「War Horse」のマイケル・モープルゴの作品です。
そんな作品か全く知らずに借りてきていたので、その内容に驚きましたが、よくよく表紙を見ると明らかなんですよね。
駆け出しの新聞記者( A cub reporter とカブという単語を使っています)のレスリーは世界的に有名なヴァイオリニストパオロにインタビューする機会に恵まれた。ボスからは「何があってもモーツアルトに関する質問だけはしないように」と釘を刺されていたにも関わらず、あまりの貫禄のある大御所の前で完全に頭が真っ白になってしまったレスリーは、「モーツアルトのことについては聞きませんから。ダメだって言われてますから。何の事だかはわからないんですけど、モーツアルトの質問はあなたが嫌がるからしないようにってことなんで、しませんから!」と口走ります。
そんなレスリーのおっちょこちょいぶりに心がほぐされたのか、パオロは今まで誰にも話さなかった物語を語ります。 パオロはなぜモーツアルトだけは演奏しないのでしょうか。
いかに彼がバイオリンに惚れ込んだか。私が一番好きな描写はここです。
音楽が戦争中にどれだけの人々を救ったか、そして騙したか・・・・
同じ出来事をポジティブにとらえた人間とネガティブにとらえた人間が存在すること・・・・・・
どんなきっかけで傷が多少なりにも癒されるか・・・・・
モープルゴの作品は個人に起こった出来事を通して、戦争がいかに残酷なもので無意味なものであるか、いかに色々な形で 人々を傷つけているかを訴えかけるものが多いようです。
この作品は、悲しい話ですが心に響くものがあり、そして気持ちが暖まる終わり方をしているので大人にも子供にも合うと思います。
親子で一緒に読んで話し合うのにぴったりの一冊です。
9 out of 10
今日の日記:
音楽ネタ繋がりで、昨日のコンサートですが、特にバイオリンのレベルがめちゃめちゃ高くて驚きました。
「入るのが大変だけど、中に入ったらたいしたことなくてがっかりするらしい」なんて噂を聞いていたもんですから。
そんな話を聞いた時も「は?普通の公立校の週に1,2時間練習するだけのクラブ活動に何求めてんの?そんなこというなら年間3万ポンド出して音楽専門の学校に行かせれば?」なんて思っていましたけど、いやはや素晴らしかったです。再来年 Nancy は入部させてもらえるでしょうか・・・・その時は3時間のコンサートにも文句を言わずに楽しもうじゃないですか。