セルフトークって知ってますか?
セルフトークとは心の中の声(つぶやき)=独り言のこと。ここでつぶやかれることは人間の持っている本音。素の気持ちが語られる。
人間はおしゃべりな生き物で一日中喋りっ放し。ただしこの「喋り」は音声のやりとり(=会話)ではなくセルフトークのこと。特に、決断を迫られたり、苦手な人から詰められたり、窮地に追い込まれたり、上手くその場をやり過ごせないかなと逃げ道を模索する場面で活発になされる。
「本音」で話す・・・。これは相手との信頼関係やよりよい人間関係を構築していく上で必要不可欠なこと。採用や教育という目に見えない商品を売っているウチのような会社では相手の本音を聞きだすこと。そのために自ら本音で相手の懐に飛び込んでいくことが強く求められる。そうでないとお客様の本当の悩みや問題解決なんてできるはずがない。
だからこそ、社内でも「自分の意志を出す」「本音で会話する」ということを求め、求められる。
「自分の意志を出す」「本音で会話する」というと、「そりゃその通りや」「ええことや!」「思ってることを言うだけでしょ!」「本音で喋れるんだかららいいじゃん!」と思わるかもしれない。しかしながら、社内の年齢や役職など上下関係の下でこれを当たり前のように行うのは容易ではない。
対峙場面で、「きっとこんなこと言ってもわかってもらえないだろうな」「どうせ何言っても聞いてくれへんやん」あるいは「こう言ったらあの人はうんと言うやろ!」「あんたの言うことなんか聞けるかい」という部下側のセルフトーク。「自分も自信がないからこれ以上つっこんでくるなよ!」「どうせ、そんなことよう言わんやろう」「ええから自分の言うとおりにしておけばええねん」という上司側のセルフトーク。本来このセルフトークのやりとりが本音なのに、実際の会話では、「自分が至らなかったので、心を入れかえて頑張りますので見ていてください」という部下に対して、上司は「まあまあ、しっかりやりなさい」。これで本当の問題解決がなされるはずがない。結局同じことを繰り返して成果が上がらない・・・。という悪魔のサイクルに陥ってしまうことが実は多い。
本音で向き合う。そこには、「ええっ?そんなこと考えてたん?そら甘いわ!!」とか「考えられへん。そんなことにこだわってたんや!!」という驚きや落胆もある。しかしながら、本音でそう思っていた以上そこからスタートしないと根本的な問題解決はできない。
問題解決の前に、こんな仮面の交流で上司と部下の間に信頼関係なんか生まれるはずがない
社会人として大人として、表現方法は状況や相手に応じて吟味する必要はある。しかしながら、相手と信頼関係を構築し、長~くその関係を維持向上させていくために、まずは自分自身のセルフトークに耳を傾け、自分の本音と正面から向き合うことからスタートしたい。