<記事転載>
今回の「その3」も長文ですので、何度か読まないと理解しにくいと思います。副島氏はこの記事の中でも、いくつか誰も言わないような重要なことを言われています。さすがは副島隆彦、と思わせる視点だと改めて感心します。
----------------------------
それから次のテーマです。
鳩山由紀夫首相の資金問題(お母さんからの支援金)を執拗に追いかけてきた検察庁は、今度は、年末の28日頃になってから急に小沢一郎の資金管理団体である陸山会(りくざんかい)の土地購入問題をほじくり返す攻撃に出てきました。
今回は、まず雑誌数誌にリーク(公務員法違反の違法行為である)しておいて、それから大新聞に一斉に書かせた。これに 呼応して 自民党の悪質な院外団(いんがいだん)や右翼団体や、令のネット右翼のブログの書き手たちが計画的に焚きつけるというキャンペーンが始まった。
陸山会が持っている土地やアパートが10ぐらいあるようだ。その購入資金の動かし方の不透明さをわさと大きく取り上げた。資金の動きが、政治資金規正法に基づく政治資金収支報告書(せじしきんほうこくしょ)に記載されていないではないか、として、石川知裕(いしかわともひろ)という現在は衆議院議員に当選した小沢一郎の秘書を事情聴取(任意出頭)で、締め上げているという動きになっている。
(転載貼り付けはじめ)
「土地取引「小沢氏の指示」 石川議員、地検聴取に証言」
朝日新聞 2010年1月1日
小沢一郎・民主党幹事長の資金管理団体「陸山会」が2004年に取得した土地をめぐる問題で、当時の陸山会の事務担当者で元秘書の石川知裕衆院議員(36)=同党、北海道11区=が東京地検特捜部の任意の事情聴取に対し、土地取引は小沢氏の指示で始まり、購入原資の約4億円が小沢氏の資金だったと認めていたことが、関係者の話でわかった。約4億円は、長年の政治活動で得た資金の可能性があるという。
石川氏は関係者に対し、取引を進める中で「小沢氏と直接、電話やメモでやりとりすることもあった」と証言しているという。特捜部も、石川氏の再聴取などで、小沢氏が不明朗な資金操作についてどこまで認識していたかを調べる見通しだ。また、購入資金などで小沢氏しか分からない事情があるため、小沢氏を任意で聴取する必要があるか、慎重に検討するとみられる。
この問題では、陸山会が04年10月29日、東京都世田谷区の宅地を約3億4千万円で購入。その数日前から、総額約4億円が複数の関連政治団体経由などで陸山会の口座に集められ、土地代金に充てられたことが判明。
この約4億円は、同会の政治資金収支報告書の収入に記載されていない。石川氏が聴取の際、この資金操作などへの関与を認めたことから、特捜部は、石川氏を政治資金規正法違反(不記載)の罪で在宅起訴する方向で検討しているとされる。
複数の関係者によると、この土地取引は、小沢氏が、同会の会計責任者だった公設第1秘書・大久保隆規(おおくぼたかのり)被告(48)=西松建設の違法献金事件で公判中=に、秘書寮の用地の取得を指示して始まった。大久保秘書は、対象地を探し、後の経理手続きは石川氏に任せたという。
一方、小沢氏側の関係者によると、石川氏が「小沢氏の資金だった」と認めた購入原資の約4億円について、小沢氏の政治活動で得られた資金だった可能性が高いという。特捜部は、この資金が小沢氏個人の帰属か、政治資金かの解明も進める。
同会の04年分の収支報告書には土地取引に関する記述がなく、05年分に記載されているため、石川氏ら3人が同法違反容疑で刑事告発された。小沢氏は記者会見で「単純ミスだ」と釈明している。
(転載貼り付け終わり)
副島隆彦です。 このように元日に、上の朝日新聞だけではなく他紙もそろって、この土地取引の問題を大々的に報じた。だから、私も年頭にこの問題を論じないわけにはいかなくなりました。
これは去年3月以来の検察庁、東京地検特捜部と小沢一郎の戦いの新しい展開です。佐藤優(さとうまさる)氏が前にコラムで書いていたとおり、検察は民主党攻撃をする際に、小沢堤(つつみ)と鳩山堤(つつみ)という二つのルートで攻撃を仕掛けている。佐藤氏は 「佐藤優の眼光紙背:第63回」(ライブドアニュース)に、次のように書いている。
(転載引用はじめ)
筆者の見立てでは、現在、検察は2つの突破口を考えている。一つは鳩山由紀夫総理の「故人献金(こじんけんきん)」問題だ。もう一つは、小沢氏に関する事件だ。小沢氏に関する事件は、是非とも「サンズイ」(贈収賄などの汚職事件)を考えているのだと思う。
ここに大きな川がある。疑惑情報を流すことで、世論を刺激し、川の水量が上がってくる。いずれ、両岸のどちらかの堤(つつみ)が決壊する。堤が決壊した側の村は洪水で全滅する。現在、「鳩山堤」と「小沢堤」がある。「故人献金」問題で、「鳩山堤」が決壊するかと思ったが、思ったよりも頑強で壊れない。
そこで、今度は「小沢堤」の決壊を狙う。そこで、石川知裕衆議院議員(民主党、北海道11区)絡みの疑惑報道が最近たくさん出ているのだと思う。石川氏は、小沢氏の秘書をつとめていた。8月の総選挙では、自民党の中川昭一(なかがわしょういち)元財務省(故人)を破って当選した民主党の星である。この人物を叩き潰すことができれば、民主党に与える打撃も大きい。
「佐藤優の眼光紙背(がんこうしはい):第63回」(ライブドアニュース)
http://news.livedoor.com/article/detail/4466372/
(転載引用終わり)
副島隆彦です。この堤防の決壊にたとえた佐藤氏の表現をよくかみしめてください。ここで大事なことは、小沢一郎の政治団体が持っているアパートとマンション計10個は、個人の蓄財のためのものなのではなくて、これは小沢一郎の政治家としての政治活動であり秘書軍団、つまり政治家として育って行く弟子たちの寮、住居として使われてきた建物である。
このように、「人間を育てる。弟子たちを育てる。次の世代の元気な日本人を育てる」ということが、ある程度歳を取った人間がやることして一番、大事なことだ。小沢一郎という政治家の偉さは、ここに表れている。本当に、小沢一郎は、西郷南洲(なんしゅう)隆盛のような大きな人間であり、卑屈な敵どもとは、比べ物にならないぐらい立派な人間だ。そして、同じく、織田信長と同じような苛烈な人間だ。だから私たちの国民指導者だ。
(副島隆彦注記。以上までを、加筆訂正しました。残りの作業の最中に、突然、訂正画面が消えました。急いでやりますので、お待ちください。 副島隆彦注記終わり。)
私は、去年8月30日の民主党大勝利の背景にあったのは、この小沢の秘書軍団であると前から書いてきました。この秘書軍団が全国津々浦々を訪れて、今、小沢ガールズとか小沢チルドレンといわれている、143人もの初当選新人政治家たちを手取り足取り、小沢本人が選挙区に入れないときに指導してきたわけです。これらの小沢ガールズといわれる新人の脇でビラの配り方や演説の仕方までを一生懸命指導してきた小沢の私設秘書たちの姿が一番重要であると私は話してきました。この秘書軍団の中には、選挙管理委員会に提出された民主党の比例区の名簿に記載されて、民主党圧勝の勢いで議員になったものも少なからずいるであろうと、私は当選者の名簿を見ていて思いました。そういう政治活動家のための寮が陸算会の所有する寮に住まわされているのであろうと思います。
私が小沢一郎の姿勢でもっとも共感でき、すばらしいと思えるのは、この人材を育てるということに掛ける、恐ろしいまでの執念と意気込みであると思います。自分自身は大して立派でもない家に住み、そうやって人材を育てているわけです。
ところが、大新聞、マスコミの記者たちは、自分たちが駆け出しの記者時代に会社に事実上の借り上げになっている社宅に住まわせて貰いながら、朝晩と取材で出歩いたという記憶も持っているにもかかわらず、政治家が秘書軍団を政治活動のプロとして育てる(それには当然住居を確保するためのお金もかかる)という段になると、顔色を変えて批判する。蓄財だ、何だと批判するわけです。
これにはもう私ははらわたが煮えくりかえるような怒りを覚える。
ですから、この政治活動、選挙運動のプロたちの存在がきわめて重要で、彼らは小沢一郎から、その師匠である田中角栄直伝の選挙術を学んでいる。だから、彼らは角栄の「川上から活動しろ」という選挙術に従って、田舎町でも一番へんぴな奥の方の、農村地帯ののようなところから本気で選挙区を駆け回る、ということをやらせた。このことをすごさを理解できないようなひとは、政治活動について論じることをやめたほうがいいでしょう。
選挙に当選した後も、新人議員は東京で勉強会をしたり、偉そうにあちこちで政治家らしく振る舞うようなことはしなくていいから、地元の田舎選挙区に帰って、じいさんばあさんと本気で話してこい、というやり方を取るわけです。だから、地べたをはうように、国民に意見を聞き、国民に教えられるということをやれ、ということ。このことのすごさをまだ皆さんは軽く見ているのではないか、という風に言わなければならないのです。そういう風にしないと本当の国民政治家が育たないと私は考えています。
だから、今、検察は小沢一郎が代表を務める陸山会(陸山会は、「法人格なき社団」なので、団体名での土地登記ができないので小沢一郎個人の登記になっている)が所有するアパート・マンションというものへの攻撃を仕掛けてきた、これをやると政治家の政治活動の基盤を破壊できるということに気が付いたわけです。こういうことをやっていいものだろうか。
次の政変が起きて、小沢直系の人物、政治活動における弟子たちが「皆殺し」にされる事態が来るかもしれない。政治の戦いはきれい事ではない。一般人が軽い気持ちでのぞき込んでいけない世界であるということは、私は自民党勉強会に昔なんども呼ばれて政治家の顔つきをじーっと眺めてきた人間ですから非常によく分かります。どろどろの汚らしい世界であるわけです。
本来は、その荒波の中でどれだけの人間が生き延びて、本来持っていた政治家としての資質をのばすか、ということが重要なのですが、マスコミ、大新聞の政治部の記者どもは、官邸や派閥事務所入りするうちに顔がまるでゴロツキのように見にくくなってきて、「政治資金のスキャンダル」だけを血眼になって探すような存在になっていく、というわけです。「人間を育てる」ということには金も時間も掛かりますから、小沢一郎があれだけの政治家になっているということは、当然、巨大な秘書軍団の一つや二つ抱えていなければ話が合わないということです。それはテレビや大新聞が報じる写真・映像や記事の中に見えていないだけであって、確かに存在するわけです。
ですから、私は小沢一郎があと2,3年生きて居てくれたら、この間に日本の政界のその遺産として、優れた政治家達を残していってくれることを期待しています。それに対して、自民党の二世三世議員を中心にしたボンクラたちは、本当にどうすればいいのだろうか、というくらいにものが見えていない。
自民党系で衆議院や参議院になった連中の顔つきを見ていますと、政治家の家に生まれたボンクラ息子か、官僚上がりで各業界団体、土建屋や医療関係の産業界の団体に担がれて、もっぱらその組織票をあてにして受かってきたような連中です。この古い体質の政治家達の一番嫌いなことと言えば何かというと、地元の選挙区で頭をさげる、ということです。ぺこぺこして選挙民と握手して回るということです。
これが自民党系の古い体質の政治家にとっては死ぬほどいやなことなのです。なぜから酒の席や地元のじいさんばあさんの集まる場所で、かならず「あんただれのおかげでそんなに偉そうに振る舞えると思っているんだ」ということを言われるからです。このボンボン息子やバカ官僚の成り上がり組たちが一番いやなことといえば、地元ではいつくばって政治活動をやることなのです。
小沢一郎は、まさにその真逆のことを民主党の議員や候補者にやらせているわけです。たとえ、地元の選挙民の陳情や要望を全ては受け入れられないとしても、とにかく人の話を聞け、という風に言ってきた。これが民主党の大勝利につながった大きな要因であるといえるわけです。
私たちの学問道場の会員の中にも、「小沢一郎はごう慢である」とか、「ああいう人は日本人の体質に受けいれられない」という人がいます。ある会員の人で、六五歳の年金生活者で、「二〇〇〇万円株で損しました。私はなんとしてもこれを取り戻したいです」というような人がいますが、この人の話を聞いていると、まるで政治の世界というものはきれいな人間関係、美しい構造、というくらいにしか思っていない。良くこの年まで現実の汚らしいところを歩かないで生き延びてきたものだ、と不思議なくらいだと私は思います。
まず、政治の本質は悪であり、人間が持っている汚らしいもの、すなわち、憎しみや、ねたみ、しっとといった恐ろしい劣悪な感情をたくさんかき混ぜて出来ている、人間世界の縮図であるということを私はもう一度はっきりと言わなければならない。このことを知らないで生きてきた人が実は世の中にはたくさんいるのだということを、最近では私の方があぜんとしてしまうことが多いのです。
だから、激しい政治闘争の中から鍛え上げられて成長していく政治家を国民がそだてなければいけない。だから、私は鳩山・小沢政権の真の実力者は、小沢一郎や亀井静香のような権力闘争を勝ち抜いてきた人物であることは当たり前だと思っている。
そして、そういう政治家達が、なるべく本当のことを国民に語るという国のあり方を目指すべきだと思います。
<転載終わり>
-----------------------------
日曜日のサンデープロジェクトでは、小沢氏が4億円の土地購入代金を官報でちゃんと報告していた事実が明らかになりました。最初に検察が4億円についてリークし、それを5新聞・5テレビ局が大々的にキャンペーンを張る、といういつもの方程式通りに進んでいきました。今回のこの検察→マスコミの悪なる方程式について、国民がその手法を知ってしまったことが大きかったように思います。
検察というのは正義の味方ではなく、アメリカの味方なんだということを、真面目な日本国民は知ってしまったわけです。検察の素性もバレてしまいました。
また、副島氏は小沢幹事長のこれまでの政治理念と運動論、具体的な手法についても論じています。
先日も書きましたが、私は1998年9月に3泊4日で開催された、自由党党員の合宿に参加したことがあります。熱海駅から箱根方面にバスで50分行ったところに、大きな宿舎がありました。ここで、全国から自由党党員の20代~40代のやや若手2,000人が集結し、緊張と共に合宿が始まりました。
先ずは、自由党党首(当時)小沢一郎氏から、合宿に向けての目標とこれからの自由党の理想と運動方針について1時間ほど講演がありました。初めて近くで小沢一郎氏の講演を聞きましたが、日本を国民主体の国に変えていこうという強い意志と熱意が感じられました。
その後、小沢氏の参謀の藤井裕久氏をはじめ、幹部の講演がありました。その中に、小池百合子議員も自由党の議員として、講演をしていました。当時は小沢氏にくっついていたのですね(笑)。
初日か2日目は覚えていませんが、確か18時くらいから懇親会がありました。2,000人の懇親会ですから、かなりごった返していましたが、その人波の中で、小沢党首は一人一人に自ら挨拶をされ、握手をしてくれました。
その時に、小沢党首と2人だけで撮ってもらった写真を今でも大事にとってあります。小沢党首も私も大きな口を開けて笑っている写真です。後で見ても笑ってしまう写真です。
その時、いつかは小沢氏が政権を取ることになるのだろうかと、おぼろげながら思ったように記憶しています。
当時から自民党は足腰の脆弱さを現していましたので、一致団結して頑張れば、自民党を倒すこともできると感じていました。そんな矢先に、小泉首相が誕生してしまったのです。これは手強い相手が首相になったな、と当時は思いました。
小泉氏以降の日本の迷走は、ご存知の通りヒドいものでした。あまりにヒドい自民党政治が続いたので、昨年は温厚な日本国民もついに自民党にNOを言ったわけですが、その裏で、小沢氏の泥臭い政治運動が民主党に政権をもたらしたとも言えると思います。
検察とマスコミは、益々小沢氏や鳩山氏への攻撃の手を強めると思いますが、同時に今回のように検察が馬脚を現してしまうという状況も出てきています。7月の参議院選挙に向けて、検察・官僚・マスコミ・大企業そしてそれを背後から指示するアメリカは、自分たちの既得権益確保のために、どんな汚い手を使っても攻撃してくるはずです。捏造や謀殺などの謀略は当然想定内です。新聞やテレビでは真実は報道しませんので、私たちはネットから真実を得るしかなさそうです。
●副島隆彦 今日のぼやき
http://www.snsi-j.jp/boyaki/diary.cgi
今回の「その3」も長文ですので、何度か読まないと理解しにくいと思います。副島氏はこの記事の中でも、いくつか誰も言わないような重要なことを言われています。さすがは副島隆彦、と思わせる視点だと改めて感心します。
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それから次のテーマです。
鳩山由紀夫首相の資金問題(お母さんからの支援金)を執拗に追いかけてきた検察庁は、今度は、年末の28日頃になってから急に小沢一郎の資金管理団体である陸山会(りくざんかい)の土地購入問題をほじくり返す攻撃に出てきました。
今回は、まず雑誌数誌にリーク(公務員法違反の違法行為である)しておいて、それから大新聞に一斉に書かせた。これに 呼応して 自民党の悪質な院外団(いんがいだん)や右翼団体や、令のネット右翼のブログの書き手たちが計画的に焚きつけるというキャンペーンが始まった。
陸山会が持っている土地やアパートが10ぐらいあるようだ。その購入資金の動かし方の不透明さをわさと大きく取り上げた。資金の動きが、政治資金規正法に基づく政治資金収支報告書(せじしきんほうこくしょ)に記載されていないではないか、として、石川知裕(いしかわともひろ)という現在は衆議院議員に当選した小沢一郎の秘書を事情聴取(任意出頭)で、締め上げているという動きになっている。
(転載貼り付けはじめ)
「土地取引「小沢氏の指示」 石川議員、地検聴取に証言」
朝日新聞 2010年1月1日
小沢一郎・民主党幹事長の資金管理団体「陸山会」が2004年に取得した土地をめぐる問題で、当時の陸山会の事務担当者で元秘書の石川知裕衆院議員(36)=同党、北海道11区=が東京地検特捜部の任意の事情聴取に対し、土地取引は小沢氏の指示で始まり、購入原資の約4億円が小沢氏の資金だったと認めていたことが、関係者の話でわかった。約4億円は、長年の政治活動で得た資金の可能性があるという。
石川氏は関係者に対し、取引を進める中で「小沢氏と直接、電話やメモでやりとりすることもあった」と証言しているという。特捜部も、石川氏の再聴取などで、小沢氏が不明朗な資金操作についてどこまで認識していたかを調べる見通しだ。また、購入資金などで小沢氏しか分からない事情があるため、小沢氏を任意で聴取する必要があるか、慎重に検討するとみられる。
この問題では、陸山会が04年10月29日、東京都世田谷区の宅地を約3億4千万円で購入。その数日前から、総額約4億円が複数の関連政治団体経由などで陸山会の口座に集められ、土地代金に充てられたことが判明。
この約4億円は、同会の政治資金収支報告書の収入に記載されていない。石川氏が聴取の際、この資金操作などへの関与を認めたことから、特捜部は、石川氏を政治資金規正法違反(不記載)の罪で在宅起訴する方向で検討しているとされる。
複数の関係者によると、この土地取引は、小沢氏が、同会の会計責任者だった公設第1秘書・大久保隆規(おおくぼたかのり)被告(48)=西松建設の違法献金事件で公判中=に、秘書寮の用地の取得を指示して始まった。大久保秘書は、対象地を探し、後の経理手続きは石川氏に任せたという。
一方、小沢氏側の関係者によると、石川氏が「小沢氏の資金だった」と認めた購入原資の約4億円について、小沢氏の政治活動で得られた資金だった可能性が高いという。特捜部は、この資金が小沢氏個人の帰属か、政治資金かの解明も進める。
同会の04年分の収支報告書には土地取引に関する記述がなく、05年分に記載されているため、石川氏ら3人が同法違反容疑で刑事告発された。小沢氏は記者会見で「単純ミスだ」と釈明している。
(転載貼り付け終わり)
副島隆彦です。 このように元日に、上の朝日新聞だけではなく他紙もそろって、この土地取引の問題を大々的に報じた。だから、私も年頭にこの問題を論じないわけにはいかなくなりました。
これは去年3月以来の検察庁、東京地検特捜部と小沢一郎の戦いの新しい展開です。佐藤優(さとうまさる)氏が前にコラムで書いていたとおり、検察は民主党攻撃をする際に、小沢堤(つつみ)と鳩山堤(つつみ)という二つのルートで攻撃を仕掛けている。佐藤氏は 「佐藤優の眼光紙背:第63回」(ライブドアニュース)に、次のように書いている。
(転載引用はじめ)
筆者の見立てでは、現在、検察は2つの突破口を考えている。一つは鳩山由紀夫総理の「故人献金(こじんけんきん)」問題だ。もう一つは、小沢氏に関する事件だ。小沢氏に関する事件は、是非とも「サンズイ」(贈収賄などの汚職事件)を考えているのだと思う。
ここに大きな川がある。疑惑情報を流すことで、世論を刺激し、川の水量が上がってくる。いずれ、両岸のどちらかの堤(つつみ)が決壊する。堤が決壊した側の村は洪水で全滅する。現在、「鳩山堤」と「小沢堤」がある。「故人献金」問題で、「鳩山堤」が決壊するかと思ったが、思ったよりも頑強で壊れない。
そこで、今度は「小沢堤」の決壊を狙う。そこで、石川知裕衆議院議員(民主党、北海道11区)絡みの疑惑報道が最近たくさん出ているのだと思う。石川氏は、小沢氏の秘書をつとめていた。8月の総選挙では、自民党の中川昭一(なかがわしょういち)元財務省(故人)を破って当選した民主党の星である。この人物を叩き潰すことができれば、民主党に与える打撃も大きい。
「佐藤優の眼光紙背(がんこうしはい):第63回」(ライブドアニュース)
http://news.livedoor.com/article/detail/4466372/
(転載引用終わり)
副島隆彦です。この堤防の決壊にたとえた佐藤氏の表現をよくかみしめてください。ここで大事なことは、小沢一郎の政治団体が持っているアパートとマンション計10個は、個人の蓄財のためのものなのではなくて、これは小沢一郎の政治家としての政治活動であり秘書軍団、つまり政治家として育って行く弟子たちの寮、住居として使われてきた建物である。
このように、「人間を育てる。弟子たちを育てる。次の世代の元気な日本人を育てる」ということが、ある程度歳を取った人間がやることして一番、大事なことだ。小沢一郎という政治家の偉さは、ここに表れている。本当に、小沢一郎は、西郷南洲(なんしゅう)隆盛のような大きな人間であり、卑屈な敵どもとは、比べ物にならないぐらい立派な人間だ。そして、同じく、織田信長と同じような苛烈な人間だ。だから私たちの国民指導者だ。
(副島隆彦注記。以上までを、加筆訂正しました。残りの作業の最中に、突然、訂正画面が消えました。急いでやりますので、お待ちください。 副島隆彦注記終わり。)
私は、去年8月30日の民主党大勝利の背景にあったのは、この小沢の秘書軍団であると前から書いてきました。この秘書軍団が全国津々浦々を訪れて、今、小沢ガールズとか小沢チルドレンといわれている、143人もの初当選新人政治家たちを手取り足取り、小沢本人が選挙区に入れないときに指導してきたわけです。これらの小沢ガールズといわれる新人の脇でビラの配り方や演説の仕方までを一生懸命指導してきた小沢の私設秘書たちの姿が一番重要であると私は話してきました。この秘書軍団の中には、選挙管理委員会に提出された民主党の比例区の名簿に記載されて、民主党圧勝の勢いで議員になったものも少なからずいるであろうと、私は当選者の名簿を見ていて思いました。そういう政治活動家のための寮が陸算会の所有する寮に住まわされているのであろうと思います。
私が小沢一郎の姿勢でもっとも共感でき、すばらしいと思えるのは、この人材を育てるということに掛ける、恐ろしいまでの執念と意気込みであると思います。自分自身は大して立派でもない家に住み、そうやって人材を育てているわけです。
ところが、大新聞、マスコミの記者たちは、自分たちが駆け出しの記者時代に会社に事実上の借り上げになっている社宅に住まわせて貰いながら、朝晩と取材で出歩いたという記憶も持っているにもかかわらず、政治家が秘書軍団を政治活動のプロとして育てる(それには当然住居を確保するためのお金もかかる)という段になると、顔色を変えて批判する。蓄財だ、何だと批判するわけです。
これにはもう私ははらわたが煮えくりかえるような怒りを覚える。
ですから、この政治活動、選挙運動のプロたちの存在がきわめて重要で、彼らは小沢一郎から、その師匠である田中角栄直伝の選挙術を学んでいる。だから、彼らは角栄の「川上から活動しろ」という選挙術に従って、田舎町でも一番へんぴな奥の方の、農村地帯ののようなところから本気で選挙区を駆け回る、ということをやらせた。このことをすごさを理解できないようなひとは、政治活動について論じることをやめたほうがいいでしょう。
選挙に当選した後も、新人議員は東京で勉強会をしたり、偉そうにあちこちで政治家らしく振る舞うようなことはしなくていいから、地元の田舎選挙区に帰って、じいさんばあさんと本気で話してこい、というやり方を取るわけです。だから、地べたをはうように、国民に意見を聞き、国民に教えられるということをやれ、ということ。このことのすごさをまだ皆さんは軽く見ているのではないか、という風に言わなければならないのです。そういう風にしないと本当の国民政治家が育たないと私は考えています。
だから、今、検察は小沢一郎が代表を務める陸山会(陸山会は、「法人格なき社団」なので、団体名での土地登記ができないので小沢一郎個人の登記になっている)が所有するアパート・マンションというものへの攻撃を仕掛けてきた、これをやると政治家の政治活動の基盤を破壊できるということに気が付いたわけです。こういうことをやっていいものだろうか。
次の政変が起きて、小沢直系の人物、政治活動における弟子たちが「皆殺し」にされる事態が来るかもしれない。政治の戦いはきれい事ではない。一般人が軽い気持ちでのぞき込んでいけない世界であるということは、私は自民党勉強会に昔なんども呼ばれて政治家の顔つきをじーっと眺めてきた人間ですから非常によく分かります。どろどろの汚らしい世界であるわけです。
本来は、その荒波の中でどれだけの人間が生き延びて、本来持っていた政治家としての資質をのばすか、ということが重要なのですが、マスコミ、大新聞の政治部の記者どもは、官邸や派閥事務所入りするうちに顔がまるでゴロツキのように見にくくなってきて、「政治資金のスキャンダル」だけを血眼になって探すような存在になっていく、というわけです。「人間を育てる」ということには金も時間も掛かりますから、小沢一郎があれだけの政治家になっているということは、当然、巨大な秘書軍団の一つや二つ抱えていなければ話が合わないということです。それはテレビや大新聞が報じる写真・映像や記事の中に見えていないだけであって、確かに存在するわけです。
ですから、私は小沢一郎があと2,3年生きて居てくれたら、この間に日本の政界のその遺産として、優れた政治家達を残していってくれることを期待しています。それに対して、自民党の二世三世議員を中心にしたボンクラたちは、本当にどうすればいいのだろうか、というくらいにものが見えていない。
自民党系で衆議院や参議院になった連中の顔つきを見ていますと、政治家の家に生まれたボンクラ息子か、官僚上がりで各業界団体、土建屋や医療関係の産業界の団体に担がれて、もっぱらその組織票をあてにして受かってきたような連中です。この古い体質の政治家達の一番嫌いなことと言えば何かというと、地元の選挙区で頭をさげる、ということです。ぺこぺこして選挙民と握手して回るということです。
これが自民党系の古い体質の政治家にとっては死ぬほどいやなことなのです。なぜから酒の席や地元のじいさんばあさんの集まる場所で、かならず「あんただれのおかげでそんなに偉そうに振る舞えると思っているんだ」ということを言われるからです。このボンボン息子やバカ官僚の成り上がり組たちが一番いやなことといえば、地元ではいつくばって政治活動をやることなのです。
小沢一郎は、まさにその真逆のことを民主党の議員や候補者にやらせているわけです。たとえ、地元の選挙民の陳情や要望を全ては受け入れられないとしても、とにかく人の話を聞け、という風に言ってきた。これが民主党の大勝利につながった大きな要因であるといえるわけです。
私たちの学問道場の会員の中にも、「小沢一郎はごう慢である」とか、「ああいう人は日本人の体質に受けいれられない」という人がいます。ある会員の人で、六五歳の年金生活者で、「二〇〇〇万円株で損しました。私はなんとしてもこれを取り戻したいです」というような人がいますが、この人の話を聞いていると、まるで政治の世界というものはきれいな人間関係、美しい構造、というくらいにしか思っていない。良くこの年まで現実の汚らしいところを歩かないで生き延びてきたものだ、と不思議なくらいだと私は思います。
まず、政治の本質は悪であり、人間が持っている汚らしいもの、すなわち、憎しみや、ねたみ、しっとといった恐ろしい劣悪な感情をたくさんかき混ぜて出来ている、人間世界の縮図であるということを私はもう一度はっきりと言わなければならない。このことを知らないで生きてきた人が実は世の中にはたくさんいるのだということを、最近では私の方があぜんとしてしまうことが多いのです。
だから、激しい政治闘争の中から鍛え上げられて成長していく政治家を国民がそだてなければいけない。だから、私は鳩山・小沢政権の真の実力者は、小沢一郎や亀井静香のような権力闘争を勝ち抜いてきた人物であることは当たり前だと思っている。
そして、そういう政治家達が、なるべく本当のことを国民に語るという国のあり方を目指すべきだと思います。
<転載終わり>
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日曜日のサンデープロジェクトでは、小沢氏が4億円の土地購入代金を官報でちゃんと報告していた事実が明らかになりました。最初に検察が4億円についてリークし、それを5新聞・5テレビ局が大々的にキャンペーンを張る、といういつもの方程式通りに進んでいきました。今回のこの検察→マスコミの悪なる方程式について、国民がその手法を知ってしまったことが大きかったように思います。
検察というのは正義の味方ではなく、アメリカの味方なんだということを、真面目な日本国民は知ってしまったわけです。検察の素性もバレてしまいました。
また、副島氏は小沢幹事長のこれまでの政治理念と運動論、具体的な手法についても論じています。
先日も書きましたが、私は1998年9月に3泊4日で開催された、自由党党員の合宿に参加したことがあります。熱海駅から箱根方面にバスで50分行ったところに、大きな宿舎がありました。ここで、全国から自由党党員の20代~40代のやや若手2,000人が集結し、緊張と共に合宿が始まりました。
先ずは、自由党党首(当時)小沢一郎氏から、合宿に向けての目標とこれからの自由党の理想と運動方針について1時間ほど講演がありました。初めて近くで小沢一郎氏の講演を聞きましたが、日本を国民主体の国に変えていこうという強い意志と熱意が感じられました。
その後、小沢氏の参謀の藤井裕久氏をはじめ、幹部の講演がありました。その中に、小池百合子議員も自由党の議員として、講演をしていました。当時は小沢氏にくっついていたのですね(笑)。
初日か2日目は覚えていませんが、確か18時くらいから懇親会がありました。2,000人の懇親会ですから、かなりごった返していましたが、その人波の中で、小沢党首は一人一人に自ら挨拶をされ、握手をしてくれました。
その時に、小沢党首と2人だけで撮ってもらった写真を今でも大事にとってあります。小沢党首も私も大きな口を開けて笑っている写真です。後で見ても笑ってしまう写真です。
その時、いつかは小沢氏が政権を取ることになるのだろうかと、おぼろげながら思ったように記憶しています。
当時から自民党は足腰の脆弱さを現していましたので、一致団結して頑張れば、自民党を倒すこともできると感じていました。そんな矢先に、小泉首相が誕生してしまったのです。これは手強い相手が首相になったな、と当時は思いました。
小泉氏以降の日本の迷走は、ご存知の通りヒドいものでした。あまりにヒドい自民党政治が続いたので、昨年は温厚な日本国民もついに自民党にNOを言ったわけですが、その裏で、小沢氏の泥臭い政治運動が民主党に政権をもたらしたとも言えると思います。
検察とマスコミは、益々小沢氏や鳩山氏への攻撃の手を強めると思いますが、同時に今回のように検察が馬脚を現してしまうという状況も出てきています。7月の参議院選挙に向けて、検察・官僚・マスコミ・大企業そしてそれを背後から指示するアメリカは、自分たちの既得権益確保のために、どんな汚い手を使っても攻撃してくるはずです。捏造や謀殺などの謀略は当然想定内です。新聞やテレビでは真実は報道しませんので、私たちはネットから真実を得るしかなさそうです。
●副島隆彦 今日のぼやき
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