コロナ疑惑で“夜の行動”がバレた出張族、会社や家族に軽蔑され
ついにうちのビルからも“出た”らしいよ」 「ああ、上階の企業ね。エレベーターとか共有スペースの消毒は大丈夫なのかね」 新型コロナウイルスの感染拡大が止まらない。身近でもこんな会話が珍しくなくなってきている。日ごとに増す感染者数の発表、もはや誰が感染していてもおかしくないのではないか……不安は募るばかりだ。そんななか、思わぬ形で生活が破綻寸前になってしまったという人がいる。 3月30日、小池百合子・東京都知事が「接待を伴う飲食店」に行くことを自粛するよう呼びかけたことも記憶に新しいが……。
コロナ疑惑で“夜の行動”がバレた出張族サラリーマン
※画像はイメージです(以下同)
「油断していたといえばそうですが……正直、こんな形で“コロナの影響”が出るとは思ってもみませんでした」 都内の大手IT系企業傘下のコンサル会社に勤務する芹沢陽介さん(仮名・30代)は、月の半分以上が地方出張という多忙な日々を送っていたが、コロナショックの影響を受け、3月1週目の出張を最後に、都内の自宅でリモート勤務に入った。
そんな芹沢さんの体調に変化の兆候が出始めたのは、3月中旬頃。37度台後半の熱が5日以上続き、咳のしすぎで肺に痛みを感じるほど。当然、「コロナか……」と身震いした。 「かかりつけの病院に連絡したところ、まずは様子見、病院には来るなと言われました。保健所に電話しましたが、病院と相談を……と。たらい回しかと不安になり、念のため会社に相談しました。すると、すぐに会社の上司、そして産業医から電話がありました」(芹沢さん、以下同)
産業医とは、芹沢さんの会社に所属し、社員やスタッフの健康管理を行う医師のこと。症状が出た日から遡った芹沢さんの2週間のスケジュールについて、上司と医師は電話で1時間以上、詳しく聞き取りを行ったという。気がかりだったのは、出張先での「夜」の過ごし方だった。 「正直、“そういった店”に行った日がないわけではない……。恥ずかしかったのですが、その辺も洗いざらい話しました。こんなことになるのなら、行かなきゃよかったと後悔しました」
産業医と会社を通じて、かかりつけ医と保健所から電話がかかってきたのは翌々日のこと。個人でうったえても認められなかった「PCR検査」の実施が決まったのだという。指示された通りに、指定の医療機関へ向かうと、粘膜検体を取られた。ここでも直近2週間のスケジュールについて聞き取りが行われたという。 恥を偲び、やはりここでも「夜の行動」について詳細を述べた。陽性だったらシャレにならない、家族や子どもは大丈夫だろうか。
検査を終え、暗雲たる気持ちで帰宅すると、そこには妻と子どもの姿はなかった。自身のことを受け、近くにある妻の実家に避難したのだろうか。そう思っていたところに、妻から思いもよらないメールが届いたのだ。 「会社と産業医から、私の家での過ごし方について、妻にも電話で聞き取りが行われていたのです。私が会社に説明したスケジュールも妻は聞いたようでした。すると、私が以前妻に話していた仕事のスケジュールと辻褄が合わない日がいくつかあることが発覚したんです。とある地方都市で、私が業務外で女性と……なんていう私の会社への説明が、すべて妻の耳にも入ってしまい……。 なにもそこまですることはないじゃないか、プライバシーの侵害だと思いましたが、もう後の祭りです。妻からのメールには別居を考える、といったことが書いてありました」
なお、検査結果は「陰性」。風邪だったようで、体調も復活。コロナの不安は解消されたが、家族との関係は冷えきったままだ。自宅で一人でリモートワークに勤しむ芹沢さん。コロナの思わぬ影響なのか、たんなる身から出た錆なのか……。
社内での二股が発覚、絶望の淵に…
愛知県在住の会社員・福地勇大さん(仮名・30代)も、コロナのおかげで隠していた秘密がバレたと涙目だ。 「3月の頭にヨーロッパ出張から帰国し、すぐに発熱。会社と病院、そして付き合っていた彼女にも説明をして自宅にこもっていたのですが、帰国してすぐ一晩だけ会った人がいたことを忘れていました」(福地さん、以下同) それは他でもない、福地さんの浮気相手である女性。しかもこの女性、福地さんの会社の部下だった。福地さんは黙っていたが、女性は不安にかられて上司に相談。すべてが発覚した。さらに福地さんの彼女にとっても元部下というから、会社を巻き込み大混乱に陥った。 「もともとその女性との浮気を疑われていたこともあり、彼女は激怒。部下との浮気がバレると同時に、部下も“コロナ疑惑”で会社を休むハメに……。正直、コロナどころではなくなり、上司からは『大変なことをしてくれた』と……。結局、熱はすぐに下がったのですが、2週間は自宅待機と指示されました。もはや、会社に復帰できる気がしません」 非日常が炙り出す、隠したかった日常の火遊び。本人たちにとっては違った意味での「コロナショック」だったようだ