『アエネイスミッション』[Aeneas Mission ]

建国の使命を抱くアエネイスのフアストミッションは自軍団自民族引き連れて炎上壊滅するトロイからの脱出である。

第3章  戦端を開く  10

2007-09-01 07:49:42 | トロイ城市は炎上消滅の運命であった。
 ポリス連合軍は、そのポリスの動員数によって、大軍団もあれば、中軍団、小軍団もある。軍団によっての攻略目標については、メネラオスの事前調査に基づいて、各軍団に割りふり、指示を与えた。出来るだけ混乱を避けるように留意した。この指示を誤れば、たちまち、軍団、将兵の戦意に係わることだけに慎重に行われたのである。
 ヒッサリクの丘の麓より、アキレス、アイアースの軍団の防衛線の間の各所において、小ぜりあいの戦闘が起きているが、ことごとく、両軍団はこれを押し返していた。

 ヘクトルは、敵連合軍について、ある程度、解析理解した。それに基づき戦闘構想を描いて、軍団の編成を考えた。近隣諸国からの応援、遠くは、黒海沿岸の諸国からも応援の意思表示が届いていた。連合軍を恐れることはない。ヘクトルは、自信を持って、作戦計画を策定し、トロイ軍及び近隣諸国の将帥を集めて、打ち合わせを行い、指令を発した。
 トロイ軍と連合軍軍団の交戦力が拮抗していることが理解された。この力の拮抗が戦争終結まで、10年という長い戦役となる、所以(ゆえん)であった。