どうでもいいこと

M野の日々と52文字以上

東大は強気

2011-07-09 23:21:33 | インポート
日本で一番強気な大学は、東京大学。その歴史と手厚い予算と、日本の中枢に分厚く存在するOBの層。弱点は国の支援が大きい事。しかし東京大学には圧倒的な知名度がある。
それは教授の待遇にも現れる。他の国立大学の教授の定年が65歳なのに、60歳という短さ。定年退職しても、他の大学で十分働けるからこの短さでいいらしい。
その東京大学が、原子力という理学系の小さい世界の問題だけで全体が批判されているのに、どうして今9月入学を検討しているのを発表するのかが解らない。
理由は世界と同じ時期に入学する事で、留学生を集める事が出来るし留学する日本人にも有利だという事だ。現実に留学生の受け入れは広がっているし、今後の日本の大学の生き残りにはかかせないものだ。また優秀な日本人より優秀な留学生の方が、勤勉なのも事実だ。そして就職率の高い東大なら、9月卒業でも民間なら引く手あまただろう。
もしかするとだが、今回の震災で特例的に東北の大学のカリキュラムの変更が認められた事が大きいかもしれない。5月入学など実際に起きたからだ。
もちろん9月入学の方がメリットがあり、学内で検討していたから今回の発表なのだろう。知名度のある東大がこのシステムを導入するメリットはあまりにも大きい。
ただ強気の東大が狙っているのはもう少し違う事なのではないかと考えている。
世界標準の、5年生大学への移行を目指すための処置なのではないかと考えている。実は日本だけが4年制大学という制度らしい。他は5年制なので日本の学位は低く見られる。日本人の海外進出においてはこれが問題になる事もあるようだ。例えば日本の建築士1級はこれもあって全く世界に通用しない。このため5年制に移行しなければならないという議論はあったのだが、日本の制度から日の目を見ていない。
もしかすると東大は、3月に卒業した高校生に対して半年間東大予科みたいな、一般教養や語学中心のカリキュラムをくんで、9月に正式入学にして9月卒業後に研究科に半年入学というのを考えているのではないのか。実質5年制にしてしまうのだ。もちろん学部によって強制度合いが変わると思うが、工学部や理学部はそう考えるだろう。
東大に入った子の学費はどうなるのか。少なくとも1年分は高くなる。もしかすると研究科に入る入学金を請求されるかもしれない。でも東大で世界標準の学位になるなら、出す人は多いだろう。
そう考えさせてしまうのが、東大なのだ。表向きだろうが私の妄想だろうが、絶対生き残れる自信があるから今回の発表なのだろう。
更に妄想を広げる。実はこの件は文科省が関わっている。このなかで体力のある東大がはじめる事で日本中の大学での議論を深めて、この制度に移行しようと言う事だ。
ここには日本の大学の抱える問題、少子化に伴う学力低下と経営上の問題がある。学力低下はあわせるのでしのいできたが、今後ある定員割れなどをどうするのかがまったく手つかずになっている。そこで留学生を増やす事になるのだが日本語の限界がある。
日本人学生を中心に考える場合、4年制から5年制の移行が学年の延長による授業料の増加と教育に対しての合理的な答えでもある。このため東大が議論のために発表したのではないのかと考えている。
多分今までの日本の4年制の大学改革の、単位互換制度や移籍制度(学科単位の移籍変更を認めるもの、場合のよっては学部も可能)、飛び級制度なども4年制より5年制のほうが合理的に対処出来る。
また現在どこの大学でも行っている基礎ゼミ(日本の教育システムで、考える力を養成するため様々なカリキュラムがあった。たとえばゆとり教育というのもこの一環であった。生活科などが有名だが大学で高度だが、再び同じ事をさせられる学生の苦痛を考えて欲しい。)を一般教養と語学に集中できる可能性はある。
また就職などでも、一番考えられる4、5年制(正式入学まで特別カリキュラムのある制度)は現在の就職システムの問題点(勉強しきれていない学生が就職活動すること)を緩和出来ると思う。
なぜ世界標準より日本の学位が低いと言わないのか。これは簡単だ。今までが何だったと言われるからだ。その社会的な問題が大きすぎるからだろう。
まあどっちにしても、東大は強気だ。この強気は、そう遠くないうちに民営化に繋がるだろう。多分これはそうゆう事なのだろうから今発表されたのだろう。いま民営化が出来る、唯一の独立行政法人だからだ。