『統領、充分に納得しました。この件は、統領と私のみの知る胸の内ということでよろしいですな』
『おう、それでいい。他言してはならない二人だけの胸の内だ。心して事に当たってくれ。これは、二人だけが知る一国の秘事だ。他に知られてはならないと心得てくれ』
『判りました。出来上がった計画案は一晩寝かせる、翌日再び俎上に載せて、討議の上まとめあげる。それでいけないときは、もう一晩寝かせて、再度、討議の上決定する。そのように図ります』
『それでいい。その段取りで計画をまとめあげる。計画ができ次第、一瀉千里で事を進める、この季節だ、遅速のはいかん』
『判りました』
立案、計画決定の会議を二人が練った段取りで進めることにした。明日を控えての二人の打合せは終わった。
『軍団長、夕めしがとどいている、どうだ一緒に食べないか』
『いいですね。喜んで一緒にいただきます』
『息子のユールスも一緒だ、いいな』
三人での食事となった。彼らの食事は極めて簡素だといっていい、食事は、パンと一采といったところである。であるだけに今日の主食のパンは、オロンテス独特の工夫がなされていた。大き目の羊肉を一塩で味付けして焼き、くるみこんで焼き上げたパンであった。そのように工夫されて焼き上げたパンが毎食かというとそうではなかった。一週間21度余りの食回数に対して2度くらいの頻度と言っていい。しかし、オロンテスには、心優しく、細かく気を配るところがあり、ユールス用のパンだけは別に焼いていた。
『おいっ、ユールス、今日のお前のパンはどんなだ?ちょっと見せてみろ』
『はい』と答えてパンを父のアヱネアスに手渡した。アヱネアスは、パンの一部をむしりとり、イリオネスと一口づつほおばった。
『ほっほう、これはこれはなかなかにいけますな。旨いですな』
『今日のパンは一風、変わっている。なかなかだ。いい味、いい匂いだ』と言って首を傾げ、言葉を継いだ。
『フルーツ風味だな。スダヌスの贈り物の中に何か果物があったのかな』
雑談を交わしながら三人で味わった夕食であった。
『おう、それでいい。他言してはならない二人だけの胸の内だ。心して事に当たってくれ。これは、二人だけが知る一国の秘事だ。他に知られてはならないと心得てくれ』
『判りました。出来上がった計画案は一晩寝かせる、翌日再び俎上に載せて、討議の上まとめあげる。それでいけないときは、もう一晩寝かせて、再度、討議の上決定する。そのように図ります』
『それでいい。その段取りで計画をまとめあげる。計画ができ次第、一瀉千里で事を進める、この季節だ、遅速のはいかん』
『判りました』
立案、計画決定の会議を二人が練った段取りで進めることにした。明日を控えての二人の打合せは終わった。
『軍団長、夕めしがとどいている、どうだ一緒に食べないか』
『いいですね。喜んで一緒にいただきます』
『息子のユールスも一緒だ、いいな』
三人での食事となった。彼らの食事は極めて簡素だといっていい、食事は、パンと一采といったところである。であるだけに今日の主食のパンは、オロンテス独特の工夫がなされていた。大き目の羊肉を一塩で味付けして焼き、くるみこんで焼き上げたパンであった。そのように工夫されて焼き上げたパンが毎食かというとそうではなかった。一週間21度余りの食回数に対して2度くらいの頻度と言っていい。しかし、オロンテスには、心優しく、細かく気を配るところがあり、ユールス用のパンだけは別に焼いていた。
『おいっ、ユールス、今日のお前のパンはどんなだ?ちょっと見せてみろ』
『はい』と答えてパンを父のアヱネアスに手渡した。アヱネアスは、パンの一部をむしりとり、イリオネスと一口づつほおばった。
『ほっほう、これはこれはなかなかにいけますな。旨いですな』
『今日のパンは一風、変わっている。なかなかだ。いい味、いい匂いだ』と言って首を傾げ、言葉を継いだ。
『フルーツ風味だな。スダヌスの贈り物の中に何か果物があったのかな』
雑談を交わしながら三人で味わった夕食であった。