自然となかよしおじさんの “ごった煮記”

風を聴き 水に触れ 土を匂う

ジャコウアゲハ観察記(その362)

2017-05-02 | ジャコウアゲハ

ジャコウアゲハの羽化はウマノスズクサの生長とぴったり重なっています。ウマノスズクサが伸び出したなと思って期待していたら,ジャコウアゲハがどんどん現れかけました。庭にはアゲハの訪問が絶えません。

前夜庭で羽化した個体がじっとしていました。ふしぎにも,舞い上がる気配はありません。それで撮ったのが下写真。パンジーの花を見ているわけではないでしょうが,なんだか気にしているような感じが伝わってきます。 

 
じっとしたままだったので,超接近撮影を試みました。全身が毛で覆われていることに改めてスゴサを覚えます。


注目すべきはやはり複眼。わたしたちの目とすっかり異なるしくみがワンダーの対象になります。 


見る角度によっては,個眼が塊りになって偽瞳孔といわれる黒点になることがあります。カマキリのそれが代表的な例です。こちらを注視しているような感じがしますが,そうではなく,個眼に入った光が反射されず奥まで届いていくので,こうした見え方になるといいます。理屈はわかっても,ふしぎはふしぎです。上写真ではこうした偽瞳孔は見えていません。 

 
どんどん近づいていくと……。個眼がずいぶんはっきりしてきました。


さらに近づくと……。トリミングなしです。広がる世界が別世界に見えます。


こういう世界が知的好奇心の対象になるのはヒトだけ。知るをたのしみとするのは愉快なことです。