中村です。
JOCの会合における森元総理の女性蔑視発言は、撤回できる失言
レベルをはるかに超え、日本という国のジェンダーステレオタイプ
やジェンダーバイアスの根強さに関する大論争を引き起こしている。
森元総理の発言は言語道断だし、日本におけるジェンダーステレオ
タイプやジェンダーバイアスは根深いと思う。
しかしながら、
次期JOC会長は女性にすべき
とか
女性の管理職比率30%の数値目標設定
には少々違和感を感じる。
役職はその任務にふさわしい個人が請負うのであって女性
に限定するというのは逆差別に感じる。
女性管理職比率30%に関しても、「女性枠」そのものに疑問を感
じる。適任の女性がいなければ0%やむなしだし、たくさんいるの
であれば100%でも問題なし
※もちろん、そんなこと十分承知の上での数値目標だとは思うけど…
女性という『性』は私の属性の一つで、この属性は私の個性、ある
いは能力・魅力の一つであって、それ以上でもそれ以下でもないと
受け止めている。
総合職としてビジネス社会に出て34年。営業など積極的に客先に
出向く仕事をする中でいわゆる女性蔑視的扱いを受けたことは私
にもある。
たとえば、ある地方団体の専務理事に初めて会った際、
「なんや、女の営業さんっか…一人で来たの」
⇒女ですけど何か?子供じゃあるまいし、一人で来るに決まってる
やん(心の中の声)
またある時は、客先でのミーティングで、先方の担当者と口論にな
った際、ミーティング終了後その担当者が、
「課長から、中村さんが可哀そうと怒られました…」
⇒はぁ?何が可哀そうなん?意見が違ったから口論になった(=当
たり前)だけやん(心の中の声)
一方で、女だから得をした(と思える)こともある
営業先で見積もりを出した際、
「『もうちょっとなんとかして!』と言って中村さんから『せこい』
と思われたら嫌やからこれでいくわ!」
あるいは、お客さんとの食事や飲みの席に男の営業ではなく指名で呼
ばれ、そこで事務所では聞けない裏話や本音を聞けることも多かった。
「こいつ、大丈夫か?」と不安に思われるのも、特別扱いされるのも、
それは、女だから、ではなく私だから。
もっと言えば、女という属性も含めた中村桂子という人間が評価され
るかされないかの問題だと受け止めている。だから、ビジネス社会で
女だから不合理な差別意識を感じたこともなければ、必要以上に特別
扱いされた記憶も薄い。
うちの会社において、女性の役員・管理職は現在私だけ。女性社員の
中からも役員や管理職になるメンバーがでてきてほしいとは思うが、
ことさら女性の役員・管理職率をあげたいとは思っていない。
役員や管理職はその職責に似合った意識や能力のメンバーがなるべき
であって、女性枠を設ける必要性は全く感じない。
ジェンダーフリーと言いながら、体力や体の構造上の視点で考えると
適切な役割分担は必要だし、性差による志向傾向や向き不向きはある
と思う。ただ、いずれの場合も例外や個人差はあり、ステレオタイプ
に捉えるべきではない。男だから女だからではなく、属性を含む一人
一人の個性ある個人として能力が発揮できる世の中であってほしい。
今ブログを書きながら、私が今まで不合理な性差別を感じたこともな
ければ、必要以上に特別扱いされた記憶も薄いのは、私にそれらを感
じさせずに仕事をさせてくれた人が周りにいたからだと改めて感謝の
気持ちでいっぱい。
ただ、(以前のブログでも取り上げた)今までで唯一不合理だと感じ
る目に遭遇した。女だからという理由だけで営業職の私に制服着用を
無理強いされた…。たかだか制服着用。でも、納得のいく説明を求め
て食い下がった。その時も当時の部長が人事部長にかけあってくれた。
周りのサポートに活かされて現在の私が存在している。感謝