『アエネイスミッション』[Aeneas Mission ]

建国の使命を抱くアエネイスのフアストミッションは自軍団自民族引き連れて炎上壊滅するトロイからの脱出である。

第4章  怒るアキレス  13

2007-09-27 07:59:49 | トロイ城市は炎上消滅の運命であった。
 アガメムノンは、手にしている王杖で地面を思いっきり突いて、怒りの言葉を吐いた。
 『何をっ!戦利の娘を返せだと。アキレス、お前は、この俺に何を言うか。』
 会議は、会議でなくなった。アガメムノンとアキレスの口論の場になりつつある。
 『戦利の娘を俺の勝手にしてどこが悪い!アキレスっ!お前は、誰に向かって口を利いているのだ。この俺に戦利を失えだと、頼みごとがあるのなら、それに見合う戦利を調達して、持ってきて頼め!判ったか、アキレス。』
 アガメムノンは、諸将の面前で怒鳴り散らした。アキレスも負けずに、その怒鳴りに答えた。
 『アガメムノンよ。その高慢にして、欲の深さは何なのか。戦利の娘を即刻返して、悪疫を断ち、軍団内の秩序を回復することこそ、役務であろうが。すぐやってこそ、王杖をもつ統領なのだ。よく考えろ。』