生誕110年 香月泰男展
2月6日~3月27日 練馬区立美術館
香月泰男 (1911-1974)の絵はいくつか見ているが、画業の多くを占める抑留体験を描いたシベリア・シリーズをまとめて見る機会はなく、これは生きている間に山口県にいかないといけないかと思っていた。生誕100年の時はたしか関東で記念展はなかったと思う。10年後に見ることができたのは幸いであった。
画家は帰還後10年近く経ってからこの黒を基調としたシリーズを書き始めたが、同時に日常の身の回りを描いたものも交えた展示になっていて、観る方もあまり極端な理解にならないようになっているとも感じる。
その抑留を描いた多くの黒い絵、兵士の顔、体を見つめるこちらは自己の想像力を試し発見することになる。決して強制はしてこないのだが。
小学生のころラジオで毎日のように舞鶴などへの引き揚げ船のニュースが流れていた。その後、帰ってきた人達の苦労を一応思っても、それ以上ではなかった。
昨年亡くなった立花隆の追悼番組として香月の抑留時のルートを立花がたどった記録(NHK)が再放送された。それも重なって、いろんなものが心底に沈殿していく。
帰還した画家としては横山操がいて、この人の絵はとてつもなくダイナミックで好きなのだが、晩年の静かに自然を描いたものを見ると、その体験は多様なものであったのかもしれない。
2月6日~3月27日 練馬区立美術館
香月泰男 (1911-1974)の絵はいくつか見ているが、画業の多くを占める抑留体験を描いたシベリア・シリーズをまとめて見る機会はなく、これは生きている間に山口県にいかないといけないかと思っていた。生誕100年の時はたしか関東で記念展はなかったと思う。10年後に見ることができたのは幸いであった。
画家は帰還後10年近く経ってからこの黒を基調としたシリーズを書き始めたが、同時に日常の身の回りを描いたものも交えた展示になっていて、観る方もあまり極端な理解にならないようになっているとも感じる。
その抑留を描いた多くの黒い絵、兵士の顔、体を見つめるこちらは自己の想像力を試し発見することになる。決して強制はしてこないのだが。
小学生のころラジオで毎日のように舞鶴などへの引き揚げ船のニュースが流れていた。その後、帰ってきた人達の苦労を一応思っても、それ以上ではなかった。
昨年亡くなった立花隆の追悼番組として香月の抑留時のルートを立花がたどった記録(NHK)が再放送された。それも重なって、いろんなものが心底に沈殿していく。
帰還した画家としては横山操がいて、この人の絵はとてつもなくダイナミックで好きなのだが、晩年の静かに自然を描いたものを見ると、その体験は多様なものであったのかもしれない。