自然となかよしおじさんの “ごった煮記”

風を聴き 水に触れ 土を匂う

ツマグロヒョウモンとキタキチョウと

2014-10-23 | 日記

10月21日(火)。昼下がりに2種のチョウを見かけました。

その1。ツマグロヒョウモンです。ウォーキングをしていると,道の脇から舞い上がりました。そうしてまた戻ってきて,草の間に入っていきました。「これは産卵行動だ!」と思い,カメラを出して待っているとやっぱりです。歩いて産卵場所を見つけると,そこに卵を産み付けたのです。わたしが見たのは枯れ草に産卵したときです。もちろん,すぐ近くにはスミレも生えています。


ツマグロヒョウモンの越冬態は幼虫です。これから孵化して幼虫の状態で厳寒期を乗り切るのは,わたしたちの感覚からすればたいへんに見えます。もちろんたいへんにはちがいありませんが,幼虫であれ,蛹であれ,また成虫であれ,氷点下10℃,20℃ぐらいなら十分に耐えるしくみを備えています。変温動物が環境に適応して生き抜いてきたすごさが,そこにはあるのです。

このツマグロヒョウモンの成虫が姿を見せなくなる季節が間もなくやってきます。

その2。キタキチョウ。道端でたくさん飛び回っています。タンポポやアメリカセンダングサの花で吸蜜に勤しんでいます。このチョウ,越冬態は成虫です。生きていくには苦労が多いと見え,翅がずいぶん痛んでいます。


午後2時すこし前,幼稚園帰りのSさんがお母さんと一緒にやってきました。Sさんが「虫探しに行きたい」というので,付き合いました。生まれて初めて網でキタキチョウを3頭捕まえました。それで大喜び。わたしからの虫捕り法伝授が功を奏しました。お母さんも,手をたたいて大賞賛。Sさん,家に持って帰って家族みんなに見せたあと,逃がしてやるといっていました。 

 


小さなカメムシの吸汁行動

2014-10-23 | 昆虫

カメムシにはいろんなタイプがあって,大きさにもいろいろあります。野菜の天敵になるカメムシがいて,わたしなど毎年トマトやジャガイモの被害に遭っているのですが,直接人間生活とはまったくない種もどっさりいます。それで,特段を避けるというほうでもありません。「ほほーっ!」と思えば,写真に収めます。あの臭いが嫌いとカメムシを避ける人がいれば,色で大好きという人もいます。ほんとうにカメムシは多種多彩で,人の好みも様々です。

最近のこと。カタバミの葉に産付されたヤマトシジミの卵を観察しているとき,ごく小さなカメムシがカタバミの実に取り付いて吸汁しているのを見かけました。ふつうなら,まず目に入らないでしょう。格好といい,伸びた口吻といい,まさに汁を吸い上げている最中のようでした。単純に汁と書きましたが,この汁は細胞にあったり師管を流れたりしているもので,光合成によってつくられた糖をたっぷり含んでいるのです。

 

カメムシの体形からすれば,いくらでも口にできる大好物だと思われます。

そして,脇には同じこの糖分を得ようとアブラムシが付いていました。なにしろ,大好物なのですから。

アブラムシは食べ切れない糖分を『甘露』として排泄し,アリに分け与えます。その代わりにアリは,アブラムシを捕食したり,アブラムシに寄生したりする天敵から身を守ってやるのです。下写真は,ちょうどその場面をとらえています。

 


カメムシの同定作業はたいへんなので,ここでは休止にし,こんな小型のカメムシが存在するという事実を指摘するだけにしておきましょう。