ピユロスの浜に朝が来る。星がきらめいている、薄明の頃合いである。
一夜を過ごした船団の者らが起きだしてくる、他国の海に身を浸してでやる朝行事である。
アエネアスがユールスとともに朝行事をする、船団の者らが海に身を浸し、朝の挨拶を交わしている。
朝行事を終える、出航を控えて緊張が高まる、船長役担当の声が飛び交う、出航の準備にとりかかる。
アエネアスが波打ち際に起つ、西の海に目をやる、身体を反転させる、背にしていた陸地のはるかに向けて思いをはせる。
クレタに浜を出て今日が四日目の朝である、ギリシア本土の西南端部ピユロスの浜から東南の空をのぞむ、陽が顔を見せる空が明るんでいる。
彼は、この頃合いのニューキドニアの浜の情景を沸々と思い浮かべる、浜のみんなが溌溂の朝を迎えているだろうか、朝行事をしているだろうか。
アエネアスが瞼を閉じる、クレタを託した彼らが事に携わる姿を瞼の裏に描く。
この頃合いのニューキドニアの浜の波打ち際にドックスが立っている、ドックスは、超多忙の三日間を過ごしやり、アエネアスら船団の者らのことを思いやる。
ドックスが北西の空をうかがう、そして、つぶやく。
『アエネアス統領、うまくやれそうです、使命を全うします。統領の目的成就を祈っています』
ドックスは、今、彼らがいずこの浜で朝を迎えているかに思いをはせる。
遠い北西の空に一朶の雷雲、雷光のきらめきを目にする。
船団一同が朝食を終える、イリオネスの檄が飛ぶ。
『ピユロスを出航する!』
『おうっ!』
喊声をあげる、乗船する、位置に就く、船を停船位置から後退させて、船列を整える。
一番船上でパリヌルスが咆哮する、
『出航!漕ぎかたはじめ!』漕ぎかたが海面を泡だてる、船首が海づらを割る、今日の目的地を目指して船団が進み始める。
浜に居並ぶ、トーバル浜頭と配下の者らが北に向けて、凪いだ海を割って進みゆく船団を見送ってくれていた。
海洋を進む 舳先に起つ 西のはるかを望む
船は 北へと波頭を割る
大いなる希望を抱いて 超えていく荒れる海
背を押す日輪 船を押す風
我は行く 君とともに 心の命ずるままに
俺には率いる民がいる
信じたこの道をただひたすらに 俺は行くひたすらに
我が民とともに いつに日にか 必ず踏んで立つ大地 建国の地
完
一夜を過ごした船団の者らが起きだしてくる、他国の海に身を浸してでやる朝行事である。
アエネアスがユールスとともに朝行事をする、船団の者らが海に身を浸し、朝の挨拶を交わしている。
朝行事を終える、出航を控えて緊張が高まる、船長役担当の声が飛び交う、出航の準備にとりかかる。
アエネアスが波打ち際に起つ、西の海に目をやる、身体を反転させる、背にしていた陸地のはるかに向けて思いをはせる。
クレタに浜を出て今日が四日目の朝である、ギリシア本土の西南端部ピユロスの浜から東南の空をのぞむ、陽が顔を見せる空が明るんでいる。
彼は、この頃合いのニューキドニアの浜の情景を沸々と思い浮かべる、浜のみんなが溌溂の朝を迎えているだろうか、朝行事をしているだろうか。
アエネアスが瞼を閉じる、クレタを託した彼らが事に携わる姿を瞼の裏に描く。
この頃合いのニューキドニアの浜の波打ち際にドックスが立っている、ドックスは、超多忙の三日間を過ごしやり、アエネアスら船団の者らのことを思いやる。
ドックスが北西の空をうかがう、そして、つぶやく。
『アエネアス統領、うまくやれそうです、使命を全うします。統領の目的成就を祈っています』
ドックスは、今、彼らがいずこの浜で朝を迎えているかに思いをはせる。
遠い北西の空に一朶の雷雲、雷光のきらめきを目にする。
船団一同が朝食を終える、イリオネスの檄が飛ぶ。
『ピユロスを出航する!』
『おうっ!』
喊声をあげる、乗船する、位置に就く、船を停船位置から後退させて、船列を整える。
一番船上でパリヌルスが咆哮する、
『出航!漕ぎかたはじめ!』漕ぎかたが海面を泡だてる、船首が海づらを割る、今日の目的地を目指して船団が進み始める。
浜に居並ぶ、トーバル浜頭と配下の者らが北に向けて、凪いだ海を割って進みゆく船団を見送ってくれていた。
海洋を進む 舳先に起つ 西のはるかを望む
船は 北へと波頭を割る
大いなる希望を抱いて 超えていく荒れる海
背を押す日輪 船を押す風
我は行く 君とともに 心の命ずるままに
俺には率いる民がいる
信じたこの道をただひたすらに 俺は行くひたすらに
我が民とともに いつに日にか 必ず踏んで立つ大地 建国の地

完