『アエネイスミッション』[Aeneas Mission ]

建国の使命を抱くアエネイスのフアストミッションは自軍団自民族引き連れて炎上壊滅するトロイからの脱出である。

『トロイからの落人』  FUGITIVES FROM TROY   第7章  築砦  252

2014-04-16 07:52:56 | 使命は建国。見える未来、消える恐怖。
 『そうか、判った。お前がそのように言うのなら、そうする』
 『調査隊の編成の事もある、四日後と決める』
 『万事、それで事を進める。そのころには樹木調査隊の調査結果も答えが出ている。前が見えてくる』
 『よしっ!それでよかろう。パリヌルス、まとめる用件があるならそれまでにまとめてくれ』
 『判りました。そうこうしている間に、また、いい情報が入ってくるかもしれません』
 『三日後に会議を開く。いいな』
 打ち合わせは終わった。オキテスがパリヌルスに声をかけた。
 『パリヌルス、魚の事について、アレテスと話し合っておいてくれ。明後日には、そのことにかかわる連中も集めて意見の交換をやってはどうか』
 『判った。それでいい』彼らは散会した。
 三人は、それぞれのの持ち場へと向かった。パリヌルスは、歩を運びながら覚めた感覚で一連の物事について考えた。
 『この集団がまとまりを欠かさずに明日を目指していく、それは大変なことだ。外敵の攻略と闘い、領地と人民を守り、敵を下し、戦利を得る。農耕にいそしみ、地からの恵みを収穫し、山野を駆け、狩猟をやり、牧畜を営み、鉱山を開き、集団が生きていく。いま、我々は未踏の分野に足を踏み入れて、集団の生きる方向づけをしていかなければならない。むつかしいことだ。しかし、案ずるより生むは易い、これにスタンスして、戦略思考で計画立案し、手段を講じて実行していく。必ずこれをやり遂げる』自分自身を律し、励ました。
 『パリヌルス隊長!』と誰かが呼んでいる。彼は歩を止めて、我に返った。浜の砂地に立っていた。
 『おう、なんだ?』
 『小島のアレテス隊長から、帰られたら小島のほうへ来てくれと要請が来ています』
 『そうか、判った。ギアス隊長を呼んでくれないか』
 『判りました』程なくギアスが姿を見せた。
 『おう、ギアス、今日はご苦労であった。アレテスが来てくれと言っている。小島へ行く、頼む』
 『直ぐ出ます』『お~い、集まれ!小島へ行く、漕ぎかたを頼む』『おうっ!』舟艇は波を割って浜を離れた。
 アレテスは、パリヌルスの到着を待っていた。
 『おう、アレテス、来たぞ!』
 『パリヌルス隊長、待っていました。いかがでしたか?集散所の方は』