パリヌルスとスダヌス、二人は一同のいるところに戻って来た。
オロンテスが今日の業務を終えて、帰途につく時が来たことを伝えてくる。一同は腰をあげた。アヱネアスがスダヌスに感謝の意を伝える。彼らは、舟艇を係留している船だまりへと向かった。スダヌスたちも彼らについてきた。
『スダヌス頭、今日は世話になった。ありがとう』
アヱネアスは、礼を言って、舟艇に乗り込んだ。
ギアスは、空と風と波を読んでいる。波がしらが風に散っている、風は並みではないと読んだ。
『者ども心して漕ぐのだ!いいな!漕ぎかたはじめッ!』
ギアスの発する出航の檄である。漕ぎかたは櫂を力いっぱい、一斉に手前に引いた。波しぶきが風にとんだ。
オキテスは、樹木調査から帰った一同を広場に集めて報告を受けた。風風感知器に使用する用材は、伐採見本及び報告内容によって、支障なく調達できる見通しを得た。舟艇建造用の用材の調達も再度の調査を必要とするもいけるとの報告内容であった。オキテスは、トピタスからも方角時板用の用材に関する報告を受けた。
彼が最後に質したのは帰投の遅れた事由についてであった。これについてマクロスは、一行が樹林帯に深く入り込み、脱出の方向の見定めが不正確であり、難渋したことを報告した。
『マクロス、ご苦労であった。遅れたとはいえ一同が無事、帰投してくれた。このうえなく安堵している。いずれにしろ、間をおかずにガリダ頭領のところへ礼に行く。明朝、キドニアに行く便で出かける』
『判りました』
『マクロス、お前、道が判るな』
『それは、おぼろげです。ソリタンを同道させてください』
『判った、それで段取りしてくれ』
オキテスが判断したことは、いずれガリダが率いる一族の協力が必要であろうことを見通していた。
キドニアに出かけたアヱネアスらの一行が帰ってきた旨の連絡が来た。オキテスは心に決めていた。
『鉄は熱いうちだ。今日、夕めし前に会議をやろう。今の俺たちに必要なのは、情報の共有だ。迷うことなく目標に歩を進めるためだ』
オキテスは、広場に立って一行の到着を待った。
一行はアヱネアスを先頭に広場に姿を現した。
『統領、お帰りなさい。ご苦労でした。如何でした?』
『おう、集散所はなかなかの盛況であった。パンの売り場も見てきた。庶民の商い風景を見ることができた。いい視察ができたと思っている』
『そうですか、それはよろしかったですね』
彼は顔をイリオネスの方に向けた。
『軍団長、如何でしたか?』
彼は問いかけた。
オロンテスが今日の業務を終えて、帰途につく時が来たことを伝えてくる。一同は腰をあげた。アヱネアスがスダヌスに感謝の意を伝える。彼らは、舟艇を係留している船だまりへと向かった。スダヌスたちも彼らについてきた。
『スダヌス頭、今日は世話になった。ありがとう』
アヱネアスは、礼を言って、舟艇に乗り込んだ。
ギアスは、空と風と波を読んでいる。波がしらが風に散っている、風は並みではないと読んだ。
『者ども心して漕ぐのだ!いいな!漕ぎかたはじめッ!』
ギアスの発する出航の檄である。漕ぎかたは櫂を力いっぱい、一斉に手前に引いた。波しぶきが風にとんだ。
オキテスは、樹木調査から帰った一同を広場に集めて報告を受けた。風風感知器に使用する用材は、伐採見本及び報告内容によって、支障なく調達できる見通しを得た。舟艇建造用の用材の調達も再度の調査を必要とするもいけるとの報告内容であった。オキテスは、トピタスからも方角時板用の用材に関する報告を受けた。
彼が最後に質したのは帰投の遅れた事由についてであった。これについてマクロスは、一行が樹林帯に深く入り込み、脱出の方向の見定めが不正確であり、難渋したことを報告した。
『マクロス、ご苦労であった。遅れたとはいえ一同が無事、帰投してくれた。このうえなく安堵している。いずれにしろ、間をおかずにガリダ頭領のところへ礼に行く。明朝、キドニアに行く便で出かける』
『判りました』
『マクロス、お前、道が判るな』
『それは、おぼろげです。ソリタンを同道させてください』
『判った、それで段取りしてくれ』
オキテスが判断したことは、いずれガリダが率いる一族の協力が必要であろうことを見通していた。
キドニアに出かけたアヱネアスらの一行が帰ってきた旨の連絡が来た。オキテスは心に決めていた。
『鉄は熱いうちだ。今日、夕めし前に会議をやろう。今の俺たちに必要なのは、情報の共有だ。迷うことなく目標に歩を進めるためだ』
オキテスは、広場に立って一行の到着を待った。
一行はアヱネアスを先頭に広場に姿を現した。
『統領、お帰りなさい。ご苦労でした。如何でした?』
『おう、集散所はなかなかの盛況であった。パンの売り場も見てきた。庶民の商い風景を見ることができた。いい視察ができたと思っている』
『そうですか、それはよろしかったですね』
彼は顔をイリオネスの方に向けた。
『軍団長、如何でしたか?』
彼は問いかけた。