キベリヒラタアブ(メス)を早朝撮影しました。
気温が低いだけに動きは鈍いのですが,そうはいってもワンチャンスという感じです。動きを抑えるのに,冷蔵庫に入れてみるという手があります。わたしはその手を何度か試みましたが,問題は複眼に結露が生じるという点でした。結露が生じては余計な情報が加わるので,大問題。やはり自然の中でゆっくりからだが冷えるのがいちばんのようです。
写真は倍率×8相当です。
下写真はうまく撮れたとはけっしていえないコマです。ズームしてみるとわかるのですが,毛と毛が重なり合ったような部分では,妙な写り方をしています。妙というのは前後が入れ替わっているということです。触覚をみるとはっきりしています。やはりこの種の写真の限界です。さらにこの写真を撮ったときは,吻が盛んに微妙に動いていました。その様子が吻辺りに現れています。
こうした写真を撮るのに,標本を使う例があります。ネット検索してその写真を見ると,昆虫の背部にピンが突き刺してあって,台に固定されています。わたしはこうした撮り方にはまったく魅力を感じません。撮影しやすいからではありません。むずかしくても,生きているという実感が伝わってくる写真こそ,わたしのこころをくすぐるからです。キーワードは“いのち”です。