お父さんのマリポタ日記。
マリノスのこと、ポタリングのこと。最近忘れっぽくなってきたので、書いておかないと・・・
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※凪良ゆう(1973年滋賀県生まれ。京都市在住。2007年にBLジャンルの初著書を刊行しデビュー。ボーイズラブ(BL)作家として活躍し『美しい彼』シリーズ(2014年〜)は2021年にドラマ化され2023年4月には映画化。2017年には初の文芸小説『神さまのビオトープ』を刊行。2019年の『流浪の月』で本屋大賞を受賞し、2022年に実写映画化。2020年の『滅びの前のシャングリラ』で2年連続本屋大賞ノミネート。直木賞候補、吉川英治文学新人賞候補にもなった『汝、星のごとく』で恩田陸以来2人目の2度目の本屋大賞受賞)



●最後は素直になっていくんだね

 1ヶ月後に小惑星が衝突し、地球は滅びる。SF映画のような設定だが、映画ではないのでそれを救ってくれるヒーローは現れず、アメリカも小惑星を爆破してくれず、死がすべての人に同じ瞬間に平等に訪れることになる。誰も逃れることはできない。学校でいじめを受ける友樹、人を殺したヤクザの信士、恋人から逃げ出した静香。そして…。「人生をうまく生きられなかった」4人が最期の時までをどう過ごすのか。

 現実的には小惑星が追突とすればもっと前から分かるだろう。しかし、それが1ヶ月前となると、残された時間でやることは限られてくる。自分だったどうするか。恐竜が絶滅したように、いやもっと壊滅的で人類の歴史も生きてきた痕跡も何もかも宇宙の塵と消えてしまうのだ。逃げ出すところもない。もう何をしても仕方ないと諦め、最後の瞬間まで普通に過ごすか。あるいは家族と過ごすか。そう思う中で、作品に出てくる4人の気合のある過ごし方に引き込まれた。「地球を爆発して人類を滅亡させて下さい」と祈り死にたいと思っていたのに、その通りになったら「もう少し生きてみたい」なんて…。最後は素直になっていくんだね。

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