浜を照らす朝陽がまぶしい、船から降りて浜に立つアエネアス、控えて立つパリヌルスら三人、オキテスと浜頭が来る。
アエネアスと浜頭が向かい合って立つ、自己紹介するアエネアス、どのように自分を紹介するかの思案は出来ている。
『トーバル浜頭殿ですな、知り合いのクレタはスオダの浜のスダヌス浜頭殿からうかがっています』
アエネアスは知り合って久しい間柄であるニューアンスを漂わせて話しかける。
『はじめましてですな。私は、今、イタケ島のオデッセウスのもとに向かう海旅をしているアエネアスといいます。船上の者らは、私が統べている者らです』
『私は、スダヌス浜頭の紹介状にある、この浜を取り仕切っているトーバルです。イタケへの旅の途中といわれましたが、ここでの用件について承りたい』
『一昨日の朝、クレタ島のキドニアの浜を出航して、二日間、陸に上陸することのない旅を続けてきました。私が統べている者らを陸に揚げて休息をさせてやりたい考えています。出来れば今日一日、今夜一夜、浜を使わせていただければ幸いなのですが』
『用件は解りました、アエネアス殿。しかし、かなりの人数ですな。どれくらい、いらっしゃいますかな?』
『総人数は350人余りです』
トーバル浜頭から即答がない、思案している、トーバル浜頭が口を開く。
『アエネアス殿、用向きは、一同の休息ですな、歓迎というわけにはいきません。今日一日と言われましたな、休息されるについて、これだけの人数です、この地の者らが不審に思うやもしれません。今日一日、私と私の配下の者らが張り番管理をします。よろしいですね』と念を押してくる。
アエネアスが即答する。
『了承します』
『承知しました。使ってください』
交渉が成立する。その旨を全員に伝える。一同が喜ぶ、船から降りる、各自が海に身を浸して洗いながら浜にあがってくる。
彼らにとって二日ぶりの陸地である、陸地に立つ安堵感を味わっている。
トーバル浜頭と配下の者らが張り番管理に就く。
アエネアスが長い海岸線の波打ち際に立って海の彼方を見つめる、この浜からの海、西に向けて果てしなく広がっている、果てしない大空と海を眺める。
島影ひとつない、視野をさえぎる何物もない果てしなく広大な海洋である。
彼は考える、『未来とは目にすることができない。想像することも許さないものなのかな』である。
傍らに人気を感じる、イリオネスが立っている。
『おう、イリオネス、おはよう、いい朝だ。地元の浜頭とは、話がついて、今日一日、今夜をこの浜で過ごす、明朝、日の出の刻に出航する!計画を立ててくれ。向かう先は、イタケ島ということにしてある。行く先については俺が浜頭に直々にたずねる。なお浜頭に浜を使う謝礼について思案してほしい。思案がまとまったら聞かせてくれ』
『了解しました』
『浜頭と話し合う段取りもある。それからオロンテスの思案もあろうと考えている。朝食を済ませたら頃合いを計って浜頭と話し合いをする』
『判りました』
アエネアスがイリオネスとの打ち合わせを終える。
オロンテスの配慮で朝食が始まる、彼らは、焼き上げてから三日を経ているパンに噛みついている、配られたぶどう酒で胃に流し込んでいた。
アエネアスと浜頭が向かい合って立つ、自己紹介するアエネアス、どのように自分を紹介するかの思案は出来ている。
『トーバル浜頭殿ですな、知り合いのクレタはスオダの浜のスダヌス浜頭殿からうかがっています』
アエネアスは知り合って久しい間柄であるニューアンスを漂わせて話しかける。
『はじめましてですな。私は、今、イタケ島のオデッセウスのもとに向かう海旅をしているアエネアスといいます。船上の者らは、私が統べている者らです』
『私は、スダヌス浜頭の紹介状にある、この浜を取り仕切っているトーバルです。イタケへの旅の途中といわれましたが、ここでの用件について承りたい』
『一昨日の朝、クレタ島のキドニアの浜を出航して、二日間、陸に上陸することのない旅を続けてきました。私が統べている者らを陸に揚げて休息をさせてやりたい考えています。出来れば今日一日、今夜一夜、浜を使わせていただければ幸いなのですが』
『用件は解りました、アエネアス殿。しかし、かなりの人数ですな。どれくらい、いらっしゃいますかな?』
『総人数は350人余りです』
トーバル浜頭から即答がない、思案している、トーバル浜頭が口を開く。
『アエネアス殿、用向きは、一同の休息ですな、歓迎というわけにはいきません。今日一日と言われましたな、休息されるについて、これだけの人数です、この地の者らが不審に思うやもしれません。今日一日、私と私の配下の者らが張り番管理をします。よろしいですね』と念を押してくる。
アエネアスが即答する。
『了承します』
『承知しました。使ってください』
交渉が成立する。その旨を全員に伝える。一同が喜ぶ、船から降りる、各自が海に身を浸して洗いながら浜にあがってくる。
彼らにとって二日ぶりの陸地である、陸地に立つ安堵感を味わっている。
トーバル浜頭と配下の者らが張り番管理に就く。
アエネアスが長い海岸線の波打ち際に立って海の彼方を見つめる、この浜からの海、西に向けて果てしなく広がっている、果てしない大空と海を眺める。
島影ひとつない、視野をさえぎる何物もない果てしなく広大な海洋である。
彼は考える、『未来とは目にすることができない。想像することも許さないものなのかな』である。
傍らに人気を感じる、イリオネスが立っている。
『おう、イリオネス、おはよう、いい朝だ。地元の浜頭とは、話がついて、今日一日、今夜をこの浜で過ごす、明朝、日の出の刻に出航する!計画を立ててくれ。向かう先は、イタケ島ということにしてある。行く先については俺が浜頭に直々にたずねる。なお浜頭に浜を使う謝礼について思案してほしい。思案がまとまったら聞かせてくれ』
『了解しました』
『浜頭と話し合う段取りもある。それからオロンテスの思案もあろうと考えている。朝食を済ませたら頃合いを計って浜頭と話し合いをする』
『判りました』
アエネアスがイリオネスとの打ち合わせを終える。
オロンテスの配慮で朝食が始まる、彼らは、焼き上げてから三日を経ているパンに噛みついている、配られたぶどう酒で胃に流し込んでいた。
