女を捨てず・女に甘えず・らしさを活かす

女性スタッフがビジネス社会で実際に体験したことを中心に「見たこと」「聞いたこと」「感じたこと」をありのままお伝えします。

★名刺のちから(続き)

2008-06-25 | 日記・エッセイ・コラム

人間誰しも「できれば争いごとは起こしたくない」「できればいい人と思われたい」という気持ちがあります。それは、私だって同じ。意識調査の報告会の席で、先方の社長の機嫌が悪くなってきた、雲行きが悪くなってきたなと思ったら、それ以上言うのは躊躇したくなる。よって、無難な表現でその場をうまく切り抜けようとする⇒これ、当たり前。また、うっとうしそうな表情や反抗的な研修受講者に対してはできるだけ波風立たないように関わってその場を乗り切りたいと思う!そりゃそうでしょ!!!

だから、私も報告会や研修で雰囲気がやばい時、また明らかに「不機嫌です」「怒ってます」というお客様に飛び込むのはできれば避けたいと思っていた。いや、正直今でもできれば避けたい、なんとか逃げられへんかなぁと思う。

でも、でもです。

避けられないし、逃げられないのです!!

そんな状況で逃げずに立ち向かうパワーをくれるのが名刺。

「人に影響を与えてあるべき方向に導くのが教育の仕事だ!」「勇気を持って苦手な相手に一歩踏み込め!」なんて部下や受講者にえらっそうに言いながら、

「お前はなんやねん!」と自分に問う

⇒こんな意気地のないやつが役員?教育部門の責任者?

⇒こんなやつを役員にしてる社長、こんなやつが部門長をしている会社に人生を賭けて飛び込んできた「新卒社員達」も大したことないと思われる

⇒それだけは「人」として、してはいけない

すでに、私の問題は、私一人の問題ではない。私という人間の後ろには、信じて仕事をまかせてくれている社長、同僚、部下などたくさんの仲間がいる。私がばかにされるということは、もはや会社や仲間が「この程度か」と思われることとイコール。だから、逃げない。少なくとも敵前逃亡するような格好の悪いことはできない。この気持ちが弱気になりそうな自分をふりはらってさらに一歩踏み込むパワーを私に与えてくれる。

研修の中で私が受講者によく言う台詞がある。

「もう無理!できへん!!限界!!!って思うことあるやろ?その時は心の中で、『グー』(グー、チョキ、パーのグーのこと)して、ぐっと歯をくいしばって引かずに前に出ようや!絶対後ろに引き下がったらあかんでぇ。目つぶって『ええ~いっ』て心の中で念じて飛び込め」って・・・。でも人間って弱いから、な~んのプレッシャーもないのになかなか一歩踏み出されへん。その一歩を踏み出させてくれるパワーを名刺が持っているのです。

(もう少し続く)


★名刺のちから

2008-06-18 | 日記・エッセイ・コラム

私は役員であり、教育事業部の責任者という役割も担っている。当然私の名刺には会社のロゴマークや所在地などの情報とともにこの肩書きが明記されている。

今回は「名刺」のパワーのお話し。

教育の仕事というと、なんとなく学校の先生⇒研修講師のイメージが強く、就職活動中の学生にとっても「人の前に立って人に影響を与える仕事」としてある意味いいイメージでとらえられているようだ。

しか~し、実際にはそうではなく、宝塚歌劇団のモットーである「清く」「正しく」「美しく」とは程遠い、「激しく」「汗かきまくって」「人に飛び込む」のが仕事。余談になりますが、ある人に「中村さんって、年中腕まくりしてますよね!」と言われてハッとしたことがある。確かにそうだ。私のスーツは真冬のものでも必ず腕に「まくりました印」がついていて、クリーニングに出してもとれない。これは、私自身が「汗かき」というだけでなく、いつも心のどこかで

「(腕まくりして)やったるでぇ!」

と気合をいれているから。

さて、私はどちらかと言うと「思ったことをストレートに口に出す」「相手が社長であろうともずけずけとモノを言う」気が強い女だと思われている(らしい)。実際そういうところもなくはない。現に、報告会の席で社長と言い争いになってその場に居合わせた役員の方々を引きつらせたり、北新地で「あなたにお支払いいただく理由はありません」と啖呵をきって世のお父様方の一ヶ月のお小遣い以上の金額を自腹で払ったことなどはあります。けど、もともとそういう性分かというと決してそうではありません。

そんな私が、自分のしごとのためとはいえ、いかつい風貌の社長に

「社員が定着しないのはあなたに責任がある!」「あんたが社員にいらんこと言いすぎるからや!!」

と訴えたり、

うっとうしそうな研修受講者に

「ねむいんやったら帰れ!!」

注)いつもこんなことを言っているわけではありませんのであしからず・・・

と戦いを挑んでいけるのは、間違いなく名刺のパワーなのです。

(続く)


★この仕事をしていてよかった!と思う瞬間(続き)

2008-06-07 | 日記・エッセイ・コラム

正直初回はどうなることかと思いました。

開始2分前になっても誰も来ない。「あれ??」と思っていると時間ぎりぎりに全員が一列に並んで入室してきました。
しかも

「挨拶なし!」「表情なし!!」「やる気なし!!!」

今になって思うと、必ずしもやる気がなかったのではなく、シャイな人柄や地域性からどのように自己表現していいかわからなかったのも理解できますが・・・。それにしても、あからさまにウエルカムではない姿勢でのスタート。

滅入りそうになる気持ちをなんとか駆り立てて、「なぜ、誰のためにこの取り組みをするのか?(=自分のため、自分たちの職場のためやでぇ~)」とか、活動をしていく上での約束事①有言実行の基本原則(『やる』と宣言してやる。やれそうにないことは軽々しくやると言わない)②「みる」「感じる」「話す」「聞く・訊く」「やってみる」の実践 ③何より「活動を楽しもう!」を熱く伝えたつもり!
外部の人間である私にとっては、社内のしくみや機械がどうのこうのということはよくわからないこと。私の役割は、メンバーを「やってやろうやないか!」という気にさせること!!これしかない!!!

まず「顔を上げて話し聞かへん?」から始めました。みなさんもないですか?気ののらない会議や集まりで、目をあわさないように下を向いて時間が過ぎるのをただひたすら待つ経験が・・・。 これをやめさせる!まずはここからです!!

こんな感じてスタートして「だまされたと思って半年一緒に活動しようや!」「顔上げて周り見よう」「言い訳やめよう」「感じたことを言い合おう」「仲間として協力し合おう!」と言い続けて半年間。

先日の土曜日に成果報告会が行われました。

報告会では、4チームがそれぞれの取り組みを30分にまとめてプレゼンテーションしたのですが、そこには初回とは別人のメンバーがいました。初回の状態から考えると、顔をあげて人に聞こえる声で話しをする。自主的に集まって職場の問題を話し合う場を持つ。だけでも充分なのに、プレゼンテーション資料の質、活動によってもたらされた具体的な成果(成果物レベル、行動レベル)、そして何よりも自分たちの取り組みを堂々と社長にプレゼンしている姿は私の予測をはるかに超えていました。

最後の講評で社長が「この取り組みをやって本当に良かった!」と初めて(ごめんなさい、社長)社員を心から褒めているのを聞いて「やった~!」と思ったのと同時に感無量になりました。

もちろん、これがゴールではなくスタート!でも「やってみよう!」と気になって「やってみたら、何かがつかめる(変わる)!」という体験が、今まで「どうせ、何やっても無駄(変わらない)から言われたことしかしない」という重苦しい雰囲気にちょっとした風穴をあけたのは事実。すべてはここから始まる!!この瞬間に立会うことが私にとっての仕事の成果であり、これが私のとっての最高のご褒美なのです。
                                    
                                                                 感謝


★この仕事をしていてよかった!と思う瞬間

2008-06-04 | 日記・エッセイ・コラム

「仕事をしていてよかったなと思う時はどんな時ですか?」

自社の説明会で出席の学生からよく受ける質問の一つです。
その時、「かっこよく言えば『人が成長する瞬間に立ち会える』ことかな・・・」てなニュアンスの返答をしますが、今回はその例をひとつ。

昨年から東北にあるメーカーのリーダークラス社員の活性化に取り組んできました。
きっかけは、私の講演を社長が聴いてくれたこと。経営者対象のその講演で私は、

「中小企業で会社の雰囲気の悪い会社は間違いなくみなさん方(社長)に問題ありますよ!」
「裸の王様になってるんと違いますか???」 ⇒うちに限ってと思ってません??
「おねえちゃんとこでお酒飲むひまあるならもっと社員としゃべったほうがええですよ!!!」

等など言いたい放題。その講演終了後、

「ひょっとしたら、今日の話はウチの会社にも当てはまるかも・・・」

と声をかけに来られたのがきっかけでした。まずは実際どうなのかみてみましょうということで社員のヒアリングを実施したところ

「上下左右のコミュニケーションが滞ってバラバラ状態」
「『最終的には社長がなんでもやってくれるから、自分たちは言われたことだけやっておけばええや・・・・』という気持ちが社員の間に蔓延している」

ことがわかりました。「うちの社員は言われたことしかやらない」というのが社長の不満。でもそうさせている大きな要因は社長自身にあったのです。

そこで、社員の自主的な行動を促進する「リーダーによる職場活性化プロジェクト」をスタートしたのでした。

(続く・・・)