地球にあしあと

地球の色々なところに足跡をつけてきました。

カミーノにあしあと 25

2010年10月25日 | Weblog
【25日目】7/20(火) Astorga → Rabanal del Camino
アルベルゲでしっかりとした朝食を摂り、7:30に出発。

本日も快晴。
景色が奇麗だ。

さすがにAstorga以降は巡礼者の数が多いようだ。
いつもより巡礼路が混んでいる。


出発してすぐに小さな教会へ。






中でお祈りし、クレデンシャルにスタンプをもらい、先へと進む。


スィナは今日もかなりの早足で進んでいくので、調子が良いのかと思いきや、「昨日のレイキ男にエネルギー吸い取られた~」と、どうやら絶不調らしい。

それにしてもスィナの成長は目覚ましい。
普段あまり運動をしないので、ピレネーを越えた時にはヨレヨレになっていたのに、今ではすっかりたくましく元気になっている。
ヨーロピアンの底力やね。

しかもスィナの後ろ姿を見ると、お尻のあたりが引き締まり、ふくらはぎが太く発達してきているのが分かる。
自分もそうなってるに違いない。
巡礼者=アスリートだよ、こりゃ。


もうメセタを脱し、パラモと呼ばれる気候帯に入り、徐々に標高を上げて行くと緑が増えてくる。

本日の宿泊地は、Rabanal del Caminoという、小さな小さな村。
人口は50人ぐらい。

村の真ん中を通る巡礼路を歩き、スィナのガイドブックに載っている、El Pilarという名前のアルベルゲに少し早目の13:15頃に到着。




宿泊料は5ユーロ。
門をくぐって中に入ると、バルと平屋のアルベルゲエリアがある。
雰囲気はとても良いアルベルゲだ。






到着するとオスピタレロが、大きなテラコッタのピッチャーに入った水をくれる。
いつかGrañonでワインの回し飲みをした時のように、ピッチャーを上に掲げて長い飲み口から落ちる水を飲む。


ベッドを確保し、シャワーへ。
シャワーが3つ並んでおり、2つは使用中。
空いている1つを見ると、ドアに「冷水しか出ません」と書いてある。

ひえ~っ、夏とはいえ、水シャワーは嫌だぁ。

スィナはいつもシャワーの最後に水を浴びるので、水シャワーでも気にならないと言って先に入って行った。
隣のシャワー室のドアには何も張り紙がないので、こっちはお湯が出るのかな?

と思っていたら、そのシャワー室から出て来たおばさんが、「こっちも水シャワーよ。ちょっと冷たいけど、急いで浴びると大丈夫」と言う。
が、中に入ってみると、明らかに赤いお湯の栓と青い水の栓がある。
これ、お湯出るんじゃ?

試しに赤いほうをひねってみると、ちゃんとお湯が出た!

中から「こっちはちゃんとお湯出ましたよ~!」と教えてあげると、知らずに水のみでシャワーを浴びたおばさんが、「うっそ~」とショックを受けていた。

きちんと確認しましょうね。


洗濯後、お腹が空いているのでバルで何か食べることにした。
周りのお客さんが食べている料理のお皿を見ると、バリバリのスペインサイズみたいなので、2人でパスタとサラダをシェアすることに。

だって1人前でこの量だもん…。




さらに隣に座っていた親切なスペイン人のおじさんが、自分の食べ物を私たちに分けてくれたりもする。
きょ、恐縮です。

「スペイン人は良く食べますね~」と言うと、「そんなことないよ、これが普通だよ」と。
う~ん、体の造りが違うね。


お腹も落ち着いたので、村の散策へ。
私たちのアルベルゲのすぐ隣は公営アルベルゲらしい。

教会の前にもう1つ私営アルベルゲがあり、見学させてもらった。
ここはイギリス人が運営しており、アットホームな感じ。
開放的な中庭があり、芝生の上で昼寝するキムを発見。
調子もだいぶ良くなったようだ。


オスピタレロ達の話によると、巡礼者でもあるフランス人の牧師さんが、夕方5時からガーデンミサをしてくれると言う。
ミサ大好きなスィナは、もちろん大喜びで出席表明。

一旦自分たちのアルベルゲに戻り、昨日会ったドイツ人の牧師にもミサの件を伝え、参加者を募るスィナ。
またまたドイツ語で盛り上がってるので、私はアルベルゲ入口にあったパソコンを使ってメールチェック。
すると門から入ってきたおじさんに何やら言われた。
スペイン語なので、はっきりと分からなかったけど、アルベルゲの前にバンが止まっていて、その中でインターネットが使えるらしい。
「あっちの方がお得だよ」というようなことを言われた、と思う。

ごめん、おじさん。
私スペイン語ほとんど分かってないのに、分かったフリして「うんうん。あ、そう?オーケー」って返事するの、すっごいうまくなってるの。


パソコンのそばには自動販売機があり、通常のスナック類の他に、絆創膏やテーピング、シャンプーやかみそりなど、巡礼中に必要なものがここでそろうようになっていた。
すごいな~。


これと言って何もない村に早くに着いたので、メールチェック後は暇だからベッドで昼寝する。
夕方、スィナが「ミサの時間よ」と起こしに来たが、面倒くさいので無視すると、諦めてそのままミサへ出かけて行った。

しばらくベッドでゴロゴロしてたけど、あまり寝過ぎても夜眠れなくなるし、巡礼中しかできない経験だしと思い直して、やっぱりミサに行くことにした。

中庭に出ると本を読んでいるエリザベスに遭遇。
最初、隣の公営アルベルゲに行ってみたけど、2段ベッドの上しかあいてなかったので、こっちへ移ってきたそうだ。

ガーデンミサのことを告げると、「私も一緒に行くわ」と言うので、連れだって出かけて行く。


ミサはまさに芝生の真ん中で輪になって、行われた。
フランス人の牧師がフランス語で、ドイツ人の牧師がドイツ語で、お祈りの言葉を捧げる。
そして讃美歌を歌う。

私一人、クリスチャンじゃないし、東洋人なのでどうかとも思ったが、途中で抜け出すこともできず、我慢して最後まで付き合う。
歌ばかりか、フォークダンスのようなものまで始り、参加者で手をつなぎ、輪になって踊った。
う~ん、やっぱ参加せずにそばで見ていればよかったかも。

ミサの後、コミュニオンと言って、キリストの肉に見立てたパンを食べ、血に見立てたワインを飲む儀式を行う。
これは希望者のみなので、私は希望しなかった。
スィナに無邪気に「あなたも参加すればいいのに~」と言われたけど、だって私クリスチャンじゃないもん。

まあでも青空の下のガーデンミサなんて、貴重な体験ができたと思う。


ミサの後は、ビスケットと紅茶がふるまわれた。
さすが英国式。

相変わらずスィナがドイツ語ばかりしゃべるので、私はつまらなかったので、後からオランダ人のナターシャたちが入ってきたのを見つけ、そっちへ行って英語でしゃべっていた。


ミサ帰りに村の小さな日用品店に寄ると、シエスタの時間が終わって開いたので、明日のためのリンゴやミューズリーを買い、ついでに小さなメモ帳も買った。
しっかりとした日記をつけるつもりはなかったので、日本から小さなメモ帳を持ってきていたけど、最近あれこれ書くことが多くなり、もう残りページが少なくなっていた。
これで一安心。

ちなみに私が購入したメモ帳は、その後結構役立つこととなる。
なにかにつけてスィナが、「メモ用紙1枚ちょうだい」と言ってくるので。
私のウエストポーチにはさっと取り出せる便利なものがいっぱい入っているので、スィナに「ユウコはきちんとしている」といつもほめられていた。


アルベルゲに戻り、洗濯物を取り込んでいると、近くにやってきたオスピタレロが、地面に落ちていた何かをひょいと拾い上げ、その後固まった。

なんだろと思って良く見てみると、それはパックリ開いて落ちていた生理用品。
え~、ちなみにここには洗濯機がないので、洗濯は手洗いのはず。
だから「うっかり間違って服と一緒に洗濯しちゃった」という状況はない、はず。
なぜそれがそんなところに落ちているのか、不明。

私は、「うわっ、やば!恥ずかしい!」と思ったけど、そばにいたスィナとエリザベスは大爆笑。

そ、そうなんだ。
ここは大爆笑なんだ。
恥じらいとかは別にないんだ…。

逆に、ナプキンを手に大爆笑されたオスピタレロがちょっと恥ずかしそうにしていた。


夕食までの間、暇なのでスィナが足のマッサージをしてくれた。
私が日本で購入して行った、スティックタイプのタイガーバームは使いやすくてとても重宝する。

足の裏にたっぷりとタイガーバームを塗り込み、ぐいぐいと指圧してくれる。
気持ちいい~。

そばで見ていたエリザベスが、「若いからかかともツルツルでいいわね~」と言い、スィナと2人でまた爆笑していた。


さて、「そろそろ夕飯食べたいけど、何時からだろうね?」とみんなで噂しあう。
全くディナーのアナウンスがないので、オスピタレロに聞きに行くと、「何時からでも食べられるよ」との答え。
「じゃあ、メニューは?」と聞くと、「そこの壁に貼ってあるやつ」と言われた。

え?
ディナーはないのね。
壁に貼られた1日中オーダーできるメニューは、目玉焼き+ベーコンとか、朝食みたいなメニューばかり。
でも他にレストランもないので、ここで食べるしかない。

隣の公営アルベルゲからも夕食を食べに人がやってくる。
1人、陽気な韓国人のおじさんがいて、私を見つけるとかなり嬉しそうに握手してきた。
あんまり韓国人にも会ってないのかな?

食事していると、また例のレイキ男、ホセがアルベルゲに来ていた。
どうも胡散臭いんですけどぉ~。


この日、夕方以降気温がぐんぐん下がり、中庭で食事していると寒い!
標高は1,155m。
ここしばらくメセタの低いところを歩いてきたので、久しぶりに少し高いところに来たからか。
今までで一番寒いと思う。

まだ時間は早いけど、あまりに寒いのでもうベッドに入ることにした。


ところで私のベッドの上にはスペイン人の若者(男子)が2名おり、そいつらがガサツでうるさくて参った…。
ベッドの周りには荷物が散乱してるし、上からは靴がぶらさがってるし、寝るときに2人でふざけてガサガサ動くので揺れるし、本当に不愉快だった。
おまけに夜中に上から強烈な硫黄臭…。

久しぶりに殺意を覚えた夜だった。







本日の歩行距離:約21km
突然歩数計が復活したので、本日の歩行数:32,345歩