173. とことん調べる人だけが夢を実現できる (片喰正章(Katabami Masaaki)著 2016年5月)
私が本書を紹介しますのは、本書の意図から少しはずれます。「選択の科学」シーナ・アイエンガー著 に於いて、人生は選択の集合として捉えことが、できるというようなことが書かれてまいした。
そこで私は、選択をする前に、その問題(進むべき道)に対する選択肢をできるだけ多く考え、紙の上に書き出す。すなわち「選択肢を広げる」別の言葉で表現すると「自由度を高める」。
「自由度を高める」ためには、その問題(進むべき道)について、どのようなアプローチ方法があるか、問題点は、それぞれの素晴らしい点と危険性を検討するために、徹底的に調査し尽くす。
「可能な限り調べる」ことにより「選択肢を広げる」そして「選択する」
このプロセスを常に踏むことによって、ほんの少し目標に近づきます。素人は、シンデレラのように一気に夢に近づくと考えるのは、誤りです。夢に近づいて、いるか遠のいているかは、だいぶ先に見えてくることです。
一気に夢に近づける天才は、たまにいますが、凡人は、一歩一歩目標に近づけることを考え、一か八かの勝負をすれば、必ず破れます。
私たちは、より確実に目標に少しでも近づけることを考え、時間をかけて樹木が成長するようにゆっくりと着実に、多くの選択を重ねて、目標に近づけるべきです。
また、「戦略的思考とは何か」岡崎久彦著の中で、日本人に歴史的に不足しているのは、情報と戦略だとあります。
では、読んでいきましょう、プロローグ(序章)から、読んでいきます。
『 夢を実現できる人と、実現できない人の違いって、なんだろう? 才能? 努力? お金? 人脈? センス? 運? どれも大事だ。でも、いちばん大事なのは、「情報」だ。
「情報」こそが、夢を実現できるかどうかを左右するカギになる。夢へと続く道は、まっすぐな一本道ではないからだ。夢へ近づく途中、その道は何回も分かれ道を迎える。
間違った道を選べば遠回りになる。道によっては行き止まりだ。一度入り込んでしまうと抜けられない、泥沼にいたる道もあるかもしれない。
どの道を行くか選ぶのに欠かせないのが、正しい情報。僕らはできる限り正しい情報を集め、それをもとに判断するしかない。
「夢を実現した人」の代名詞とも言える、有名な経営者たち。彼らは、その価値を誰よりも知っているからこそ、情報を探し、活用してきた。
たとえば、年商8兆円を超えるソフトバンクグループを一代で築いた、孫正義氏。彼は、アメリカに進出するさい、3100億円という大金で、IT系の展示運営会社と雑誌社を回収した。
正しい情報を集めるために欠かせないと確信していたから。実際、そこから得た情報をもとに、まだベンチャーだったヤフーへの出資を決定。その後のヤフーの驚異的な成長は誰もが知るところだ。
孫正義氏はこんな言葉を残している。「地図とコンパス」さえあれば、さっと宝を見つけて帰れる。この「地図とコンパス」にあたるのが、まさに情報だ。
「情報」は、ときに人の生死を左右する。人類初の南極点到達を争ったノルウェーの探検家ロアール・アムンゼンと、イギリスの軍人ロバート・スコット。アムンゼンは、正しい情報をもとに徹底的に準備を行なった。
その一つが寒さに強いエスキモー犬のソリ。アムンゼンの探検隊はその機動力を生かして、南極点に先に到達した。
いっぽう、スコットは「犬は使えない」という思い込みから、馬ソリと機械式のソリをメインに出発したが、極寒の地ではどちらも早々に役に立たなくなった。
移動手段、装備、食料などの準備で劣るスコットの部隊は、アムンゼンに遅れること34日、南極点到達するも、帰還中に遭難、全滅した。
くり返す。「情報」大事だ。大事だからこそ、まずは「調べる習慣」をつけてほしい。自分の夢をかたちにする方法がわからないとき、「情報がない」とあきらめるんじゃなくて、まずは「調べる」。
じつは、僕自身が「調べる習慣」で人生を大きく変えた人間だ。僕は大学卒業後、お金も人脈もないまま、無謀にも起業した。会社の看板も後ろ盾もなかった。頼れるのは自分だけだった。
誰よりも調べることで、取引先を開拓し、ビジネスに役立つ情報を集め、クライアントに提供して、大きな仕事をいただけるようになった。
だから、情報が、夢や目標に近づくための大事な「チケット」だということは、僕がいちばん知っている。あなたは、まだ「情報」の重要性を疑っているかもしれない。けれど、そんな人にこそ本書を読んでほしい。
夢を追う途中で、挫折しそうになることもあるかもしれない。自分の可能性を信じられないときがくるかもしれない。でも、調べよう。それも、とことん。
「調べる習慣」を身に着け、「具体的な調べ方」を学び、とことん情報を探してみる。そうすれば、必ず、道は開ける。「情報」という武器を手にして、走り出そう。 (以上プロローグより) 』
次に目次をみていきましょう。
『 第1章 すべては「調べる習慣」から始まる
01 「どうせ無理だよ」と言う前にまず調べよう 02 「できない理由」より「できる方法」に目を向ける 03 「わからないこと」をそのままにするのはやめよう 04 「疑り深い人」ほど夢を実現できる
05 「調べる習慣」が効果を発揮する正しいサイクルとは? 06 「ロールモデル」を探して自分の夢を絞り込む 07 自分の「イヤなこと」をすべて吐き出してみる 08 夢を実現するための「チェックリスト」をつくれ!
09 情報をいつ調べるのか? どのくらい時間をかけるのか? 10 集めた情報はどんな順番で見るのがベスト? 11 「複数のソース」にあたって思考のかたよりをなくす 12 「コピペ」の罠には十分気をつけろ!
13 「誰が」「誰のために」出した情報かその「意図」を考える 14 「有料情報」の信者になるのはただの思考停止にすぎない 15 情報は「整理」よりも「検索」の時代になった
16 再入手しやすい情報、しにくい情報の違いとは? 17 「情報」は「情報」を持つ人にさらに集まってくる 18 集めた情報は必ず「1か所」に集約する 19 単なる「情報コレクター」には絶対になるな!
第2章 とことん「ウェブ」で情報を集める
20 まずは「検索キーワード」のパターンをできる限り考える 21 最初の1ページの検索結果で満足してはいけない 22 「画像」や「動画」を「文字」とセットで検索するクセをつける 23 「まとめサイト」に期待しすぎるのは危険
24 ウィキペディアは「本文」を読むな! 25 「アラート」を使って夢を忘れない環境をつくる 26 メルマガは夢実現の「イメトレ」ツール 27 日々のモチベーションを上げるSNSの使い方
28 「ニュース検索」で夢の実現者のエピソードを知る 29 「一般人のブログ」でビジネスの具体的なターゲットを描く 30 「コメント欄」も貴重な「ソース」になる 31 本当に参考になる「レビュー」をどうやってみつけるか?
32 プロ向けの「質問サイト」で専門家のアドバイスを受ける 33 「業界専門サイト」でディープな情報収集をする 34 「プレスリリース」には貴重な一次情報が眠っている
35 「シンクタンク」のサイトで「お宝データ」を掘り当てろ! 36 本当にほしい調査結果は「ネットリサーチ」で自力で入手
第3章 とことん「本・雑誌・新聞・テレビ」で調べる
37 本の最後のページ「奧付」からチェックする 38 本を調べるときは「入門書→定番本→最新刊」の3冊を選ぶ 39 不得意な分野の情報「雑誌」と「図解本」から入る 40 できる限り「両極端な2冊」を読め!
41 書店の「棚」自体がじつは情報の宝庫である 42 新聞・雑誌はあえて「広告」に注目せよ! 43 マニアックな情報は「専門誌」で丸ごと手に入れる 44 信頼性の高い「〇〇白書」を使いこなそう
45 「専門図書館」でワクワクする情報にふれる 46 「テレビ」の情報価値をアップする視聴方法
第4章 とことん「人」に情報を聞く
47 「自分専用ガイド」を持てば調べれ悩みが一気に減る 48 一人に話を聞いただけで安心するな! 49 人に会う前から「情報収集」はスタートしている 50 人に聞くべき情報は「定義」「トレンド」「意見」「予測」
51 3つのポイントでみるみる聞き上手になる 52 話しが途切れたときは自分から「仮説」をぶつけてみる 53 あえて「知っている情報」について聞き相手の情報量を見極める 54 「話を聞き終わった直後」が本当の情報収集タイム
55 お酒の席で話を聞くときはここに注意する 56 多忙な相手に話を聞くときは「インスタントメッセンジャー」を活用 57 セミナーでは「情報」と「人のつながり」を手に入れろ! 58 「レアな人」と会える機会はなによりも優先する 』
以上です。
自分に合った情報の収集方法は自分で見つけなければ、自分の武器にはなりません。蛇足ですか、私は、漢字、カタカナ英語、略号等、まず電子辞典で調べます。なぜなら、日本語達人、英語の達人にしても、それぞれの辞典を一番ひいていると考えるからです。
言葉の定義を明確にしないと知識が体系を成さないからです。カタカナ英語は、英語表記とその意味を確認します。次に自分が知りたい、疑問に思うことを、紙に書き出します。そして、インターネットや図書館で調べます。
そして、調べたことを紙に書き出します。最後にエピローグ(終章)を読んで、終わりとします。(目次は、読まなくても、プロローグとエピローグを理解すれば、80パーセントは理解したと私は考えます)
エピローグ(終章)を読んでいきます。
『 「情報」の大切さ。「調べる習慣」の重要性。「具体的な調べ方」のさまざまな実例。この本に書いたことを、簡単にまとめると、この3点になる。
でも、最後に、なにか言い忘れたことはないか?この場を借りて、改めて強調しておきたいことはないか? そうやって自問してみると、一つ大事なことを思い出した。
「あきらめないこと。決して、あきらめないと、誓うこと。」
現代は「効率化」の時代だ。僕もその恩恵を受けているし、否定する気はない。けれど、「効率化」もいきすぎると、弊害が出る。
「できるだけ最短の時間で結果を出したい」「一つのことに必要以上に時間をかけるのはコスパが悪い」そんなふうに考えて、時間や効率ばかり気にしていたら、あなたの抱ける夢のサイズはどんどん小さくなってしまう。
僕は「とことん調べる人」だけが夢を実現できると言ってきた。ポイントは「とことん」だ。大きな夢を実現するのは、決して簡単なことではない。
その途中で、何度も大きな困難が立ちはだかって、どう解決すればいいか、途方にくれるかもしれない。それでも「調べる」ことでしか、前にはすすめない。
時間がかかってもいい。あきらめずに、とことん調べる。その熱意があってこそ、貴重な「情報」も見つかるし、まわりの人も動かすことができる。
ミッキーマウスやディズニーランドを生み出したウォルト・ディズニー。誰もが一度はその夢のような世界観に魅了され、いまなおその意思が受け継がれ続けている。彼はこんな言葉を残している。
「今、我々は夢がかなえられる世界に生きている。」
どうか、あなたの夢をあきらめないでほしい。あらゆる手をつくして、とことん追求してほしい。自分自身の可能性を、自分で閉ざさないでほしい。
失敗してもいい。恥をかいてもいい。夢と自分を信じ続ければ、僕らは何度でも調べることができる。悩んだら原点に回帰しよう。
実現したい夢という原点が失われない限り、あなたには戻れる場所があるし、ふたたび立ち上がることができる。僕らはみな「人が生きる」という旅の途中。人生をとことん楽しもう。 』 (第172回)