女を捨てず・女に甘えず・らしさを活かす

女性スタッフがビジネス社会で実際に体験したことを中心に「見たこと」「聞いたこと」「感じたこと」をありのままお伝えします。

貴重な体験

2011-10-28 | インポート

 先日、視覚に障がいを持つ人たちの集まり「ホットポットの会」でコミュニケーションについて話をする機会があった。

 「コミュニケーション」テーマで話をする際、「コミュニケーションはたとえるならば、ドッジボールや壁打ち、千本ノックではなくキャッチボールであるということをわかりやすく説明する」ために、参加者とキャッチボールを実演して見せることにしている。

 実際にはふかふかの「ぶたの携帯置き」をボールに見立ててキャッチボールをする。

今回も、できればいつものように実際にキャチボールを実演してみせたい。でも、今回は実演してもそれを見ることができないかも。

 「しかたないっかぁ・・・。今回は別のやり方に変更せざるを得ないなぁ・・・」

と思いつつ念のため幹事の方に相談してみた。

中村 「参加者の方とキャッチボールを実演してコミュニケーションのあり方を理解していただきたいと思っていたの  

    ですが、今回は難しいですよね・・・」

    と、

    意外な答えが返ってきた。

事務局の方「いえ、やってください。コチラで状況説明して補足しますから」

要は、野球の実況中継でピッチャーの様子、バッターや監督の様子をアナウンサーが説明するように、私が参加者とキャッチボールしている様を幹事の方が実況中継してくれるのだと言う。

  

  キャッチボールしている状況を

 

  「今、中村さんがふんわりとしたボールを相手の胸の辺りに投げました」

  「○○さん(相手の方)そのボールを胸の辺りで受け取りました」 

  てな感じで説明してくれるのだ。

  どんな感じになるんだろう?うまくニュアンス伝わるんだろうか?場がしらけたらどうしよう?

不安な気持ちで臨んだ(実際には幹事の方ではなく、プログラムの最初からハイテンションだった私が、実演しながら実況中継した)が、

 いい感触

 ちょ~っとだけ遅れて反応が返ってくる。笑いだったりため息だったり・・・。参加者の雰囲気からこちらの

 伝えたいことが伝わっているぞぉ~っ

 が感じられる。 

 当初感じていた不安は一気に払拭されそうでなくても高かったテンションがさらに上がって最後までハイテンションのまま突っ走った。

視覚に障がいがあるから余計にイメージする力や感じる力がブラッシュアップされるのか・・・。参加者の人の熱心で共感的な雰囲気のおかげで貴重な経験をし楽しい時間を過ごすことができた。

  

 


一杯280円のコーヒー

2011-10-18 | インポート

 その日9時30分に大阪の天下茶屋駅から徒歩15分のところにあるクライアントに行く予定だった。駅に着いたのが9時少し前。5分前に着くとして9時10分に駅を出れば充分。

 15分ほど時間があった。

 

 「そう言えば、今日はバタバタと家を出たためコーヒーを飲んでないなぁ・・・」と思った瞬間。無性にコーヒーが飲みたくなった。

 で、15分をコーヒータイムにしよう!と決め、駅の商業施設に入った。その商業施設を入った左側に言わずと知れたマクドナルド。通路を挟んでちょうど反対側にカウンターとボックス席一つという喫茶店(いや、喫茶コーナーと言ったほうが正確)があった。

 マクドナルドにはたくさんのお客さんが入り、新聞やモバイル端末を見ながら朝マックしているのが見てとれる。どこのマクドナルドでも見受けられる朝の光景。

 

  喫茶コーナーにも視線を向けてみる。

 

  と(予想に反して)こちらもほぼ満席。どちらでコーヒーブレイクするか迷った挙句、コーヒーのいい香りにつられて喫茶コーナーのカウンターに唯一あいていたカウンター席に腰をおろした。

 「ホットコーヒー下さい」

オーダーすると、人のよさそうな店長らしき男性が笑顔で対応してくれた。さっき予想に反してと書いたのは、単純に値段。マクドナルドで朝のコーヒーはいくらか?おそらく200円までだろう。一方、この喫茶コーナーのコーヒーは一杯280円。当然、客は安い方に流れるのではないか?しかも、最近マクドナルドのコーヒーは結構いける(おいしい)

 ところが、この280円の店が結構繁盛している。その理由は15分でわかった。

もちろん、味はおいしい!香りもいい(やっぱり淹れたてははおいしい!)。でも、それだけではなく、この喫茶コーナーの店長(らしき男性)をはじめパートさん(らしき女性)も含めてスタッフの接客がナチュラルでフレンドリーで居心地がいい。

 (私が滞在していた15分間)ほとんどが常連さんらしきお客様は、「いつものアレ」を注文し、ほどよく会話をし、「ごっつぉうさん」と言って帰っていく。その後姿を「行ってらっしゃい」と見送るスタッフ。内輪トークが行き過ぎず、よそよそすぎず程よい

 見慣れぬ顔の客(私のこと)にも細かい配慮をしてくれる。

 

 水を一口飲んでグラスを置いた時

 「お急ぎですか・・・?」

 と店長らしき男性から声をかけられた。心の中で「なんで私が15分しか時間がないこと知ってんのん?」と思ったその絶妙のタイミングで、

 「ちらっと時計みはったんで、お急ぎなんかなぁと思って・・・

と柔らかな笑顔で言葉を続ける・・・。そこからしばし穏やかな会話。

 かくしておいしいコーヒーと気持ちの良い接客、「お気をつけていってらっしゃ~い」の声ととびっきりの笑顔に送り出されてお客様のところへ・・・。

 一杯280円のコーヒー。値段は高くてもマクドナルドには負けない「何か」がある。この「何か」生き残りを決める


鳴かぬなら 「○○○」 ほととぎす

2011-10-14 | インポート

気性が激しかった織田信長は「鳴かぬなら殺してしまえホトトギス」

戦略家の豊臣秀吉は「鳴かぬなら鳴かせてみせようホトトギス」

忍耐強い徳川家康は「鳴かぬなら鳴くまで待とうホトトギス」

これらは戦国時代の3武将の気性を表現した有名なフレーズ。

人にはそれぞれタイプがある。今日もそんな会話をする場面があった。

「問題に直面した場面」で見られる反応3タイプ。名付けて

「まっ、ええっかタイプ

「なんでやろうタイプ

「よっしゃ~!解決するぞ!タイプ

たとえば、山道を歩行中に、道の真ん中に大きな岩が置かれている場面に遭遇したとする。

「まっ、ええっかタイプ」は、気にはなるものの自分が通行できれば問題なし。岩を避けて通行してハイおしまい。

「何でやろうタイプ」は、「なんでこんなところに岩が落あるんだろう?」と立ち止まって考え込み、その解が見つかるまで動けない。

「よっしゃ~!解決するぞ!タイプ」は、このまま岩がここにあったら車が通行できない。岩を脇にのけようとする行動に出る。

ビジネスの場面で置き換えると、

お客さんから投げかけられた難題や部下の問題行動に対して、

「まっ、ええっかタイプ」は、なんとかなるだろうと軽く受け流す。

「何でやろうタイプ」は、「なんでこんなことを言ってくるのか?」「なぜこんなことができないのか?」を考え、これらがすっきりするまで行動できない。「あ~あでもない、こ~でもない」と考えこんで思考が内にはいりがち。

「よっしゃ~!解決するぞ!タイプ」は、状況確認や原因分析にはじっくり時間をとるが、問題解決行動に向けて一歩踏み出す。

「まっ、ええっかタイプ」は明るくてノリがいい。そのキャラクターを活かしていくべき。ただし、流してはいけない場面、たとえば、そうすることによって自分以外の誰かが対処しなければならなくなる。あるいは、流すことによって、相手から軽く見られるなど自分や会社にマイナスとなる場面では流さず毅然と立ち向かわないと信用を失うことにもなりかねない。

「何でやろう?タイプ」はじっくり派で安定感がある。そのキャラクターを活かしていくべき。ただし「あ~でもない、こ~でもない」と考えてもどうしようもない場面、たとえばそれが結論済みで今更考えてもどうしようもないことだったり、自分以外の人の精神構造の場合には、さっさと切り上げて次に向かわなければムダに時間だけが過ぎていく。

「よっしゃ~!解決するぞ!タイプ」が最も好ましいが、問題解決実践派タイプには心身のタフネスが求められる。

だからこそ、組織は人の組み合わせなのだ。「まっいいっかタイプ」も「何でやろうタイプ」もどちらのタイプもいる組織の中だからこそ、それぞれの強みを活かし、弱みをサポートしあうのはもちろんのこと、自分にないものを持つ人と触れ合うことで「自らの弱み」を弱みと認識し、意識して行動することができるのだ。この繰り返しが、結果として弱みをわずかづつでも克服していくきっかけになる。

 

 経営者は、これら組織を構成する人材の特徴をよく見極め、そのよさが最大限発揮できる環境を整えるすのが仕事。