ほんとうにギターの名手っている。ギター捌きは静かでさり気ない。軽くふかだけでスーッと滑らかに進む大容量エンジンの車に似ている。聴いているうち穏やかな気持ちになって来る。
それにしてもギターって楽器は豊かだ。1本だけでも深い奥行きと広がりを覚える。しかも音色の厚みまでが腹に伝わり、身体中に沁みてくる。
クラシック・ギターに詳しい畏友K氏が言った。
「アラビア風奇想曲の解釈って斬新やなぁ」
広垣進氏が答えた。
「外れてるかも知れないけど、アラビアを感じさせないとね」
ソンナ深イ世界ヤッタノニ、ただ聴いてただけのぼく。
阿児アリーナで催した「うたとギターの宅急便」、熱心に聴いていただけた。ホールではなくミーティングルームというのが凄い。広垣氏への質問コーナーなどもあり(オルタナティブ=双方向性?)、興味深い質問にさすがという回答、これだけでも意義深い。それと初めてのお顔も多くて嬉しかった。