3月23日(水)晴
また寒くなってきました。大地震からもう2週間もたつ訳ですが、中々先の見えない状態のようです。何もできない僕達がイライラしてもしかたないことですが早く先が見える状態になってほしいものです。それでも被災地では遅いけど一歩ずつ進んでいるようなのでまだ安心できますが、問題なのは原発じゃないでしょうか。農作物や原乳だけでなく、今日は浄水場の水にまで影響がでてきました。どんどん影響が広がっているのに、原発自身は未だに核燃料の閉じ込めまでいかないどころか、冷却も必死の給水にもかかわらず、明確な効果が表れていないようです。自分はすべての問題は初動にあったような気がしてならないのです。もっと早い段階で海水注入ができていればこんなに大きな被害にならなかったような気がしてなりません。海水を注入すれば原子炉が二度と使えなくなるといった企業の損失ばかりを考えて、決断が遅れ結果として会社を潰すことになってしまうのではないでしょうか?サラリーマンの悲しい性とでも言うものでしょうか、もし海水注入で事なきを得たとしたら、今度は企業内で海水注入を決断した人が袋叩きにあってしまうのだから誰も決断できなかったんじゃないでしょうか?こう言う事態のために原子力保安院や政府があるのでしょうけど、過去に事例のないことに対して人間は極端に臆病になってしまうものです。結局ギリギリの所でしか決断できないものなのかもしれません。
もっとも今更そんなことを言ったところでしかたありません。それよりもこれからどうなるのかと言うことの方が問題です。僕は報道以上に現場ではきわどい事態になっているのではないかとかなり心配しています。黒煙があがったから避難したと昨日も今日も報道されていますが、未だに原因についてはまったく報道がありません。良くなったことや人体に影響がないことをさかんに強調してパニック防止をはかっているように思えてなりません。ふと大本営の発表を鵜呑みにしていた国民が突如無条件降伏するに至った僕の生まれる前の話が頭をよぎります。なにしろ我々は誰一人としてあそこの20Km圏内に足を踏み入れることはできないのですから、本当のことなんてまったくわからない訳です。一昨日から電源が外部から供給できたと期待を持たされていますが、いまだに4つの原子炉が何も進展していないのです。いくら試験をしてからと言っても遅すぎます。それにどのポンプがどんな状態でどうしなければならないのかも発表されていません。ひょっとしてもう駄目だと思っている原子炉があるのかもしれません。でもそんなことを言ってしまったら大変なことになってしまうので、どれか1つか2つ直してから△号機は原子炉が破壊されていて放射能が漏れだしていると言ったようなことになるのかもしれません。変な想像がはずれてくれることを祈りますが、見えない現場ではかなり危険な状態になっていることだけは確かなように思えます。
ここまで来てしまうと日本の技術も世界から認めてもらうのは難しくなるでしょうし、東京電力の罪は日本全体の産業にも悪影響を及ぼしそうです。そういった意味で東京電力はJALと同じような結末を迎えるような気がしてしまいます。とりあえず今は融資をしてもらえるでしょうけど、いずれ損害賠償の段階になると会社更生法で国策会社化せざるを得ないかもしれません。今は亡き父の勤めていた会社なので残念でなりませんが、大企業になり過ぎてしまったツケなのかもしれません。大企業病の一つの症状は現場を取り巻く、生産に関係ない部署が力を持ち過ぎることです。この種の人種が増えてくると現場は重要だと言いながら、権力を持ち現場軽視しているのが常です。過去の歴史を見ていると人間は大昔から同じ過ちを繰り返してきました。きっと科学は進歩したとしても心はまったく進歩しないものなのですね。
余計なことをあまり考えずに書いてしまいました。でもなんとかこの国の将来のためにも最小限の被害で収束してほしいものです。