中村です。
リハビリ8日目。
昨日、片松葉杖歩行から普通の杖歩行にワンランクアップ
あとは杖なし自立歩行を残すのみ。そしてこの機会に変形した
左股関節をかばうためについてしまった左ひざが内に入る不細
工な歩き方をできるだけ矯正して日常復帰したい
入院生活が長くなりリハビリが進んで行動範囲が広がるにつれ、
他の患者さんと接する機会も増えてくる。周りに気を遣う環境
が嫌で個室に入ったこともあり、当初はドクターと看護師、リ
ハビリの担当者以外誰とも接することがなかった。
行動範囲が広がり、売店やリハビリ室、中庭等に出入りするよ
うになり、人とのコミュニケーションの機会、とりわけ他の患
者さんと接する機会が増えた。
同じフロアに入院中で、「リハビリの時間同じ」「リハビリの
担当チーム同じ」の優しい雰囲気の女性の患者さんとは、最初
は会釈。その後エレベーターや売店、待合で何度も顔を合わせ
雑談をするように…。明日退院だから今日のリハビリが最後
「お元気でね」「頑張ってね」と握手してお別れしました。
なんとなく雰囲気が母に似ている。変形性股関節症の手術を嫌
がって今では車椅子だけど、手術してたらこの人みたいに歩け
たんかな…。
中庭で時間を過ごすようになって、会話する機会が格段に増え
た。中庭には、歩行訓練してる人、軽いランニングしてる人、
電話してる人、本読んでる人…いろんな病棟からいろんな年代
の患者が来ている。すれ違い時に会釈や挨拶、隣のベンチの人
とは軽~く雑談することもある。ほどよいコミュケーションは
ストレスもなく楽しい。
しか~し
たまにいる。人のコンフォートゾーンにずかずか入り込んで距
離をつめてくる人
今朝、いつものように午前中の中庭タイムを楽しんでいると、
歩行器を押しながら杖持参の男の患者さんが中庭に出てきた。
その時私は、ベンチに座って肩甲骨伸ばしのゴムベルトトレー
ニング中。おっちゃんが前を通り過ぎる時「おはようございま
す」と挨拶した。
前を通り過ぎたおっちゃんは、隣のベンチに陣取るとおもむろ
に話しかけてきた。
・膝関節の手術をして3週間ほどたっていること。
・仕事が忙しくて手術に踏み来るのが遅くなったこと。
・現在79歳で12月にはもう片方の膝も手術すること。
・寝屋川に住んでいること。
・4人部屋で最初は気を使ったけど気にならなくなったこと。
などなど…。
そして、
自分のことを喋るだけじゃなくいろいろ聞いてくる。
コンフォートゾーン崩壊の予感
と思っていると、
「子供さん大きいの?」「いないんですよ」
※うざっ、そろそろ退散しよ(中村心の声)
続けて、
「おとうちゃんはいるんやろ」「いますよ」
※なんであんたにそんなこと聞かれなあかんのん。
ほんまはおらんけど、めんどくさいからおることにし~よぉ
この会話の後すぐに中庭を後にして自室に戻りました
人間関係には親しさに応じた距離感がある。
挨拶レベル、差しさわりのない雑談レベルから深刻な相談事が
できるレベルまで。
このレベル感は双方が同じでないとうまくいかない。
ひょっとしたらこのおっちゃんじゃなければ、楽しく会話できた
かもしれない…。と思いながら、明日以降会釈、挨拶程度の社交
性を保ちながらコンフォートゾーンはしっかり守ろうと決めた。
最後に、入院ライフを豊かにしてくれているものを紹介します。
まずは、これ
リハビリ後の甘いカフェオレは喉にしみます。
次は、これ
肩甲骨を動かすためのトレーニングベルト。足にばかり気をと
られてバランス悪くならないように持参してきたもの。普段よ
り頑張って動かしてます。
最後にこれ。
どちらかと言うと、味の濃いもの。刺激物が好きな私。
病院の味付けがちょっと物足りない。売店で、ふりかけ、梅干
し、アサリの佃煮など買って試したけど、一番のお気に入りが
これ。
ただ、当初「味うっす」「おいしくない」と思っていた食事も
今はよっぽどのんが出ない限りおいしくいただいてます。
ちなみに食事は選択食で、火曜日に次の週のメニューをABどち
らか選ぶシステム。そして今日は、初めてスパゲッティがでま
した
中村です。
入院生活10日目。
今、一番好きな場所が病院5階にある中庭。
朝の検温⇒シャワー後、地下の売店でコーヒーを買ってここで
飲んで、軽く体動かすのが一番の楽しみ。天気がいいので半袖
のTシャツがちょうどいい。
風がほんっとぉに気持ちいい
↑ 売店で買ったコーヒー、松葉杖添え。
からの芝生
絶好のゴルフ日和。ゴルフしたいな…
でも、これだけ深いラフ。私の実力じゃ脱出不可能か
早く退院して自由な身になりたい
今日もリハビリ頑張ってきます。
中村です。
リハビリ5日目。
「座る」「立つ」「横になる」「両松葉杖で歩く」「片松葉杖
で歩く」…できなかったことが一つずつできるようになってい
くリハビリから、本格的に左股関節の可動域を広げ、筋力をつ
けるリハビリに入った。現在の私はこれが仕事なので、痛っ
やりたくないっはNG。「足、はずれるぅ~」という恐怖
心をぐっと飲みこみ、リハビリの先生方に身を委ね「まだいけ
ます」「大丈夫です」と奮闘中。
さて前回のブログで理学療法士の指導現場での話をとりあげた
その日、たまたまテレビをつけた時間帯にNHKで有限会社原
田左官工業所という会社を取り上げた番組が放映されていた。
原田左官工業所は、社名にあるように左官業を営む東京の会社。
平均年齢56歳という左官業界において、30名ほどいる
職人の平均年齢なんと35歳
その理由は、職人の世界でまかり通ってきた「技は盗め」
という考え方を改め、職人によるOJTによる職人育成制度を
導入したこと。これによって以前は5割以上だった離職率は
今や5パーセント。若者が辞めない会社としてメディアにも
取り上げられ、業界外からも専門職スタッフ養成という課題
に取り組む企業からの問い合わせが多いんだとか。
テレビで取り上げていたのは、塗り壁トレーニングと言われる
左官版モデリング訓練。先輩左官のお手本ビデオを見て塗り方
を真似る。自分の仕事ぶりもビデオに撮って見比べる。先輩と
の違いを考えさせて、やってみるの繰り返し。番組では南アフ
リカから建築を学ぶために日本の大学に留学し、同会社に就職
したカーリーという女性新入社員の研修ぶりを紹介していたが、
試行錯誤の上塗り切った研修用の壁を前に充実感いっぱいの表
情が印象的だった。
これらの制度導入に対してベテランの先輩職人達は必ずしも乗
り気じゃなかったのは容易に想像がつく。放映でも左官歴15年
のベテラン左官が導入当時を振り返って、否定的な受け止め方
だったが、現在では「導入してよかった」「離職が減っただけ
でなく会社全体の士気も上がった」とコメントしていた。
社長がこれらの制度を導入しようと思ったのは危機感
時代の流れで台頭してきたユニット工法なる新しい工法によっ
てもたらされる左官不要論。職人の手作業による左官離れによ
る経営状況の悪化をいかにして防ぐか
社長が考えたのが、今までの
受けて塗る=「受け」の左官業
から
仕掛けて塗る=「攻め」の提案型左官施工会社
に向けた付加価値の創造。そのための組織改革。職人達の意識
改革。個々が親方の背中を見て育て。一人前まで十数年。では
生き残れない…。
たまたま見た番組だったけど、うちのクライアント先にも応用
できそうなヒントがたくさんつまっていた。
※ちなみに、原田左官レディースという女性の左官部隊を作っ
て感性を生かした営業展開も行っている様子。興味のある人は
検索してみて
中村です。
リハビリ3日目の土曜日。外来診療がないからか、それとも元
気な整形外科の先生方がいないためかなんとなく病棟がゆっく
りしていて静か。
明日からシャワー解禁(予定)、今日は館内に人が少ないから
一人で売店行ってみた
エレベーターに弄ばれる以外、移動には問題なし。ただ、松葉
杖での複数品目買いに少々手こずり明日以降の課題が残った。
ホットコーヒーを溢さず自室に運ぶコツもつかんだ。
週明けからのリハビリは一階のリハビリ室に出向いて実施する
ので、病室で行う往診リハビリは今日明日でおしまい。
できることが一つずつ増え、そのクオリティが上がると同時に
新たな課題が見つかる。まだまだゴールは遠いが励みになる。
傷口の腫れがひくまでは「やりすぎ禁止」と言われているけど、
逸る気持ちにブレーキをかけるのは結構大変。
今日は、8時50分からリハビリスタッフが病室に来てくれる
予定。
「そろそろかな…」と思っていたら、
いつもは、元気なノックと同時に「おはようございます(こん
にちは)」と大きな声で挨拶し笑顔で入室してくるのに、今日
は、ノックの圧弱め、「おはようございます」の声小さめ、
笑顔控えめ。前日に「明日と明後日は別のスタッフが担当」
とは聞いていたけど、雰囲気の違いに少々不安な気持ちのまま
スタート。
仕事でクライアント先に新入社員のヒアリングに行った際、入
室時の「圧弱め」「声小さめ」「笑顔控えめ」は、
不安や不満などモチベーション低下のよくない兆候であること
が多い。
職業柄自分のリハビリより彼のことが気になる
血圧計って手術した左足の筋肉をほぐしてもらいながら、それ
となく会話を振ってみた。最初はちょっと素っ気ないけど、ほ
どなく打ち解けて、
新卒入社で2年目。他社と比べて自分の職場は若手の割合が低
く、40代、50代(いわゆる昭和世代)の先輩達の指導方法
に納得がいかない、自分には合わないと感じていることなどを
話してくれた。
実際の彼の仕事ぶりは(当たり前だけど)丁寧で真面目。でも、
全体からにじみ出る溌剌感のない、なんとな~くどんよりした
雰囲気はここからきていたのか…
納得はしたものの、厳しいようだが、社会に出て給料もらって
働く以上、自分の精神状態は仕事には全く関係なく、特に人と
接する仕事、その中でも社会的弱者と言われる人と接する仕事
を選択した以上自らの心の有り様を相手に悟られ不安感を煽る
ようなことはあってはならないと思う。
ただ、彼の話になるほどと考えさせられるところもある。
所謂ゆとり世代として学生生活を送った彼は、何をするにも
「優劣をつけず」「『がむしゃらに』ではなく『適度(そこ
そこ)』をよしとする」中で育ってきた。他の世代も経験して
ゆとりもならその違いが認識できるだろうが、当の本人はそ
れ(ゆとり)しか知らないからどう違うのか実感しにくい。私
たち昭和世代が学生の頃は、資格取得に必要な実習といえ
ば、実習そのものに加えてその後のレポートや実習先の手伝い
が大変だったらしい。※私自身は実習未経験のためあくまでも
人づてに聞いた話だけど…
でも、彼曰く最近の実習は、実習というより見学の意味合いが
強く、レポートも負荷がかからない程度。「大変だった」とい
う印象はなく、いざ働き始めていきなり現実をつきつけられ、
「社会は厳しい」「ぬるま湯から急に冷水に放り込まれた」よ
うだと言う。
そらせやろゆる~く渡っていけるほど世間は甘ないわい
と思う反面こうとも思う
彼の仕事は身体に何らかの不具合を抱えた人に直接触れる仕事
私のように、「足に人工物入れる手術しました」という人に、
手術の翌日から「足を動かしましょう」と言って動かさなけれ
ばならない。私も経験済みだが、手術翌日は「いやいやそんな
したら足折れますやん」「無理無理」「怖っ」と思うような
ことを平然とさせられる。学校で習って理論的には知っていて
も「はい、そじゃやってみて」でできるものではない。実際、
最初の頃は緊張で手が震えたという。
で、
躊躇していると、「ゆとり世代は甘えている」に加えて「自分
たちの頃は誰も教えてくれへんかった」「自分からくらいつい
て盗め」と言われる…。リハビリを専門にしている病院のよう
に毎年新卒者をある程度の数採用している職場に比べて自分の
職場は年齢層が高くその傾向が強いと感じてるよう。
ゆとり世代に生まれたのは彼の責任ではない。ゆったりしたカ
リキュラムの中で教育を受け、社会に出てきた若者たちにどの
ように仕事の厳しさやそれを乗り越えた際の達成感を伝えるか
は病院だけでなく企業も同じ。大切な問題だと感じている。
学校と違って社会人は仕事に成果が求められるのは昭和も令和
も同じ。ただ、育った環境が違うから指導のプロセスを時代や
相手の性格や習熟度に応じて変えていく必要はある。何より、
新しい環境に適応するために乗り越えなければならない不安な
気持ちに寄り添う、少なくともその不安な気持ちを理解しよう
とする気持ちがなければ師弟関係は上手くいかない。
私たち昭和世代にも新入社員の時代はあった。不安な気持ちも
あったはず。覚えてないだけ。自分がそうだったからお前らも
そうしろ。それが当たり前だというのはやはり通用しない。
自分はそうやったけどもっといいやり方はないか
その前に、
自分はそうやったけどそれでいいのか?と問いを立てる
ことが指導側には必要。何が正しいか、どうすればいいかは一概
には言えないが、一つだけ確かなことは、職場は学校ではない。
上司や先輩は部下や後輩を一人前の仕事人にする。新人は先輩や
上司の指導を受けて一人前になることが目的だということ。その
ためには、押しつけも遠慮しすぎもダメ。お互いのゴールと現在
地を共有したうえで、対話を通じて最適な指導スタイルをつくっ
いくしかない。
愚痴っぽいことも口にしていた彼も、「一人前の理学療法士にな
るために指導を受けてるので、頑張ってやり遂げたい」に加えて、
「自分に後輩ができたら、後輩の不安な気持ちに寄り添える先輩
になりたい」と話していた。
プロの仕事人目指して頑張れ!
ほいで
中村です。
手術も無事終了し、リハビリ2日目に入っています。
初めての手術でしたが、前日手術に携わる全ての人が病室に挨
拶に来てくれ、手術室に入ると主治医の先生はじめ知った顔が
笑顔で迎えてくれ…安心して手術台に上がることができました。
ドクターXの手術室の雰囲気を観察…な~んて思っていたけど、
実際は、いつ眠りに落ちたかもわからないぐらいあっけなく、
「中村さん、終わりましたよ」
の声で目を開けたら終わってました。
ただ、術後すぐは、あっちゃこっちゃに管がついていて身動き
がとれず声が上手く出ないのが大変でした。
今回執刀してくれたドクターは、人工関節の分野では実績のあ
る先生だけど、上から目線の印象は全くなく、笑顔と関西弁の
話口調が気さくで寄り添ってもらってる感がある。初診や術前
説明の際も、接続詞に「ほいで」を使う。明石家さんまのつか
うアレ
昨日病室のテレビで病院の案内チャンネルを視聴した。リゾー
トホテルで館内の案内やアクティビティのプロモーション流し
てるあの類のやつ。各科のドクターが治療や検査、手術の概要
を説明したり、入院中の転倒防止のコント、いや寸劇!?で構
成されている。いたって真面目に制作されているが、かっちか
ちに緊張したドクターや、こってこての関西弁の患者役とナー
ス役のやりとりがほのぼのとして笑える。病院の広報室作成ら
しく素人っぽく少々古臭い感じなのも味がある。リハビリの先
生曰く「今月ようやくリニュアルされる」らしく、これを視聴
できたのはラッキーだったかもしれない
で、このチャンネルに執刀医のドクターも登場
軽い語り口調でナビゲーションシステムを活用した人工膝関節
手術と術後の経過について話している。どうやら一般患者向け
に行った講演の様子を録画したものらしい。
と、
で、出ました
ほいで
少々かしこまった口調で話してると思っていたが「ほいで」出
ました。と、その時病室に来ていたリハビリの先生が、
「これは一般向けやから結構普通に喋ってるけど、普段は関西弁
でむっちゃおもろいで」
そういうリハビリの先生もこってこての関西弁。
なんだかほっこり。腕は確かだけど気さくなドクターやスタッフに
囲まれて、頑張ってリハビリして早期の復帰めざします