ニュースなはなし

気になるニュースをとりあげます

容体が急変…“変死”新型コロナ判明相次ぐ >警視庁

2020年04月20日 13時14分38秒 | 事件と事故
容体が急変…“変死”新型コロナ判明相次ぐ

路上や自宅などで容体が急変して死亡し警視庁が変死として扱った事案で、死後に、新型コロナウイルスへの感染が判明するケースが、相次いでいることが分かりました。

路上や自宅などで容体が急変して死亡し警視庁が変死として扱った事案で、死後に、新型コロナウイルスへの感染が判明するケースが、相次いでいることが分かりました。
捜査関係者によりますと、今月9日、都内の60代の男性が路上で倒れているのが見つかり、翌日、死亡しました。男性は、駆けつけた救急隊員に「胸が苦しい」と話していたため、
死亡後にPCR検査をしたところ、感染が確認されたということです。

また、自宅で療養中に死亡し、その後に感染が確認されるケースなどもあり、警視庁が扱った変死事案のうち、こうした例は20日までの1か月で少なくとも6件あったということです。

いずれも容体が急変したとみられ、中には保健所への相談がされなかったり、医療機関で十分な治療を受けられなかったりしたケースもあるということです。



コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

なんで今!? 新型コロナ感染拡大のさなかに旅行をしようとする人たち

2020年04月20日 12時48分35秒 | 日々の出来事
なんで今!? 新型コロナ感染拡大のさなかに旅行をしようとする人たち


新型コロナウイルス(COVID-19)の感染拡大で、今まで経験したことのない状況に向かいつつある世の中。2カ月ほど前にはたくさんの人であふれていた街中も、今は外出を控えることが常識となり、閑散としています。

大半の人が感染拡大の防止につながるようにと不要不急の外出を控えはじめていた中でも、我関せずとばかりに自分の予定を優先しようとしていた人も一定数います。今回は、筆者の身近にいた非常識な行動をしようとする人の話をご紹介したいと思います。 友人の義母のトンデモ話
 
それはまだ、政府から「緊急事態宣言」が出される前のこと。とはいえ、新型コロナウイルス感染への不安がすでに人々の間に広がっていた時期、友人から驚くような話を聞きました。話の主人公は、その友人の義母。日本各地でコロナ感染者が増えつつある時期に、あえて旅行を敢行しようとしていたそうで…。

友人は、ある日仕事を終えて帰宅した夫から「母親が旅行の計画をしているらしい」と打ち明けられたそう。夫に対しては「ちょっと考えられないんだけど…」と伝えましたが、嫁という立場上、自分が強く反対を唱えることはためらわれました。

友人やその義母が住んでいるのは、その時期はまだ新型コロナウイルスの感染者が比較的少なかった地域。緊張感も不安感も湧いていなかったのでしょう。今でこそ、感染者が少ない地域にいるのであれば、外に出ないことがその地域を守るために必要な行動だというのは容易に想像できるはず。友人の義母は、自分一人の行動がその地域を危険にさらすような事態に発展するかもしれないという可能性まで、まだ想像できなかったのです。

友人は、夫と義父にもう一度説得してくれるようにお願いしたそう。家族の真剣な働きかけと、出発日の1週間ほど前から日本全国の状況が悪化したこともあり、なんとか義母の旅行をキャンセルに持ち込むことができたそうです。

──が!  この状況になっていてもまだ「ゴールデンウイークのチケットはキャンセルしてないの」と義母からは伝えられたそう。ゴールデンウイークについても、キャンセルしなければならない状況であるのは目に見えているのに…。

 「これからの付き合い方を考えてしまうような出来事だった」と友人は言っていました。友人のケースでは、夫と義父が常識人であったことが救いだったと思いますが、この期に及んで同じことを繰り返そうとしている義母に、友人家族はまた振り回されるのだろうなと思うと、気の毒でなりませんでした。

休校だからと旅行計画を練り始める学生たち
 
筆者は趣味として、あるスポーツ競技に取り組んでいます。体育館で行う競技であるため、新型コロナの感染が広まりつつある時期にチームメイトへ向けて、「今は練習をやめるべきなのではないか」と意見を投げかけました。

筆者が住んでいるのは、感染者数が比較的少ない県の地方都市なのですが、公共施設なども続々と休館しはじめ、行動を変えていく必要がありそうだという空気がすでに漂っていました。

筆者と同じ世代や少し上の世代の人たちは、“いつ自分が感染してまわりにうつしてしまうかわからない”という不安から、筆者の意見に賛同してくれた人が多数いました。一方、同じチームメンバーでも、大学生たちは、これだけ連日報道されてネットでも情報が伝えられているにもかかわらず、危機感をそれほど持っていない様子だったのです。

「軒並み体育館の使用が禁止になっているのに、うちのチームの体育館は今まで通り使えてラッキー! くらいにしか思ってなかった」

──というのが、彼・彼女たちの偽らざる気持ち。「卒業旅行で海外へ行った学生たちが新型コロナを発症した」というテレビのニュースを思い出し、妙に納得した瞬間でした。

社会人として仕事をしているメンバーには、自分の家族はもちろん、職場にも迷惑をかけるかもしれないので、できれば今は活動したくないという合理的な判断があります。しかし学生たちは、「学校もないし練習もないなら、旅行でもしよう!」という声が上がってしまうほど、危機感を持っていないようでした。

実際街中でも、休校をいいことに遊びに来ている学生らしき若者たちをよく見かけていました。どこかで、自分のまわりにいる人たちの良識を信じていたこともあって、これほどの認識の違いがあるのかと驚いてしまいました。

 今は日本だけでなく、世界中の人々が一丸となってコロナ終息に向けて力を合わせるべきとき。もうそろそろ年代や生活環境の違いを越えて「危機感を共有できている」と信じたいのですが、みなさんのまわりの様子はいかがですか? 
 今は「用心しすぎ」くらいがちょうどいい
 
人には個性があるのが当然で、リスクに対する感度も人それぞれなのは仕方がないとは思います。しかし今のような緊急事態では、全員で力を合わせて見えない敵に立ち向かっていくしか打開策はないのではないでしょうか。

“自分だけは大丈夫”という理由なき思い込みを捨てて、自分や近くにいる人を守るのに専念することがベスト。それが他人や社会を守ることにもなるのですから。きれいごとを言っているように聞こえるかもしれません。しかし、全員が本気で向き合って戦わなければ、真の光は見えないような気がしてならないのです。


コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

強毒株に変異したヨーロッパ型のウイルスがまん延か.>ここにきて日本人感染者が増えているワケ 

2020年04月20日 12時30分28秒 | 医学と生物学の研究のこと
【コロナ】ここにきて日本人感染者が増えているワケ 強毒株に変異したヨーロッパ型のウイルスがまん延か

◆ ウイルスの毒性が強くなっている

新型コロナウイルス(COVID-19)の感染拡大が止まらない。

中国国内で広がっている間は、インフルエンザよりも感染率が低いとか、感染してもほとんどが軽症ですむなどと、どちらかといえば楽観的に受け止められていたのに、ヨーロッパに飛び火したウイルスは爆発的に広がり、さらに日本でも3月24日ごろから状況が変わってきた。

明らかに感染者の増加曲線が変化していて、このままでは感染者数が万単位になるだろうといわれている。

それにしても、なぜ24日ごろから感染者数が増え始めたのか。
 
2009年にメキシコで豚インフルエンザが大流行してパンデミックになったことがあったが、当時、私はこの感染地帯のど真ん中にいた。もちろん取材だが、そのときの状況は措くとして、今も覚えているのは、現場の医師から「ウイルスの毒性が強くなっている」と聞いたことだ。

当時は感染が広がってまだ2ヵ月しか経っていないのにウイルスが変異していることに驚いたが、新型コロナウイルスはもう4ヵ月を過ぎている。当然、変異を起こして毒性が強くなっていても不思議ではない。

かつてインフルエンザウイルスを研究していた前田浩熊本大学名誉教授にうかがうと、ウイルスはミューテーション(突然変異)を起こしやすく、毒性が変わるのは当然なのだという。

「コロナウイルスというのは1本鎖RNAなんです。ヒトのようにDNAが二重螺旋だと、片方のDNAが傷ついたり突然変異を起こしても、修復酵素が働くし、片方がマッチングして修正します。でも1本鎖RNAにはそれがないから、ミューテーションが非常に起きやすいのです」

ちなみに、インフルエンザウイルスに感染すると、宿主である人間はなぜ死ぬのか。実はウイルスそのものではなく、感染によって体内に発生する膨大な活性酸素が原因であることを、30年ほど前に発見したのが前田名誉教授だった。

インフルエンザウイルスに感染して死んだマウスを調べると、大量にいるはずのウイルスがいない、なぜ死んだのかを調べるうちに、ウイルスをやっつけようと体内のマクロファージや白血球などが大量の活性酸素を放出し、さらに各種サイトカインやプロテアーゼの過剰発生などが細胞毒性となってマウスが死んだとわかる。

それを証明するために、SODという活性酸素を消去する酵素を、高分子に繋いで注射するとマウスは死ななくなったそうだ。新型コロナウイルスもインフルエンザウイルスも同じ1本鎖RNAである。とはいえ、新型コロナウイルスに効果があるかどうかは別だが……。

それはさておき、3月24日以降の感染者数の増加を見れば、なんとなくウイルスが変異したのではないかと疑わせるが、それを確かめるには、少なくともゲノムを調べることだろう。

COVID-19のゲノムなんて塩基数にして3万ほどだから、すぐに解析できるはず、と思っていたのだが、いつまでたっても報道がない。

■ 突然変異で強毒化した可能性

ところが、海外ではランセット(The Lancet)など、さまざまな学術誌にウイルスのゲノムを解析した論文が掲載され始めた。なかでもCOVID-19のゲノムの系統図をわかりやすく掲載しているサイトが「Nextstrain」である。

そこに掲載された系統図(1)(2)を見ると、武漢で発見された新型コロナウイルスは、さかんにミューテーションを繰り返しながら、世界中に拡散していく様子がうかがえる。

系統図(1): 新型コロナウイルス拡散の遺伝的解析と現状報告(2020.03.27)


公開されているゲノム情報を使用して、COVID-19の広がりを追跡しています。

系統図(1):「遺伝子相違」を測定


公に共有されているSARS-CoV-2(COVID-19を引き起こすウイルス)の最初の169個の株の系統樹です。横軸は遺伝的相違(Divergence)を示します。遺伝的相違とは系統樹の根(疫病発生の始まり)に対する突然変異の数です。遺伝子配列によっては、突然変異がゼロの場合があります。

 現時点ではこれは「ツリー」のようには見えません。 


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

怪物」かも…新型コロナと新型インフル「不気味な共通点」があった>人獣共通感染症ウイルス

2020年04月20日 12時00分16秒 | 医学と生物学の研究のこと
怪物」かも…新型コロナと新型インフル「不気味な共通点」があった

>通常は、ウイルスは、親となるウイルスのゲノムを単純に複製するだけだ。しかし、一宿主が複数の亜型のウイルスに同時に感染すると、宿主の一つの細胞の中で異なる亜型のRNAの分節が混ざってしまう。ここで「遺伝子の再集合」が行われて、まったく新しい性質を持ったウイルスが誕生する。


新型コロナウイルスが猛威を振るっている。
2019年12月に中国・武漢でアウトブレイクした新型ウイルスはまたたく間に伝播し、4月13日時点で全世界で185万2807人が感染、死者は11万人を突破した。日本国内でも3月下旬から急激に感染者数が増加、4月7日には緊急事態宣言が発令されたが、もはやオーバーシュート(爆発的な感染拡大)は避けられない状況になりつつある。
それにしても、新型コロナウイルスはなぜパンデミック(世界的大流行)を引き起こしたのか? そもそもコロナウイルスは、いわゆる「風邪症候群」の原因ウイルスのひとつで、風邪の約15%はコロナウイルスによって発症する。つまり、以前から存在するごくありふれたウイルスだったのだ。そんな平凡なウイルスが突如、凶暴化したのはなぜなのか? その謎を解く鍵は、「種の壁」を越えるインフルエンザウイルスに隠されていた。
----------

【写真解説】コロナ感染「手洗い」の意外な落とし穴

 いま一冊の本が注目を集めている。

 『インフルエンザパンデミック』。著者は、インフルエンザウイルスの世界的な研究者として知られる河岡義裕・東京大学医科学研究所 感染・免疫部門 ウイルス感染分野教授と同研究室の堀本研子助教だ。21世紀初のパンデミックを引き起こした新型インフルエンザの感染機構に深く切り込んだ一冊だ。

 椛島健治・京都大学大学院医学研究科皮膚科教授は自身のブログで、同書を次のように紹介している。

 2009年に執筆された本ですが、内容は全く色あせておらず、むしろ、コロナと対峙する際に、参考になることが多数見つかります。

 パンデミックというと未知なる体験のように思われがちですが、人類は、1918年のスペイン風邪や2009年の新型インフルエンザなどを既に経験しているので、その時の歴史を学び、経験を生かすべきです。
この書籍の中で、

1. 新型ウイルスの何が怖いのか
2. どのように変異が生まれるのか
3. どの程度PCR検査をするべきなのか
4. 感染者数に一喜一憂するな

などの、現在私たちが直面している問題の解決策につながる洞察が深く掘り下げられています。

 実は、パンデミックを引き起こしたインフルエンザウイルスとコロナウイルスには数多くの共通点がある。

 いずれも私たちが「風邪」と呼ぶ「風邪症候群」を引き起こす原因ウイルスで、その遺伝物質はRNAだ。本来、インフルエンザ治療薬として開発された「アビガン」(一般名:ファビピラビル)がコロナウイルスにも有効とみられているのは、この薬がRNAウイルスに共通する感染機構を標的にしているからにほかならない。

  中国・武漢で新型コロナウイルスが発生した直後から、河岡教授は、自身が率いる東京大学医科学研究所と米国・ウィスコンシン大学のスタッフを総動員して、新型コロナウイルスの研究に取り組んでいる。その様子は、2020年4月12日の『情熱大陸』でも取り上げられて、大きな反響を読んだ。


動物から人へ「種の壁」を超える
 
 コロナウイルスもインフルエンザウイルスも毎年変異を繰り返すが、通常は、その病原性や感染力はあまり変化しない。

 ところが、数十年から百年に1回、まれに凶暴な新型ウイルスが誕生し、パンデミックを引き起こす。これは、インフルエンザウイルスもコロナウイルスも幅広い動物種が感染する「人獣共通感染症ウイルス」であることに関係している(図1)。

 異なる生物種のウイルスがひとつの宿主に同時に感染することで、遺伝子再集合を引き起こし、これまでとはまったく違った性質を持った怪物ウイルスが誕生するのだ。

 インフルエンザでは豚、コロナウイルスではコウモリやラクダなど異なる生物種が介在して、新型ウイルスが誕生することが知られている。こうした生物たちが新型ウイルスを育む生物工場として機能しているのだ。

  ただし、「種の壁」を超えた感染はめったに起きない。ウイルスが宿主の受容体タンパク質に取り付くためには、ウイルス遺伝子の大幅な変異が必要だからだ。
     
写真:現代ビジネス        
 


2種類の「変異」
 
 では、パンデミックを生み出すウイルスの遺伝変異はどのようなメカニズムで起きるのだろうか。

 ウイルスには大きく分けて2種類の変異がある。車のモデルチェンジにたとえるなら、「マイナーモデルチェンジ型の変異」と「フルモデルチェンジ型の変異」といえばよいだろうか。

 マイナーモデルチェンジ型変異のことを「抗原の連続変異」(抗原の小変異、またはアンティジェニック・ドリフト、図2)という。

 新車のマイナーチェンジでは、車のエンジンやシャーシーなどの骨格部品はそのまま流用して、オプション部品を付けたり、塗装色を変えたりする。

 これと同様に、抗原の連続変異では、大部分のタンパク質の構造は以前と変わらないが、少しだけアミノ酸の配列が違うタンパク質が生まれる。

 私たちがウイルスに感染すると、体内に抗体タンパク質ができるので、次にウイルスが入ってきても獲得免疫が働き、攻撃してくれる。ところが、抗原の連続変異で生まれた「昔と少しだけ形が違う」抗原タンパク質を持ったウイルスが侵入すると、用意した抗体タンパク質では十分に対処できない。

 このようにして宿主の抗原抗体反応の防御網をすり抜けたウイルスだけが生き残り、選択的に増殖を繰り返していく。

  私たちが、毎年のようにインフルエンザウイルスに感染してしまうのも、感染予防のために毎年ワクチンを打ち続けなければならないのも、絶えず連続変異が生じるためなのだ。

凶暴な「新しい顔」が生まれる
 
 とはいえ、変異が起きるといっても、連続変異はあくまでも「マイナーモデルチェンジ」なので、感染力や病原性に劇的な変化は起きない。

 ところがフルモデルチェンジ型変異が起きると、ウイルスの抗原性ががらりと一変する。このような劇的な変異のことを「抗原の不連続変異」(抗原の大変異、またはアンティジェニック・シフト、図3)と呼ぶ。

 不連続変異は、RNA分節が異なる複数のウイルスが同時に一つの細胞に感染した場合に起きる。

 通常は、ウイルスは、親となるウイルスのゲノムを単純に複製するだけだ。しかし、一宿主が複数の亜型のウイルスに同時に感染すると、宿主の一つの細胞の中で異なる亜型のRNAの分節が混ざってしまう。ここで「遺伝子の再集合」が行われて、まったく新しい性質を持ったウイルスが誕生する(図4)。

 不連続変異では、それまで流行していた季節性インフルエンザとはつながりのない、まったく新しいウイルスが生まれる。

 免疫応答のターゲットとなる抗原タンパク質が一変してしまうので、以前感染したときに獲得した免疫も現行のワクチンもまったく効果がない。1975年のアジア風邪と1968年の香港風邪の原因となった新型インフルエンザウイルスは、こうした仕組みで誕生した。

 2009年にパンデミックを引き起こした豚由来の新型インフルエンザウイルス(A型、H1N1亜型)も遺伝子再集合によって発生した、まったく「新しい顔」を持ったウイルスだ。

 幸いにして、病原性は「季節性インフルエンザウイルス」とさほど変わらなかったが、実はウイルスとしてはまったくの別物である。ウイルス遺伝子の劇的ともいえる突然変異があったにもかかわらず、病原性が変わらなかったのは、不幸中の幸いとしかいいようがない。

  反面、世界保健機関(WHO)がパンデミックを宣言したにもかかわらず、被害は軽微で済んだため、「パンデミックは恐れるに足りない」という油断が生じ、新型コロナウイルスの初動対応の遅れにつながったことは否定できないだろう。
新型コロナウイルスがどのようなプロセスを経て誕生したのかはいまだ不明な点が多い。

 同じコロナウイルスで、SARS(重症急性呼吸器症候群)を起こすSARS-CoVは、コウモリからヒトに感染して重症肺炎を起こし、MERS(中東呼吸器症候群)を起こすMERS-CoVは、ラクダからヒトに感染して重症肺炎を起こした。

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)は、SARSを引き起こしたSARS-CoVと遺伝子配列がよく似ているために、SARS-CoV-2と名付けられた。

 米スクリプス研究所らの研究チームは、遺伝子配列の相同性からコウモリが感染源である可能性が高いとみているが、コウモリからヒトへの感染は確認されておらず、ヒトとコウモリとの間にハクビシンなどの中間宿主が関与している可能性も指摘されている。

 2009年3月にメキシコで発生した豚由来の新型インフルエンザウイルス(A型、H1N1亜型)は、鳥・ヒト・豚由来のインフルエンザウイルスの遺伝子再集合により誕生した雑種ウイルスである。

 この新型ウイルスは、発生当初、豚インフルエンザと呼ばれた。確かに、ヒトに感染する前は、豚で流行していたウイルスであるため、豚インフルエンザウイルスといっても間違いではないが、遺伝的バックグラウンドは非常に複雑であり、その起源をたどれば、鳥インフルエンザウイルスでもあり、ヒトインフルエンザウイルスともいえる。

 新型インフルエンザウイルスは、豚・鳥・ヒトと異なる宿主に感染していた“キメラウイルス”である。
写真:現代ビジネス        
 


「怪物」である可能性が高い理由
 
 パンデミックを起こした新型インフルエンザウイルスは、そのRNA分節の遺伝子解析から、次のような経緯で誕生したものと推測されている(図5)。

 1918年に全世界で猛威を振るったスペイン風邪に起源を持つ古典的な豚インフルエンザウイルス(A型、H1N1亜型)は、世界各地の豚で長い間流行してきた。1997年から1998年にかけて、この古株のウイルスに加えて、香港風邪に起源を持つヒトインフルエンザウイルス(A型、H3N2亜型)、北米の野鳥の間で流行していた鳥インフルエンザウイルス(A型、HAとNAの亜型は不明)が豚の体内で遺伝子再集合を起こし、「トリプルリアソータント」(Triple Reassortant)と呼ばれる3種類のウイルス間の雑種ウイルスが誕生した。

 一方、ヨーロッパでは、1979年に豚に鳥インフルエンザウイルスが感染し、これが長い間、ヨーロッパの豚で流行してきた。2009年にパンデミックを引き起こした新型インフルエンザウイルスは、海を越えて、北米で流行していた「トリプルリアソータント」とヨーロッパで流行していた豚インフルエンザウイルスが、遺伝子再集合した結果、ヒトに感染する能力を持ったものと思われる。

 今後の解析が進めば、新型インフルエンザウイルスと同様に、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)を引き起こしたSARS-CoV-2がどのように過程を経て誕生したのか、わかるはずだ。

 以上説明したとおり、新型コロナウイルスと新型インフルエンザウイルスには奇妙なほど整合する部分が多い。SARS-CoV-2は、複数の生物種に感染するウイルスが遺伝子再集合した結果、生まれた怪物ウイルスである可能性が高い。

  この怪物に打ち勝つには、遺伝子レベルのさらなる深い解析が必要となるであろう。



コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

【新型コロナ】 大阪大学元総長で免疫学の泰斗である平野俊夫氏 「最終的に国民の30~60%が感染して免疫を獲得するまでは終息はしない

2020年04月20日 10時54分15秒 | 医学と生物学の研究のこと
【新型コロナ】 大阪大学元総長で免疫学の泰斗である平野俊夫氏 「最終的に国民の30~60%が感染して免疫を獲得するまでは終息はしない

大阪大学元総長で免疫学の泰斗である平野俊夫さんは
「なぜCOVID-19はこれほど恐れられているのか?」というブログにこう書いている。

<日本で流行は終息したとしても海外からウイルスが流入するし、国内でもまた流行が起こる。
このように流行の波を作りながら最終的に国民の30~60%が感染して免疫を獲得するまでは終息はしないと考えられる>


そして、こう述べた。

「重要な点は、1~2ヵ月で収束することはなく、ワクチンや治療薬が出現しなければ1~2年、
あるいは3年はかかる、いわばマラソンレースであるという点です。だからといって過度に恐れる必要はないが、決して油断してはいけない」

これだけ地球規模に広がれば、おそらく1918年のスペイン風邪のように第二波、第三波と感染爆発が続きながら
次第にその波が終息していくのだろう。

新型コロナウイルスとの戦いは長期戦になるということは覚悟した方がいい。


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする