”しんさん”のよもやま話

僕のビジネス感や社会現象に対する意見とかを趣味のヨットやゴルフ等の話を織り交ぜながらよもやま話的に発信します。

しんさんのよもやま話

2010年10月15日 22時12分55秒 | Weblog
10月15日(金)晴

昨晩テレビを見ていたら東京の有楽町周辺だと思いますがJRのガード話をしている番組がありました。多分NHKだったと思いますがタモリさんが案内役をしている番組でした。新橋・有楽町のあたりのJRのガードには明治時代に作られたレンガ造りのガードと昭和の初期に作られたコンクリート作りのガードと昭和の中期に作られた新幹線のガードが並んでいるところがあるのだそうです。その中で明治に作られたレンガ造りのガードは既に100年以上経っているのにいまだに現役でJRの電車を支えているのです。その秘密は土台の作り方にあるのだそうです。現在の東京駅周辺は軟弱な地盤だったので60mもある松の巨木の杭を一万本も打ち込んで土台を支えているのだそうです。一日に2,3本しか打ち込めない作業を手抜きすることなく丁寧に仕上げて行ったまさに職人技の仕事によって100年後の現在も活用されているようです。損得抜きでいい仕事をする日本人の精神が現在の日本の繁栄を築いたと言える良い証拠じゃないでしょうか。

翻って現在の日本の仕事のやり方には明治人の精神が引き継がれているとはとても思えないお粗末な仕事ばかりが目に付きます。目先の利益ばかり追求して100年後のことまで考えた丁寧な仕事をするプロは敬遠されてしまったようです。そんな使命感のかけらもない仕事の例が最近はなんと多いことなのでしょうか?阪神・淡路の震災で露呈した高速道路の土台、耐震偽装のマンション等々こんなことばかりやっているヤツが大手を振って歩いている社会にどうしてなってしまったのでしょうか。
今朝のニュースでも岐阜のステンレス工場の解体作業で塀が道路に倒れて女子高校生が死亡すると言った事故があったようです。新聞には解体工事を請け負った会社名も書いて在りませんでしたが、まったくもってけしからん手抜きだと僕は思います。危険な作業をする以上通行止めにするとか、監視員を配置するとか何か手を打つべきだったと思いますが、安い価格で入札したからできなかったと言う言い訳をして謝れば済むとでも思っているのかもしれません。ほんとうのプロの仕事とはコストを計算する前に最善の仕事をすることを考えるべきです。

自分も仕事上いろいろな工事を発注することがありますが、最近では相見積りで安い価格の所に発注することがありますが、そんな時は必要以上にチェックをきつくするようにしています。信用に足る仕事をしているかどうか良く見ていないと危なくてしかたありません。

昨日テレビで見た明治人の仕事の話は最近の日本人が忘れてしまった原点を思い起こしてくれる内容でした。タモリさんも手抜きの司会を反省しなくちゃと言って笑わせていましたが、我々は今一度明治人の馬鹿正直さを学ぶべきだと思いました。

最近現代語訳で福沢諭吉の「学問のすすめ」や渋沢栄一の「論語と算盤」などの本がでています。一度読んで見て下さい。不景気だ、円高だと騒ぐ前に彼らの仕事に対する考え方や将来のために今何をすべきかと言った基本的な姿勢を学ぶべきだと自分は最近特に思っています。

明日は20年近く前に東京でいっしょに仕事をしていた仲間たちと1年ぶりの再会です。新橋のガード下でやきとりをつまみにコップ酒を飲んでいたあの頃を思い出しながら飲んできます。
それではまた。