hinajiro なんちゃって Critic

本や映画について好きなように書いています。映画についてはネタばれ大いにありですのでご注意。本は洋書が中心です。

The Pedant in the Kitchen その1

2013年01月29日 | 洋書
     キンドル版

 男子厨房に入らず、な家庭で育った人気作家ジュリアン・バーンズが料理をし始めて気づいた「料理本の曖昧な部分」にツッコミを入れている本。
 面白いっちゃー面白いんですがね、英語がめちゃめちゃ難しいです!語彙がとんでもない。
 なので話半分どころか、1/3くらいですね、私が理解しているの。
 私の独断で、この本を英語で読むことをお勧めできるのは、次に該当する方のみ。
 1.英語圏の大学を卒業している方、そうではなくても努力によりそれ相応の英語力を持っていると自信を持って言える方
 2.著者のようなメジャーな私立校からオックスフォードやそれ相当な大学に行ったようなパートナーがいる、もしくは普段からそのような方たちに囲まれている、しかもその人たちは少なくとも2代前まで Native English Speaking Family である
 これらの条件を満たしていれば、きっとこの原作を楽しめます。
 それ以外の方は、私を信じて日本語の本をゲットしましょう!
 
とはいえ、いろいろ思うことありなので、2回に渡り書いていく予定。(しっかり楽しんじゃってますか?)
 著者がこの本の中で言及していることで、私も全くその通りであると共感した点は、分量についての記述。
 そもそも料理って最終的な味付けがモノを言うと思うのですが、そのあたりがかなり曖昧。「なんとか少々」「 a pinch of salt」ったって、私のpinchと大男ゴードン・ラムジーのpinchじゃ相当違う。ジェイミー・オリバーの料理番組を見ていても、「ここでホンノちょっとなんだかを加えてー」が私には「ドッサリ加えてー」に見える。
 著者は言葉を商売にしているので、本当に一言一言が気になってしまう。そして性格も pedant なので、「その辺テキトーに」がどうしてもできない。そんなところからくるエピソードと意見なんかがおもしろ可笑しく書いてある作品なんです。
 その1、の今日は分量にまつわる私のエピソードをこの下から語ります。
 
 ある日、娘の友達Tちゃん母から、「旦那のバースデーのためにケーキを焼きたいから手伝って」というかもっと「助けて」的な感じで電話がきました。なぜに私?
 「いいけど、なんで私?」と聞くと、
 「ケーキを一度も焼いたことがないから助けて」とのこと。
 「あのー、私もないんですけど、、、、」そもそも甘いものが好きじゃないから、全く興味も持てないもんねぇ。
 「だって、この間のお宅のパーティーでナンシーとTと女の子たちみんなで、ゲスト15名ほど(Captain R のバースディ兼ハロウィンパーティ)にカップケーキ焼いたでしょ?だからてっきり、、、、、」
 「あれ、カップケーキミックスにミルクいれてかき混ぜてオーブンに突っ込んだだけだけど」
 「えー!!!そんなずるしてんの?!!!」
 まぁ、こんな会話した次の日の放課後、未経験者二人がマーブルケーキ作りに挑戦。

 本を見ながら初体験を重ねていくわけですが、バターの量にびっくりして二人で無言で見つめ合い、「チョット、卵10個って本当かな?」「ミスプリントじゃないの?」とよその人に電話で確認。
 砂糖を量ってはあまりの大量ぶりに二人凍りつく。何度も本を見直し、首をひねりながら砂糖を見つめ続ける。「ねぇ、これ、まずくない?」と吹き出し・・・・・四六時中こんな調子。
 T母なんて、色々なところで適当に分量を減らそうとしたりするから、「こういうのって正確じゃないとダメらしいよ」と私が言ってみるけど、こっちも初心者とあっては信用もイマイチ。で、また分量を適当に変えていいか電話をかけて聞いたりと、とにかくドタバタでずっと爆笑したままようやくオーブンの中へ突っ込むところまで到達。
 ここで私は退散。

 翌日、わざわざ一切れのケーキを自宅まで届けてくれました。ちなみに言葉の綾じゃなくて本当の一切れよ(笑)
 さすが、卵8個入っているだけあって、とってもしっとりしていて美味しいマーブルケーキ。はい、そうです、卵は2個減らしました。もちろん砂糖も減らしました。バターもやっぱりちょっと減らしました。
 それにしても、甘さも程よく、文句なしの美味しさ!!!見た目も美しいマーブル柄。
 でも前日の夜は、オーブンに入れてから時間も計らずにいたらしく、すっかり忘れて取り出したときは表面が丸焦げだったとか。焦げ部分を削った姿で我が家にやってきたのでした。
 で、私がその時に思ったのが、材料の分量はしっかり書いてあるのですが、そのケーキの出来上がりは直径何センチのケーキになるのか、厚みはどれくらいになるのか、それ以上に、一体どの大きさのケーキ型が必要なのかは書いていないんですよね。そんなところがずっと気になったんですよ。
 でもまぁ、分量を適当に変えちゃうT母と私は Pedants ではないですね。

 続く
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