伊藤浩之の春夏秋冬

いわき市遠野町に住む市議会議員。市政や市議会、日常の活動などを紹介していきます。

市役所庁舎耐震工事の現場を視察

2019年05月22日 | 市政
 市役所本庁舎の耐震工事及びエネルギー関連設備を設置する設備塔の建設工事発注をめぐっては、昨年12月定例会と今年2月定例会提出の関連議案で賛否が分かれ、賛成多数での議決がされてきた。

 私は、賛成の立場から12月定例会で討論に立ち、2月定例会でも反対討論には入れなかった。2月定例会の際には、常任委員会の最中に、現場の視察が可能な状況にある事が分かり、正式の会議の場ではなかったが、現場を視察して説明を受けた上で採決することも提案した。しかし委員全員の賛同を得られていなかった。

 控室の窓の外にはその工事現場があるの。だが塀で遮蔽され、近いようで、現実には遠い。5月になって執行部から見学会を開催するという連絡が入り、今回、初めて現場に立ち入ることになった。

 まず設備塔を見学した。

 この施設は、もともと市役所本庁舎地下にあった配電盤や冷暖房関連の設備が、水害時に水没する恐れがあるため、災害時の防災拠点としての機能を確保するため、耐震改修と合わせて新設される。


 小さい会議室は、普段は介護認定審査会の会議室として使用するといい、受電する高電圧電源を庁舎で使用が可能な低圧に変換する設備、冷暖房設備などを順次見学した。自家発電設備は、A重油を13,000リットル保管し、3日間分の電気供給が可能だという。




 続いて本庁舎地下の工事現場に、狭い階段を下りて行った。



 地表12mから掘り進んだ、庁舎地下室底部の下に現場がある。頭上に見えるコンクリートが、本庁舎の底部ということになる。




 この柱がもともと本庁舎を軟弱地盤地下の硬い地盤を結んで安定させるための基礎杭。






 足元のコンクリートはマットスラブと呼ばれるコンクリートの床。現在まで30㎝の厚さで打設している。これを2m厚まで積み上げ、庁舎底部に新設して渡す梁とマットスラブの間に免震装置となるダンパーを入れるという。また、マットスラブを支持するためのようだが増設杭を構築するという。




 地下で聞いた説明では、土壌の粘性に問題があるため掘りこんだ穴の外周部分が膨らむ傾向にあるため、追加工事で斜めの梁を取り付けることにしたという。先の写真の鉄骨部分だが、この費用はあらかじめ事業者と市の間で取り交わしたリスク分担により、事業者の負担となっているという。

 その他、基礎杭部分の工法を、当初、人力による掘削としていたものの、湧水や土砂の崩落等の危険が大きいため機械施工に変更する必要も生じている。これも費用負担をどちらが負うのかが問題になりそうだ。




 現在の工事は、3工区のうち第1工区で進められている。これから第2、第3工区と工事が進められる。そうなると、これまでの文書やボーリング等の確認では把握できなかった問題が発生し、工法の変更等が発生し、費用負担の変動が生じる恐れは十分にあるという実感を持った。

 その際に大切なことは、リスク分担に伴う費用負担の変動を分かりやすく説得力を持って説明することにあるだろう。また、地下に下りてみ実感したのは、確かに12m狭い階段を下りるのではあるが、比較的容易く下りることができるということだった。委員会での採決は、視察して理解を深めた上で採決の方が良かったという思いがあらためて湧いた。


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