165. 大谷翔平が花巻東高校野球部1年の時に立てた目標達成表 大谷翔平作成
目標達成表は、小さいものは、正方形を縦を三等分し、横を三等分し、九つの正方形に分割されます。この中央に目標を書きます、
まわりの八つに目標を達成するための要素を書き込みます。
大谷の書いた目標達成表は、その八つの要素の一つを九つの中央に書き、それを八つのサブ要素に分割します。従って、9x9=81の表になります。
では、目標達成表を中央の九つのマス目から見ていきます。
1. ドラフト1位8球団 (中央の9つのマス目の中央)
1.1 体づくり (左上から時計回りに)
1.2 コントロール
1.3 キレ
1.4 メンタル
1.5 スピード160Km/h
1.6 人間性
1.7 運
1.8 変化球
1.1 体づくり (左上の9つのマス目の中央)(要素をサブ要素に分割)
1.1.1 体のケア
1.1.2 サブリメントをのむ
1.1.3 FSQ90Kg
1.1.4 柔軟性
1.1.5 RSQ130Kg
1.1.6 スタミナ
1.1.7 可動域
1.1.8 食事夜7杯朝3杯
1.2 コントロール (中央上の9つのマス目の中央)(要素をサブ要素に分割)
1.2.1 インステップ改善
1.2.2 体幹強化
1.2.3 軸をぶらさない
1.2.4 リリースポイントの安定
1.2.5 不安をなくす
1,2.6 下肢の強化
1.2.7 体を開かない
1.2.8 メンタルコントロールをする
1.3 キレ (右上の9つのマス目の中央)(要素をサブ要素に分割)
1.3.1 角度をつける
1.3.2 上からボールをたたく
1.3.4 力まない
1.3.5 下半身主導
1.3.6 ボールを前でリリース
1.3.7 回転数アップ
1.3.8 可動域
1.4 メンタル (左中の9つのマス目の中央)(要素をサブ要素に分割)
1.4.1 はっきりとした目標、目的を持つ
1.4.2 一喜一憂しない
1.4.3 頭は冷静に心は熱く
1.4.4 ピンチに強い
1.4.5 雰囲気に流されない
1.4.6 波をつくらない
1.4.7 勝利への執念
1.4.8 仲間を思いやる
1.5 スピード160Km/h (右中の9つのマス目の中央)(要素をサブ要素に分割)
1.5.1 軸でまわる
1.5.2 下肢の強化
1.5.3 体重増加
1.5.4 体幹の強化
1.5.5 肩周りの強化
1.5.6 可動域
1.5.7 ライナーキャッチボール
1.5.8 ピッチングを増す
1.6 人間性 (左下の9つのマス目の中央)(要素をサブ要素に分割)
1.6.1 感性
1.6.2 愛される人間
1.6.3 計画性
1.6.4 思いやり
1.6.5 感謝
1.6.6 礼儀
1.6.7 信頼される人間
1.6.8 継続力
1.7 運 (中央下の9つのマス目の中央)(要素サブ要素に分割)
1.7.1 あいさつ
1.7.2 ゴミ拾い
1.7.3 部屋そうじ
1.7.4 道具を大切に使う
1.7.5 審判さんへの態度
1.7.6 プラス思考
1.7.7 応援される人間になる
1.7.8 本を読む
1.8 変化球 (右下の9つのナス目の中央)(要素をサブ要素に分割)
1.8.1 カウント ボールを増やす
1.8.2 フォーク完成
1.8.3 スライダーのキレ
1.8.4 遅く落差のあるカーブ
1.8.5 左打者への決め球
1.8.6 ストレートと同じフォームで投げる
1.8.7 ストライクからボールに投げる
1.8.8 奥行きをイメージ
私も目標を達成するための様々な本を見てきましたが、このように完成度が高く、明確な目標完成表は初めて見ました。
現在メジャーリーグで活躍している大谷を見る時、目標を完成できないのは、その目標への道筋を明確にできないからだという意味がある意味、納得できます。
大谷が高校1年でこれを書けたのは、その素質と指導した2人の指導者によると思います。その一人は、大谷のお父さんです。かってはノンプロの野球選手でしたが、野球の研究者です。もう一人は、花巻東の佐々木監督です。
日本ハムのスカウト山田正雄によると、大谷は素直だけど実はとても頑固、謙虚だけど大変な自信家だそうです。
日本ハムのトレナーの話では、大谷は自ら助言を求め、「うんうん」と素直に聞くけれども、そのまま実行するのは3割で、残り7割は今の自分に必要な方法にアレンジしている。
多くの野球選手は高校や大学で厳しい指導者に遣らされ,怒られるうちに、好きだった野球が嫌いになっているケースが多いが、大谷は強制されず、好きでやってきた。
だから素直に自分で選択し、自ら考え、工夫して自ら挑戦する。
スポーツライター佐々木淳によると、大谷は、小学校の3年から5年まで、野球の監督だった父親と「野球ノート」をつけていた。毎日試合での課題を書かせ、父親がそれに返答する、言わば野球の「交換日記」です。
父親は「書くこと」を重視していました。言葉を書き付けさせ、頭に入力する習慣をつける。彼の考える力の原点はそこにあるのかもしれません。
また、花巻東高校野球部の佐々木監督も、目標達成表を書かせるくらい、書くこと、目標を書かせ、それを分解し、要素を書かせ、その分解した要素をさらに考えさせ、分解しサブ要素に落とし込んで、書かせました。
私たちも、あらゆることに目標を定め、大谷の目標達成表に学んで、応用できると思います。 (第164回)