とは言っても、暗たんたる思いが湧きおこってきます。いわき市社会福祉センター(旧産業会館)で開かれた、安倍政権がすすめる教育再生についての講演会で、講師の俵義文さんは「話を聞いて暗くなるでしょう」と話されましたが、安倍政権がすすめる解釈改憲、明文化意見、そして「教育再生」で描かれる日本の姿が想起する日本の姿にです。
子どもと教科書全国ネット21事務局長の俵さんは、「教育再生」について、一つは教科書の国家統制、二つに教育委員会と教員制度の改変から話しました。
そもそも戦後の教育は、戦前の国家統制の教育が日本の侵略戦争をすすめる原動力になった反省から、教育の国家統制をやめて教育は教員の責任で行うことにしました。また教育委員会を設置するとともに、その委員は選挙で選出することにしました。後に教育委員は任命制度に変えられますが、教育委員長、教育長は、教育委員会での互選とされるなど、その独立性は基本的に担保されてきました。
ところが、自民党政治の中で教育の国家統制の道が着々とすすめられてきた。そしてその行き着く先が1%のエリート育成と後の子どもたちは従順な労働力として育成する、そして戦争する国づくりに逆らわないように国民づくりをすすめていこうとしているというのです。
現実に教科書の国家統制は教科書検定を軸にすすめられてきたものの、国民の監視運動もあり十分な成果を上げられないため、国は「教科書改革実行プラン」によって、①編集過程での出版社の自主規制、②検定、③教科書採択――の3段階で教科書の国家統制をすすめていこうとしているといいます。
そしてこれに道徳の正規教科化が待っています。文科省は「心のノート」という副読本を大幅に改定し、8割程度記述を増加させた上で「私たちの道徳」という教科書を作っています。道徳の教科化がされても教科書はまだありません。検定制度を踏まえると、次の検定まで教科書はできないので、当面「私たちの道徳」で道徳教育を行おうというのだそうです。
仮に検定教科書が出回るようになったとしても、国家検定済みの教科書が出まわるようになります。国家が認定した道徳教育。戦前の修身や教育勅語で教育を通して国民を統制した時代が想起されます。
また、教育委員長と教育長を統合し、新「教育長」を任命制とした上で、教育長と首長を含む「総合教育会議」を設置して教育の大綱などを審議・決定させようという地方教育行政の改悪、教員採用時は准教員免除として教員経験後、それぞれの教育長が教員免許を交付する教員採用のあり方の変更。こうしたことを通じて教育内容を統制し、国家統制に従順な教員だけを採用していこうとしている、というのです。
俵さんは言います。
「教育再生。再生というからには元のものを作りかえす、という意味を持っています。安倍首相は『戦後レジームの脱却』といいます。戦後レジームは戦後の国づくりをすすめてきた憲法と教育基本法です。これを作り替えて戦前の教育体制、すなわち教育勅語、国定教科書、そして天皇のために命を投げ出すという軍国主義教育を創りだそうとしています。安倍首相はこのために教育の中央集権体制を作り、政治が教育に介入できるようにしようとしているのです」
教科書検定が現実に改悪され、国会では教育委員会制度の改悪が衆議院を通過し参議院で審議入りしています。着々と教育の国家統制がすすめられようとしているのです。それに対抗する力はあるのか。
俵さんはいいます。
「展望も少し話したい。いま、原発、憲法など、市民運動が戦後もっとも高揚している時期だと思います。この要求の一致の運動をつなげ、大きな闘いの戦線を作り出すことで、安倍政権の攻勢を押し返すことができると思います。そして地域から、その運動を起こしていくことが重要です」
この呼びかけに応えて、地域から声を上げなければならないと思います。
子どもと教科書全国ネット21事務局長の俵さんは、「教育再生」について、一つは教科書の国家統制、二つに教育委員会と教員制度の改変から話しました。
そもそも戦後の教育は、戦前の国家統制の教育が日本の侵略戦争をすすめる原動力になった反省から、教育の国家統制をやめて教育は教員の責任で行うことにしました。また教育委員会を設置するとともに、その委員は選挙で選出することにしました。後に教育委員は任命制度に変えられますが、教育委員長、教育長は、教育委員会での互選とされるなど、その独立性は基本的に担保されてきました。
ところが、自民党政治の中で教育の国家統制の道が着々とすすめられてきた。そしてその行き着く先が1%のエリート育成と後の子どもたちは従順な労働力として育成する、そして戦争する国づくりに逆らわないように国民づくりをすすめていこうとしているというのです。
現実に教科書の国家統制は教科書検定を軸にすすめられてきたものの、国民の監視運動もあり十分な成果を上げられないため、国は「教科書改革実行プラン」によって、①編集過程での出版社の自主規制、②検定、③教科書採択――の3段階で教科書の国家統制をすすめていこうとしているといいます。
そしてこれに道徳の正規教科化が待っています。文科省は「心のノート」という副読本を大幅に改定し、8割程度記述を増加させた上で「私たちの道徳」という教科書を作っています。道徳の教科化がされても教科書はまだありません。検定制度を踏まえると、次の検定まで教科書はできないので、当面「私たちの道徳」で道徳教育を行おうというのだそうです。
仮に検定教科書が出回るようになったとしても、国家検定済みの教科書が出まわるようになります。国家が認定した道徳教育。戦前の修身や教育勅語で教育を通して国民を統制した時代が想起されます。
また、教育委員長と教育長を統合し、新「教育長」を任命制とした上で、教育長と首長を含む「総合教育会議」を設置して教育の大綱などを審議・決定させようという地方教育行政の改悪、教員採用時は准教員免除として教員経験後、それぞれの教育長が教員免許を交付する教員採用のあり方の変更。こうしたことを通じて教育内容を統制し、国家統制に従順な教員だけを採用していこうとしている、というのです。
俵さんは言います。
「教育再生。再生というからには元のものを作りかえす、という意味を持っています。安倍首相は『戦後レジームの脱却』といいます。戦後レジームは戦後の国づくりをすすめてきた憲法と教育基本法です。これを作り替えて戦前の教育体制、すなわち教育勅語、国定教科書、そして天皇のために命を投げ出すという軍国主義教育を創りだそうとしています。安倍首相はこのために教育の中央集権体制を作り、政治が教育に介入できるようにしようとしているのです」
教科書検定が現実に改悪され、国会では教育委員会制度の改悪が衆議院を通過し参議院で審議入りしています。着々と教育の国家統制がすすめられようとしているのです。それに対抗する力はあるのか。
俵さんはいいます。
「展望も少し話したい。いま、原発、憲法など、市民運動が戦後もっとも高揚している時期だと思います。この要求の一致の運動をつなげ、大きな闘いの戦線を作り出すことで、安倍政権の攻勢を押し返すことができると思います。そして地域から、その運動を起こしていくことが重要です」
この呼びかけに応えて、地域から声を上げなければならないと思います。
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