※下村敦史(1981年京都府生まれ。2014年「闇に香る嘘」で江戸川乱歩賞を受賞してデビュー。数々のミステリランキングで高評価を受ける。15年「死は朝、羽ばたく」が日本推理作家協会賞(短編部門)、16年「生還者」が日本推理作家協会賞(長編及び連作短編集部門)の候補となる。「真実の鑑」「サハラの薔薇」「黙過」「悲願花」「刑事の慟哭」「絶声」「コープス・ハント」「同姓同名」など)
●「あれ、なんかおかしくね」
100年の歴史を持つ超高級ホテル「ヴィクトリアン・ホテル」がその歴史にいったん幕を下ろす最後の夜。集まったのは休業した女優、窃盗犯、大スポンサーのやり手宣伝マン、弁当屋を経営する夫婦、文学賞の授賞式に出席した作家、そして…。
単純な群像劇かと思いきや、読み進めるうちに「あれ、なんかおかしくね」と思い始める。ネタばれになるので多くは語れないが、映画化はできない叙述トリック。ほぼ一気読みした。クレームや批判と、優しさに関する見解は「なるほど」と思わせる。
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