今日は朝から遠方に出掛けていたのですが、帰ってくると夕刊の「ホンダF1撤退」という衝撃的な記事が目に飛込んできました・・・。
ホンダのF1は、これまで活動の終わりには「休止」という言葉を使っていましたが、今回の第3期の終わりは第1期、第2期とは違い、「撤退」という強い言葉で活動の終わりを告げています・・。
世界的な経済環境の悪化が深刻化し、自動車産業も販売台数の低迷により経営戦略の見直しが急がれる状況の中で、F1界の名門も苦渋の選択をしなければならなかったというところなのでしょうか・・。
ホンダの福井社長は、「撤退という言葉をあえて使ったのは、F1に注いできた情熱、リソース、人材、それを新しい時代に振り向ける強い意志が入っていると理解してほしい。今まで100年間の自動車産業の繁栄から、次の100年に向かうための新しい時代に入ったという認識を持っている。」と語っています。
それにしても、チーム代表にロス・ブラウンを迎えて、3年計画でタイトル奪還を目指し、さらに今シーズン終盤には元ワールドチャンピオンのフェルナンド・アロンソを獲得するため巨額の資金を用意していたチームとは思えない今回の撤退発表に、正直なところ困惑とショックを隠せません・・。
2009年の日本グランプリは、予定どおり鈴鹿サーキットで開催されるそうですが、ホンダレーシングF1チーム、ホンダレーシングデベロップメントについては、チーム売却を含めた検討に入るとの事です・・。買い手側から見たチームの価値としては、ロス・ブラウンのもとで開発された来シーズン用のマシンがある事は魅力的ではありますが、ボンダの撤退により搭載されるエンジンが製造されないという事を考えるとかなり厳しい状況になるように思われます・・。
ホンダの撤退により、F1に参戦する日本の自動車メーカーはトヨタ1社だけになってしまいました。そのトヨタも一時期、欧州で撤退するというニュースが流れましたが、トヨタは強く否定し、「最低でも2012年までは参戦を続ける。」と声明を出しています。(その声明を本当に信じたいものです・・。)
「ホンダF1撤退」の衝撃は、1メーカーがF1から去るというだけにとどまらず、F1を取り巻く現状を考えると、他メーカーがホンダ同様の経営判断を下す可能性は十分にあると思われます・・。
FIA(世界自動車連盟)の対応は、経済危機が進行する速さには到底及ばず、F1冬の時代は誰もが予想し得ない早さで到来する可能性さえあるのです・・・。