先日、視覚に障がいを持つ人たちの集まり「ホットポットの会」でコミュニケーションについて話をする機会があった。
「コミュニケーション」テーマで話をする際、「コミュニケーションはたとえるならば、ドッジボールや壁打ち、千本ノックではなくキャッチボールであるということをわかりやすく説明する」ために、参加者とキャッチボールを実演して見せることにしている。
実際にはふかふかの「ぶたの携帯置き」をボールに見立ててキャッチボールをする。
今回も、できればいつものように実際にキャチボールを実演してみせたい。でも、今回は実演してもそれを見ることができないかも。
「しかたないっかぁ・・・。今回は別のやり方に変更せざるを得ないなぁ・・・」
と思いつつ念のため幹事の方に相談してみた。
中村 「参加者の方とキャッチボールを実演してコミュニケーションのあり方を理解していただきたいと思っていたの
ですが、今回は難しいですよね・・・」
と、
意外な答えが返ってきた。
事務局の方「いえ、やってください。コチラで状況説明して補足しますから」
要は、野球の実況中継でピッチャーの様子、バッターや監督の様子をアナウンサーが説明するように、私が参加者とキャッチボールしている様を幹事の方が実況中継してくれるのだと言う。
キャッチボールしている状況を
「今、中村さんがふんわりとしたボールを相手の胸の辺りに投げました」
「○○さん(相手の方)そのボールを胸の辺りで受け取りました」
てな感じで説明してくれるのだ。
どんな感じになるんだろう?うまくニュアンス伝わるんだろうか?場がしらけたらどうしよう?
不安な気持ちで臨んだ(実際には幹事の方ではなく、プログラムの最初からハイテンションだった私が、実演しながら実況中継した)が、
いい感触
ちょ~っとだけ遅れて反応が返ってくる。笑いだったりため息だったり・・・。参加者の雰囲気からこちらの
伝えたいことが伝わっているぞぉ~っ
が感じられる。
当初感じていた不安は一気に払拭されそうでなくても高かったテンションがさらに上がって最後までハイテンションのまま突っ走った。
視覚に障がいがあるから余計にイメージする力や感じる力がブラッシュアップされるのか・・・。参加者の人の熱心で共感的な雰囲気のおかげで貴重な経験をし楽しい時間を過ごすことができた。