「新・根津美術館展 」(根津美術館、10月7日~11月8日)
新創記念特別展 第1部 国宝那智瀧図と自然の造形という位置づけである。
3年半をかけて新装といってもほぼ新築であろう。隈研吾の設計であり、ここの日本庭園と調和した、近づくものを圧倒することがない建物である。
展示室は一階と、中二階の上にある二階にあり、中はおやと思うほど暗いが、展示部分のガラス、照明はうまく出来ていて鑑賞しやすい。
上の階の展示室に入る廊下部分から吹き抜けと庭園の一部が天井から斜め下に延長された平面の下に見えるのも、控えめなセンスの良さが感じられる。
今回、こちらが意気込んでいくほどの展示物はないのだが、それでも久しぶりに見る「那智瀧図」は、意外に大きく、瀧の部分が上に登っていくような感覚をあたえているのがよくわかった。それと確かにこれは日本刀?
それから野々村仁清「色絵山寺図茶壷」。
おそらく来年5月の連休には「燕子花」(光琳)が展示されるだろうが、そのときこの新館にどうなじむだろうか。