公園で昆虫の撮影をしていると,わたしのところに突然キラッと輝く甲虫が飛び込んで来ました。一瞬,スズメバチかなと振り払おうとしました。しかし,次の瞬間,光沢が脳裏をよぎって「タマムシだ」と直感。虫は視野から消えました。落ちたのかもしれません。
すぐ傍を通りかかられた方が,「今,カナブンが飛んで来たんですか。光っていましたね」とおっしゃいました。「タマムシのような気がしたんですが」。そうわたしは答えました。
じつは数年前にこの公園の片隅でタマムシが木の梢を飛ぶ姿を目撃していました。いつか会いたいなあと思っていましたが,もしタマムシだったらまさにこれが再会です。
「そうあってはしっかり足元を確認しなくちゃ」。そう思って,よくよく調べていきました。もうだめかなと諦めかけていたときです。いたーっ!
見事に輝くタマムシが芝生に落ちていたのです。どうやらわたしの手が当たったようです。「申し訳ない。でも、うれしいよ」。
もちろん,それを室内で撮影することにしました。タマムシは動くには動きましたが,しきりに動くという感じではありませんでした。したがって,比較的撮りやすいモデルだったといえます。以下がその写真です。
まず,どーんと真正面からです。月並みな言葉なのですが,きらきらと輝く金属光沢の,なんと神々しいこと! きらびやかさが異彩を放っています。これまでにこれに近い,そしてずっと小さなレベルで見たものといえばハグロトンボのオスのそれが思い出されます。
真正面からもっと迫りました。
左前方から撮りました。
ちょっと近寄って。
今度は反対側,右前方からです。
真横からも。
おしまいに前半身を撮りました。
さすがに歴史的遺産“玉虫厨子”として人の目を魅了し続けるだけあって,神業仕掛けの衣装デザインです。