お父さんのマリポタ日記。
マリノスのこと、ポタリングのこと。最近忘れっぽくなってきたので、書いておかないと・・・
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※原田ひ香(1970年神奈川県生まれ。05年「リトルプリンセス2号」で第34回NHK創作ラジオドラマ大賞受賞。07年「はじまらないティータイム」で第31回すばる文学賞受賞。ほかに「三人屋」「ランチ酒」シリーズ、「東京ロンダリング」「母親ウエスタン」「一橋桐子(76)の犯罪日記」「三千円の使い方」「DRY」「母親からの小包はなぜこんなにダサいのか」など)



●勘違いした読者を引き込んだか

 いまは亡き天才建築家が設計した、通称「おっぱいマンション」に重大な問題が発覚。建て替えるべきか残すべきか、勃発した改修騒ぎは、住民たちの人生を、秘密を、理想を呑み込んで…。『小説新潮』掲載を大幅に加筆・修正。

 「おっぱいマンション」というタイトルに惹かれ(^_^;、思わず手に取った。もちろん、安易に連想するようなコトが起きたりはしないが、いろんな事が凝縮していてそれなり面白くほぼ一気読み。

 1960年代から70年代の高度経済成長時代に流行ったメタボリズム。メタボというと生活習慣病しか思いつかなかったが、さいころを積み重ねたようなデザインの建築をそう呼ぶそうだ。まるで細胞のようにメタボ(新陳代謝)を繰り返して有機的に成長するという意味。そういえば、昔、そんなマンションや建造物を見かけることがあったなぁ。「変だなぁ」としか思わなかったけど。

 代表的なものは黒川紀章さん設計の中銀カプセルタワー。銀座の繁華街に立つコンテナユニット型マンションで72年に竣工したが、2022年に解体された。この作品はこれをモデルにしているようだが、タイトルを「メタボマンション」としなかったことで、勘違いした読者を引き込むことに成功した…かな。

 老朽化したマンションの建て替え問題はこれから増えてくるんだろうね。人ごとじゃないし。タワマンとか将来はどうなるんだろう。

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