習志野フィルハーモニー管弦楽団 習志野文化ホール
プログラム プロコフィエフ 古典交響曲 リャードフ 8つのロシア民謡 チャイコフスキー 交響曲第6番 「悲愴」 今日は習志野フィルの「悲愴」を聴きにやってきました。
津田沼駅前にある習志野文化ホールは二度目ですが、座席が少し狭い感じがするのが難ですが、きれいなホールです。 右側の壁にパイプオルガンがあってここでサンサーンスの交響曲第3番をやったら素敵だろうなと思ったりしました。 9割ほどのお客様で、なかなか盛況でした。
プロコフィエフの古典交響曲は初めて聴く曲でしたが、「ハイドンが現在生きていたならば作曲したような曲を書こうと思った。」とプロコフィエフが書き残しているのだそうです。 形式的には確かにそんな感じの曲ですが、どこか斬新な面がちらちら見え隠れするという雰囲気の曲でした。 時々、聞いたことのあるメロディーが出てきたりしました。 習志野フィルの演奏は完璧で文句のつけようのない素晴らしいものでした。
リャードフの「8つのロシア民謡」も初めて聴く曲でした。一曲一曲は短く変化に富んだものでした。 私の印象に残ったのは第3曲でチェロだけの合奏、しかもチェロが2パートに分かれて、実に美しく合奏するのです。 とても素敵でした。 そして第7曲は弦楽器の奏者は弓を置いてすべてピッチカートで演奏しました。 しかも、ヴァイオリンは肩に担がず、マンドリンのように前に抱え、ピッチカートを演奏していました。 こんな奏法もあるのかとびっくりしました。 聴いていても、見ていても楽しい演奏でした。
いよいよチャイコフスキーの「悲愴」です。 実はこの曲を聴きに今日は出掛けてきたのです。 先週チャイコフスキーの第5番を聴きました。 とても良かったです。 一般的には「悲愴」の方が有名でしょう。 でも題名からして暗い曲という印象が強いのです。 今日、習志野フィルの演奏でこの曲の感じが一変しました。 第1楽章の冒頭、コントラバスの静かな響きで始まります。 そしてビオラが重なり、ファゴットの序奏へと導かれます。 この間の取り方、テンポなどが今まで聴いたことがないほどゆっくりしたもので、どんどん引き込まれて行きました。 丁寧に丁寧に第1主題へ、そしてこれぞチャイコフスキーと思わせる第2主題へ。 そしていつも心臓がドキッとするアレグロの部分へと進んでいきます。前半のゆったりしたテンポが後半をさらに迫力あるものになったように感じました。 第2楽章の5拍子の美しい旋律はうっとりするほど素敵でした。 第3楽章は速いテンポの楽章で最後も最高に盛り上がり、フィナーレのようで今日も第3楽章の終わりで拍手をしてしまう方が何人もいらっしゃいました。 思わず拍手をしてしまうのは無理のないことだと思いました。 この後に、「悲愴」の名にふさわしいあの第4楽章があるのです。 この第4楽章のせいでチャイコフスキーの第6番は暗い曲という印象になってしまうのだと思います。
今日はなぜかいつもよりじっくり曲にのめり込めたように思います。 習志野フィルの演奏が弦も管も素晴らしかったからだと思います。 安心して聴けたからだと思います。チャイコフスキーの「悲愴」が大好きな曲の一つになりました。
hiroko