島原半島博物日誌

島原にある某施設のスタッフが綴る非公認・非公式の個人ブログです。

有家セミナリヨ跡

2011-05-06 13:14:33 | 歴史・史跡
南島原市有家町にある「史跡 有家セミナリヨ跡」です。
そもそも「セミナリヨ」とは、イエズス会によって日本に設置された司祭・修道士育成のための初等神学校のことです。
天正七年(1579年)巡察師アレッサンドロ・ワリニャーノがキリスト教布教のために開設を提唱しました。
翌八年(1580年)有馬氏が治める日野江城の城下町有馬に日本初のセミナリヨが設置されました。
ほとんど身分の高い武士の子弟が入学を許可され、宗教学を中心に語学(ラテン語・ローマの古典)・天文学・西洋音楽・体育は必須で、美術工芸活動にも力を入れました。
油絵・銅版画・水彩画などの洋画技法が教授され、なかでも有家セミナリヨで制作された銅版画2点「聖家族」と「セビリヤの聖母」は大浦天主堂に保管されています。
しかしながら国内の政情不安やキリシタン弾圧のため、各地への移動を余儀なくされ、文禄四年(1595年)に北有馬の八良尾(はちらお)からこの場所へ移転してきました。
有家滞在も長くは続かず、慶長元年(1597年)閉鎖、生徒達は長崎に合流しました。
写真にも写っていますが、県の史跡指定を受けたキリシタン墓碑二基もあります。
国道沿いの分かり易い場所にありますが、車の通りが多いので、十分に注意してご見学下さい。
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