小説読解入門 『ミドルマーチ』教養講義
廣野由美子 著 中公新書
しばらく前にこの著者の「批評理論入門」をたいへん興味深く読み、その題材となっている「フランケンシュタイン」(メアリー・シェリー)をよく理解し楽しむことができたように思う。
これは物語の人称、語り、手記、手紙などの構造から、作品のいろいろな面を解明していくといった手法で、なるほどと思わせるところがあり、その後他の物語を読むときにも多少意識するようになった。
本書はさらに小説の技法として語り手、会話、手紙から意識の流れ、ミステリー、サスペンスなどいろんな面について、また宗教、経済、社会、政治、犯罪、芸術などなど作品のなかにある、また作者が意識した要素についてみていくことについて、講じられている。
ここで題材として採用されたのはジョージ・エリオット(1819-80)の「ミドルマーチ」というかなりの長編である。作者名はペンネームで実は女性、ほぼ同時代のイギリスの地方都市(ミドルマーチという仮名)においてある女性を中心にさまざまな人々の人間模様が描かれている。
この講義の題材としては適当だったようだし、本国では評価も高いらしい。ただし、前著にくらべると話の中身と様々なカテゴリということだから、なるほどという以上にこの作品以外にも広がっていく視点として興味がわいてくるというほどではない。
「ミドルマーチ」は読んでいないが、こうして解説されてみて、先の「フランケンシュタイン」のように読むかというと、たぶんそうはならないだろう。イギリスで連続TVドラマが作られたそうで、それは観てみたい。
エリオットはあの1800年代初めのイギリスに輩出した優れた女性作家たち、ブロンテ姉妹、メアリー・シェリー、ジェイン・オースティンなどの作品と比べると、地味というか小説としての面白さを追求したという部分が少ないように思う(この本からの推察だが)。それは価値を減ずるものではないにしても。
そういうことを考えさせてくれたということで、本書を読んだ意味はあるかもしれない。
廣野由美子 著 中公新書
しばらく前にこの著者の「批評理論入門」をたいへん興味深く読み、その題材となっている「フランケンシュタイン」(メアリー・シェリー)をよく理解し楽しむことができたように思う。
これは物語の人称、語り、手記、手紙などの構造から、作品のいろいろな面を解明していくといった手法で、なるほどと思わせるところがあり、その後他の物語を読むときにも多少意識するようになった。
本書はさらに小説の技法として語り手、会話、手紙から意識の流れ、ミステリー、サスペンスなどいろんな面について、また宗教、経済、社会、政治、犯罪、芸術などなど作品のなかにある、また作者が意識した要素についてみていくことについて、講じられている。
ここで題材として採用されたのはジョージ・エリオット(1819-80)の「ミドルマーチ」というかなりの長編である。作者名はペンネームで実は女性、ほぼ同時代のイギリスの地方都市(ミドルマーチという仮名)においてある女性を中心にさまざまな人々の人間模様が描かれている。
この講義の題材としては適当だったようだし、本国では評価も高いらしい。ただし、前著にくらべると話の中身と様々なカテゴリということだから、なるほどという以上にこの作品以外にも広がっていく視点として興味がわいてくるというほどではない。
「ミドルマーチ」は読んでいないが、こうして解説されてみて、先の「フランケンシュタイン」のように読むかというと、たぶんそうはならないだろう。イギリスで連続TVドラマが作られたそうで、それは観てみたい。
エリオットはあの1800年代初めのイギリスに輩出した優れた女性作家たち、ブロンテ姉妹、メアリー・シェリー、ジェイン・オースティンなどの作品と比べると、地味というか小説としての面白さを追求したという部分が少ないように思う(この本からの推察だが)。それは価値を減ずるものではないにしても。
そういうことを考えさせてくれたということで、本書を読んだ意味はあるかもしれない。