私は、母からあまり褒められたことがない子でした。それが今になってはよかったと思います。
特に容姿にはコンプレックスを持っていて、容姿がダメなら頭で勝負するより他にないと思ってきたのです。
まぁ、中途半端ではありましたが…。(笑)
母性という映画をAmazonで見ました。
大地真央さん演じる母は美しく、まるで菩薩のようで、娘が何をやっても褒めてくれます。やがて、娘はもっと褒められたくなり、母に褒めてもらうのが最上の生き方になります。その娘にもやがて娘が生まれますが、愛せないのです。
愛してもらいたい娘と愛せない母。
その間には非の打ち所がない母の母の存在がありました。
娘を持って母親になった娘はいつまでも娘でいたい、ピーターパン症候群だったのです。
四年ぶりにお魚を買ってみました。
私は魚嫌い。
夫は魚好きで猫みたいに食べ終わった後は骨だけ。
私は鳥が蝕んだようにあっち突っつきこっち突っつき。
夫はそれをみて、しょうがないなあ!とキレイに食べてくれました。
私は子どもの時は、母にお魚をキレイに皮を取り骨を取ってもらってやっと食べていました。
だから骨付きの魚はひとりでは食べられませんでした。
そんな私が結婚して、彼の喜んでくれそうなものをせっせと作り、料理にはちょっと自信がつきました。
しかし…
夫がいなくなって、張り合いがなくなり、この四年、食事とは言い難いものばかり食べていました。
きのう何食べた?
がまた始まりました。
シロさんとケンジはゲイ。
でも、爽やかなんです。
あのゴツい内野聖陽さんが、思い切り乙女心をもち、シロさんのお料理に歓喜の声をあげます。
それを見て、突然私は考えを変えました。
この食生活では、私は元気に死ねない。元気に死ぬには食事だ!と。
ブリの切り身を買ってきて、昔得意だったブリの鍋照り焼きを作りました。
久しぶりに美味しいと思いました。身体が喜んでいると同時に夫も喜んでいる…と思ったのです。
たかがドラマ。
されどドラマ。
もう少し自分に優しくすることにしました。