心に押し寄せた耐えがたい感傷を追いやって、イリオネスは姿勢を改める、話し始める。
『一同、今日はごくろうであった。出航の準備も整った、明朝、太陽が東の水平線を破って昇る、その刻に我らは、このクレタを離れる、そして、建国の地の探索の壮途に就く。我々が未知の海洋を旅する。如何なる困難が降りかかろうとも、また行く手をさえぎる事態が発生しようとも、それら一切を駆逐して目的を達成する!いいな!』
場の一同が賛意を声を出して答える。
イリオネスが場を見まわす、一同の意志を確かめる、鋭い目線で目を合わせる。
『この壮途である建国の地の探索では、我らは不明の海洋を渡っていく、目標地点は、へスペリアなる地である。この地に到る地図なるものはない。目標とする何物も存在しない航海で海洋を渡っていく、向かう先に何があるかも全く不明なのである。陸地の沿岸に沿って、ひたすら西への航海を続ける。気候の変化、予期しない風、荒れる海、こういった状況であろうとも海路を行く、航海を続ける。また、停泊の地において、干戈を交える事態が発生するやもしれない、いかなる事態に遭遇するやもしれない、これらをしりぞけて目的に向かって進む、本望を達成する。いいな!』
イリオネスが力説する、これを聞く一同は、意志をイリオネスの言葉と語調に合わせて高めていく。イリオネスが一泊の間をとって話を継ぐ。
『この壮途に使用する軍船は4隻、そのすべての軍船を、渡り行く海洋を想定して、いかなる状況にも対応できるように改造している。気候の変化、荒れる海等、それら危難に対処し危難を退けてくれ。いいな!』
一同と目を合わせて話を一段落させる、一同は、納得を言葉にして返す、うなずいて、イリオネスの目を見つめ返す。
アエネアスがイリオネスに代わって話し始める。
『おう、一同、ごくろう!君らの作業遂行に感謝している。軍団長の話の太要を理解してくれたな。先日、スダヌス浜頭が浜に来てくれた。その時、誰にも知られることなく、二人きりで航海の話合いをした。クレタを出航して、ギリシア本土の南西岸に到達するところまでの航路についての情報を得ている。それについて話をするから聞いてくれ』
ここまで話して一同と目を合わせる、彼は穏やかな口調で話す。航海の見通しに迷いのない話しぶりである。
『この航海は大切なわが民族のための航海である。故に安全航海で海路行くように努めたいのが俺の想いである。我らが目指すへスペリアへの地図なるものがない航海でもある。そのようなわけで行く先々において、次に目指すところの情報を獲得しながら、航海を続けなければならないことが一つ、二つ目は、ムリのない沿岸航法で航海を続ける。とにかく西へと方向を定めて海洋を行く。ところでだ』
アエネアスが一泊の間をとって、一同と顔を合わせる。
『出航して2日間でギリシア南部の西岸に到達して、沿岸に沿って北上するまでの航路、航程の詳細をスダヌスが話してくれた。それについて話しておく。この航程は日足の短い時節であれば3日の航程だが、今の時節なれば無理をすれば2日で航海できるそうだ。第一日目は、ギリシア本土の南部西岸に着くまでの中間地点にキューテラなる島があるそうである。これを目指す。この島の南部西岸のキシラの浜を目指して行く。それには出航して北西に向かっていく、道中には無人の小島が一つあるだけだそうだ。スダヌスの言うのでは、この時節なれば朝 陽の出の刻に出航して順調な航海であれば日没後、遅くとも宵のとばりの降りる頃には着くであろうと言っている。そこでは出来るだけ岸に近寄って海上で停泊して、明朝は空に星の残っている頃合いにキューテラを離れて北西に出航されたらいいと言っている。出航したら北西に向かって船団を進めれば、夕刻近くには、ギリシア本土の陸地が見えてくるそうだ。我々にとっては初めての航路であり定かではない。さらに航走して、本土の南西の岸に近づけば、目にする陸地には海に面して築城された城が見える、それを目にして、沿岸に沿って北上すれば半刻余りでピユロスなるところに着くといっている。その頃といえば真っ暗闇であるゆえに海上で停泊して、浜を訪ねるのは夜が明けてからにしようと考えている。スダヌスの配慮でピユロスのスケタルという浜頭あての紹介の木板を預かっている。たずねようと考えている。ここで次の目指す地点の情報を得ようと考えている。このピユロスなるところはは、我らがトロイの戦役で干戈を交えたネストルという大将の領国であるそうだ。以上だ。出航して2日間我らがいく航程である』
スダヌスは、土地の浜頭への紹介の木板、それに加えて2日間の航路も描いた木板をアエネアスに渡していた。
『一同、今日はごくろうであった。出航の準備も整った、明朝、太陽が東の水平線を破って昇る、その刻に我らは、このクレタを離れる、そして、建国の地の探索の壮途に就く。我々が未知の海洋を旅する。如何なる困難が降りかかろうとも、また行く手をさえぎる事態が発生しようとも、それら一切を駆逐して目的を達成する!いいな!』
場の一同が賛意を声を出して答える。
イリオネスが場を見まわす、一同の意志を確かめる、鋭い目線で目を合わせる。
『この壮途である建国の地の探索では、我らは不明の海洋を渡っていく、目標地点は、へスペリアなる地である。この地に到る地図なるものはない。目標とする何物も存在しない航海で海洋を渡っていく、向かう先に何があるかも全く不明なのである。陸地の沿岸に沿って、ひたすら西への航海を続ける。気候の変化、予期しない風、荒れる海、こういった状況であろうとも海路を行く、航海を続ける。また、停泊の地において、干戈を交える事態が発生するやもしれない、いかなる事態に遭遇するやもしれない、これらをしりぞけて目的に向かって進む、本望を達成する。いいな!』
イリオネスが力説する、これを聞く一同は、意志をイリオネスの言葉と語調に合わせて高めていく。イリオネスが一泊の間をとって話を継ぐ。
『この壮途に使用する軍船は4隻、そのすべての軍船を、渡り行く海洋を想定して、いかなる状況にも対応できるように改造している。気候の変化、荒れる海等、それら危難に対処し危難を退けてくれ。いいな!』
一同と目を合わせて話を一段落させる、一同は、納得を言葉にして返す、うなずいて、イリオネスの目を見つめ返す。
アエネアスがイリオネスに代わって話し始める。
『おう、一同、ごくろう!君らの作業遂行に感謝している。軍団長の話の太要を理解してくれたな。先日、スダヌス浜頭が浜に来てくれた。その時、誰にも知られることなく、二人きりで航海の話合いをした。クレタを出航して、ギリシア本土の南西岸に到達するところまでの航路についての情報を得ている。それについて話をするから聞いてくれ』
ここまで話して一同と目を合わせる、彼は穏やかな口調で話す。航海の見通しに迷いのない話しぶりである。
『この航海は大切なわが民族のための航海である。故に安全航海で海路行くように努めたいのが俺の想いである。我らが目指すへスペリアへの地図なるものがない航海でもある。そのようなわけで行く先々において、次に目指すところの情報を獲得しながら、航海を続けなければならないことが一つ、二つ目は、ムリのない沿岸航法で航海を続ける。とにかく西へと方向を定めて海洋を行く。ところでだ』
アエネアスが一泊の間をとって、一同と顔を合わせる。
『出航して2日間でギリシア南部の西岸に到達して、沿岸に沿って北上するまでの航路、航程の詳細をスダヌスが話してくれた。それについて話しておく。この航程は日足の短い時節であれば3日の航程だが、今の時節なれば無理をすれば2日で航海できるそうだ。第一日目は、ギリシア本土の南部西岸に着くまでの中間地点にキューテラなる島があるそうである。これを目指す。この島の南部西岸のキシラの浜を目指して行く。それには出航して北西に向かっていく、道中には無人の小島が一つあるだけだそうだ。スダヌスの言うのでは、この時節なれば朝 陽の出の刻に出航して順調な航海であれば日没後、遅くとも宵のとばりの降りる頃には着くであろうと言っている。そこでは出来るだけ岸に近寄って海上で停泊して、明朝は空に星の残っている頃合いにキューテラを離れて北西に出航されたらいいと言っている。出航したら北西に向かって船団を進めれば、夕刻近くには、ギリシア本土の陸地が見えてくるそうだ。我々にとっては初めての航路であり定かではない。さらに航走して、本土の南西の岸に近づけば、目にする陸地には海に面して築城された城が見える、それを目にして、沿岸に沿って北上すれば半刻余りでピユロスなるところに着くといっている。その頃といえば真っ暗闇であるゆえに海上で停泊して、浜を訪ねるのは夜が明けてからにしようと考えている。スダヌスの配慮でピユロスのスケタルという浜頭あての紹介の木板を預かっている。たずねようと考えている。ここで次の目指す地点の情報を得ようと考えている。このピユロスなるところはは、我らがトロイの戦役で干戈を交えたネストルという大将の領国であるそうだ。以上だ。出航して2日間我らがいく航程である』
スダヌスは、土地の浜頭への紹介の木板、それに加えて2日間の航路も描いた木板をアエネアスに渡していた。
