きょうは日本共産党国会議員団の東京電力福島第一原子力発電所の視察に同行してきました。2011年、原発事故の年7月にいわき市議会として初めて視察してから4度目の第一原発の訪問となりました。
原発事故後、第一原発の収束作業の中継基地としての役割を果たしてきたJビレッジで簡単な説明を受けた後、さっそくバスに乗り込み第一原発へ。途中、大熊町の第一原発への進入路付近では7.9μSvの線量があることなど聞きながら、入退域管理施設で、サージカルマスク(風邪予防用のマスク)と綿手袋、シューズカバー着用、そして線量計携行という軽装備を整え、さっそく構内視察に出かけました。
軽装備ですむのは基本バス車内からの視察となるためです。初めての視察も同じくバスの中からでしたが、フード型のマスクにタイベック、2重の靴下、綿とゴムで2重の手袋をはめるという装備でした。構内除染などで線量が下がっているために、視察内容によっては軽装備でも視察が可能になったということです。
構内では、免震重要棟、多核種除去装置「アルプス」、地下水バイパス用の汲み上げ井戸、4号機、3号機、凍土壁用の冷却装置などを車内から見ながら説明を聞いたわけですが、半年前に市議会から来た時と比べても、土が露出した場所が少なくなったという印象がありました。
1日400tづつ増える汚染水の対策が引き続き大きな問題になっている中、その抑制策の一つが構内の舗装等をすすめることでした。地下水の水源は構内周辺の降雨と考えられ、構内をモルタル等で覆うことで雨水の地下浸透を抑制しようというのです。東電は、この効果と地下水バイパスの実施によって地下水入流が100t減少し、現在は300t程度になっていると説明していました。
一方、爆発事故をおこした3号機では、燃料プールからの核燃料取り出しに向けて、破壊された部分の除去作業がほぼ終わって、以前、見せていたむき出しの鉄骨などはなくなりましたが、建屋側壁にはひしゃげた鉄筋などが見え、爆発のすさまじさを感じさせる部分も残っています。また1号機は、カバーの撤去がすすめられていますが、この日の状況は6枚のパネルで構成される屋根の2枚が外されていましたが、建屋の様子はまだカバーに隠れみることはできませんでした。
3号機付近の線量は3号機西側で255μSvと高く、3号機の作業は遠隔操作の重機でおこなっているとのことでした。
この3号機付近でサブドレン(地下水汲み上げ用の井戸)を見ました。「漁業者の了解が得られ次第、汲み上げた地下水を浄化して海に放水したい」と説明しています。
その説明を聞きながら思うのは、先日の報道では、浄化された地下水の海洋放出を県漁連が受け入れる方針を、理事会で決めたとされています。その受け入れ条件となる要望案には「トリチウム水の陸上保管」が入っており、これも理事会で決まったというのです。
サブドレンの地下水は、浄化してもトリチウムは残ります。「トリチウム水の陸上保管」であれば、サブドレンの浄化地下水は放出できないことになり、この要望が決まっているとすると、事実上の地下水放出拒否回答となるように思えるのですが、もしこのような要望が出された際に、東電はどう対応しようとしているのかが気にかかるところです。
また、質疑等では土曜日にバキュームカーの後部ハッチの蓋にはさまれて死亡した事故への対応策などの質疑がありましたが、詳しい説明はありませんでした。警察の事情聴取等の関係で、関係者の聴取ができないことが理由とされていましたが、それにしても事故から2日間たっていることを考えると、そんなおっとり刀でやっていていいのかな、と思いが湧いてきます。
事故の影響で作業はストップしているといいますが、作業には定められた作業期間があります。事故による作業中断を受け作業終期を変更しなければ、作業日数を確保できないまま無茶な作業をすることになりかねない恐れがあります。質問に東電は「工期ありきですすめない」と言いますが、全体の工期の関係で無理な作業を押し付けられる部分も出てきかねません。
そのためにも東電として事故の原因究明とその対応策を早期に、しかも実効性を持たせて打ち出し、作業環境の安全を確保することが求められていると思います。そんな時に、いまだ事故原因の究明がすすんでいないというのは何なんでしょう、という感じです。
質疑終了後、立ち話ですが、防波堤のことを訪ねてみました。第一原発の湾の防波堤には、うず高く消波ブロックが積み上げられていましたが、本設の防波堤はありません。大規模余震とそれにともなう津波の怖れは消えたわけではないので、早期に対応することが求められていると思うのです。
以前の視察の際には、他に優先する作業があるのでそこまで手が回らない、という主旨で答えられていたのですが、今度も「検討をすすめている」というだけで、具体化には程遠い状況にあるようです。
1号機のカバー除去作業にあたっての安全性確保も気にかかることではありますが、視察ではしっかりと時間を確保したやり取りは難しいようです。視察担当では答えられない部分もずいぶん多いようなので。安全に収束作業をすすめ、市民の安心感を高めるためにも、今後何らかの説明の機会が必要だと感じています。
原発事故後、第一原発の収束作業の中継基地としての役割を果たしてきたJビレッジで簡単な説明を受けた後、さっそくバスに乗り込み第一原発へ。途中、大熊町の第一原発への進入路付近では7.9μSvの線量があることなど聞きながら、入退域管理施設で、サージカルマスク(風邪予防用のマスク)と綿手袋、シューズカバー着用、そして線量計携行という軽装備を整え、さっそく構内視察に出かけました。
軽装備ですむのは基本バス車内からの視察となるためです。初めての視察も同じくバスの中からでしたが、フード型のマスクにタイベック、2重の靴下、綿とゴムで2重の手袋をはめるという装備でした。構内除染などで線量が下がっているために、視察内容によっては軽装備でも視察が可能になったということです。
構内では、免震重要棟、多核種除去装置「アルプス」、地下水バイパス用の汲み上げ井戸、4号機、3号機、凍土壁用の冷却装置などを車内から見ながら説明を聞いたわけですが、半年前に市議会から来た時と比べても、土が露出した場所が少なくなったという印象がありました。
1日400tづつ増える汚染水の対策が引き続き大きな問題になっている中、その抑制策の一つが構内の舗装等をすすめることでした。地下水の水源は構内周辺の降雨と考えられ、構内をモルタル等で覆うことで雨水の地下浸透を抑制しようというのです。東電は、この効果と地下水バイパスの実施によって地下水入流が100t減少し、現在は300t程度になっていると説明していました。
一方、爆発事故をおこした3号機では、燃料プールからの核燃料取り出しに向けて、破壊された部分の除去作業がほぼ終わって、以前、見せていたむき出しの鉄骨などはなくなりましたが、建屋側壁にはひしゃげた鉄筋などが見え、爆発のすさまじさを感じさせる部分も残っています。また1号機は、カバーの撤去がすすめられていますが、この日の状況は6枚のパネルで構成される屋根の2枚が外されていましたが、建屋の様子はまだカバーに隠れみることはできませんでした。
3号機付近の線量は3号機西側で255μSvと高く、3号機の作業は遠隔操作の重機でおこなっているとのことでした。
この3号機付近でサブドレン(地下水汲み上げ用の井戸)を見ました。「漁業者の了解が得られ次第、汲み上げた地下水を浄化して海に放水したい」と説明しています。
その説明を聞きながら思うのは、先日の報道では、浄化された地下水の海洋放出を県漁連が受け入れる方針を、理事会で決めたとされています。その受け入れ条件となる要望案には「トリチウム水の陸上保管」が入っており、これも理事会で決まったというのです。
サブドレンの地下水は、浄化してもトリチウムは残ります。「トリチウム水の陸上保管」であれば、サブドレンの浄化地下水は放出できないことになり、この要望が決まっているとすると、事実上の地下水放出拒否回答となるように思えるのですが、もしこのような要望が出された際に、東電はどう対応しようとしているのかが気にかかるところです。
また、質疑等では土曜日にバキュームカーの後部ハッチの蓋にはさまれて死亡した事故への対応策などの質疑がありましたが、詳しい説明はありませんでした。警察の事情聴取等の関係で、関係者の聴取ができないことが理由とされていましたが、それにしても事故から2日間たっていることを考えると、そんなおっとり刀でやっていていいのかな、と思いが湧いてきます。
事故の影響で作業はストップしているといいますが、作業には定められた作業期間があります。事故による作業中断を受け作業終期を変更しなければ、作業日数を確保できないまま無茶な作業をすることになりかねない恐れがあります。質問に東電は「工期ありきですすめない」と言いますが、全体の工期の関係で無理な作業を押し付けられる部分も出てきかねません。
そのためにも東電として事故の原因究明とその対応策を早期に、しかも実効性を持たせて打ち出し、作業環境の安全を確保することが求められていると思います。そんな時に、いまだ事故原因の究明がすすんでいないというのは何なんでしょう、という感じです。
質疑終了後、立ち話ですが、防波堤のことを訪ねてみました。第一原発の湾の防波堤には、うず高く消波ブロックが積み上げられていましたが、本設の防波堤はありません。大規模余震とそれにともなう津波の怖れは消えたわけではないので、早期に対応することが求められていると思うのです。
以前の視察の際には、他に優先する作業があるのでそこまで手が回らない、という主旨で答えられていたのですが、今度も「検討をすすめている」というだけで、具体化には程遠い状況にあるようです。
1号機のカバー除去作業にあたっての安全性確保も気にかかることではありますが、視察ではしっかりと時間を確保したやり取りは難しいようです。視察担当では答えられない部分もずいぶん多いようなので。安全に収束作業をすすめ、市民の安心感を高めるためにも、今後何らかの説明の機会が必要だと感じています。
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