見えます。

 

完全に近い結晶はなかなか見つかりません。繰り返して観察しながら,見つけるコツをつかむほかありません。

 

雪の日は結晶の撮影にひとときを費やそうかなと思っています。

 


雪の結晶 ~粉雪~

2023-01-21 | 自然一般

1月21日(土)。最低基音-1.1℃。起きて外を見たら雪が薄っすら。出てみると,雪がまだすこしだけ降っています。ごく小さな丸い粒,いわゆる粉雪です。これが屋根や田にわずかながら積雪。今日が今冬初めての平地積雪となりました。

さっそく結晶を見たくて撮影。背景が黒い方がよいので,場所はプランターにしました。乾いてさらさらしていています。パウダースノーと呼ばれているとか。

 

とても小さな水滴が氷となってどっさり集まり一つの結晶を構成しています。

 

大きさはご覧のとおりです。小さな氷一粒は直径が0.03mmほどらしいです。

 

乾燥してパサパサした雪質なので,雪だるまをつくったり雪合戦をしたりするには適していません。

 

湿度が低く,気温が低いときに降る雪が粉雪。さらっとしているのでスキー場にはぴったり。ただ,積もりにくい雪だそうで,この地方でこれがたくさん積もったのを見た記憶はありません。

天気のおかげで朝から雪の勉強をした気持ちです。

 


"魚露目"で見た霜の朝

2023-01-11 | 自然一般

朝日を浴び始めた畑にて。

霜の朝。身が引き締まります。地面は霜で覆われています。その表情を魚露目写真に収めました。

ホトケノザは寒さに強い草です。びくともしません。

 

日陰にある,チューリップの球根皮。表面には霜柱がたっぷり。

 

青ネギの葉にある霜は独特の模様を描いています。

 

イチゴの葉は霜をまとっています。強い,強い。

 

土の表面にも霜がどっさり。

 

セイヨウタンポポの花だって。繁殖力の旺盛な種だけあって,あっぱれな姿です。

 

真冬ならではの風景です。雪があまり降らないこの地方ゆえに,こうして観察できる風景でもあります。

 


わが町,遠望

2022-11-21 | 自然一般

濃霧注意報が出たこの日,霧が薄っすらとしてきた頃,裏山に上りました。そこから見えるわが町を撮るためです。

転落防止のためにフェンスと階段が付いています。これは下に国道と市道が走っていて,危険なためです。久しぶりに登って息切れがしました。霧がわずかにかかっています。その上に突き出した山は三角点が設置されています。川は右奥に流れています。

 

人工物ができるだけ写り込まないように草の中に入りました。ススキと枯れ葉が見え,晩秋の陽射しが感じられます。遠望する自然の風景はこころを癒してくれます。

 

斜面手摺りの下にアザミが。総苞が鐘形なので,ノハラアザミと同定できます。分布は本州で中部地方以北らしいので,とてもめずらしいといえます。

 

体力は年齢と共に衰えて行きます。すこしでも歩いて,すこしでも登って,心地よくからだに負担をかけたいと強く思いました。

 


公園の春(2) ~続 コブシ~

2021-03-29 | 自然一般

ぽかぽか陽気です。一気に春が来て,花々が喜んでいるように見えます。わたしもうれしくなって,その花をちょっとだけ撮っています。

公園のコブシが大きく開きました。花弁がわぁーっと広がっている様からまことに雄大な印象を受けます。これはまちがいなくレンズの効果です。この花弁がまた真っ白で,中央に薄赤の筋が。日が西に傾きかけています。太陽の位置は左前方。つまり半逆光です。これにより花弁のわずかな起伏が見えます。ずっと奥にある白いドームの陰影がくっきり。

 

花弁には小さな昆虫(➡)が! その花弁の向こうに光源があります。それによって,青空のグラデーションがはっきり。

 

公園から帰宅の途につく人が次々に。残った人の歓声が響きます。日暮れ近くの静かさが漂う頃です。

 


公園の春(1) ~コブシ~

2021-02-20 | 自然一般

近頃の天気は春の雰囲気を漂わせています。気温も日差しも,そして草木の姿も。レンズを通してみていると,冬芽は今か今かと待ちわびている感さえします。

公園では人の動きも声も,表情も春先を思わせます。ただ,新型コロナウイルス感染拡大の影響でマスクを着けた人がほとんどで,世の中がすっかり変わりました。しかし,それにしても警戒心が薄れてしまい人出はここも驚くばかり。休日の午後ともなると,信じがたいほどの人,人,人,です。簡易テントが林立します。怖くって,そうした間に入って行く気にはなれません。

話は変わります。ミュージアムギャラリーで,四月,公園の春風景を紹介する写真展を行う予定です。出展者はスタッフです。わたしは,作品の中にコブシを定点撮影したものを入れることにしています。

下のような作品で,主役はあくまでコブシ。風景全体に早春を詰め込んだつもりです。さて,その匂いをお感じいただけるでしょうか。

 

コブシの蕾が膨らみ,花弁がわぁーっと開くまでを追っていくことにしています。本ブログでもご紹介していくつもりです。