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老化は34歳、60歳、78歳でズドンとくる…医学博士が教える「老ける食べ物」と「老けない食べ物」の決定的な違い

2024年12月26日 00時05分28秒 | 医療のこと



老化は34歳、60歳、78歳でズドンとくる…医学博士が教える「老ける食べ物」と「老けない食べ物」の決定的な違い (msn.com) 


近年、世界中で老化に関する研究が行われ、老化のスピードを遅くする、または逆戻りさせるという可能性がみえてきました。体を若返らせる、寿命を延ばすといったことが現実に近づいてきているようです。本稿では、京都府立医科大学大学院医学研究科の医学博士・内藤裕二氏が老化と腸の密接な関係について解説します。


老化は一定のペースで進行しない
中年期(40~64歳)に入ると体の衰えを感じる人は多いでしょう。しかし実は、老化は青年期からすでに始まっていることをご存じでしょうか。さらに、スタンフォード大学の研究チームがヒトの血漿たんぱく質を分析したところ、老化は一定のペースで進行するのではなく「34歳の青年期」、「60歳の壮年期」、「78歳の老年期」で急激に進行するということがわかったのです。
急激な老化を避けるための、日ごろのエイジングケアは20~30代から始めても、早すぎるということはありません。老化は美容面のダメージだけでなく、体力やメンタルの衰え、病気にもつながり、長い生涯の生活の質を落すことにつながります。


老化を遅らせ、できる限り長く若さを保つカギ
長く生きていれば、34歳、60歳、78歳という年齢は誰でも通ります。しかし、同じ年齢であっても実年齢よりも老けて見える人がいる一方で、若々しく見える人もいます。どうしてこのようなことが起きるのでしょうか。


実は、老化のスピードには個人差があるのです。


ここで、ニュージーランド人を対象にした研究を紹介します。この研究によると、顔の見た目が老けている人は体の中の老化が進んでいることがわかりました。そして、体の中の老化を食い止めるには、腸の状態が健康で整っている必要があることも明かされています。つまり、腸が若いと体も若いということです。


老化のスピードを遅らせるには、腸がカギを握っています。ではどうすれば腸を若く保つ/若返らせることができるのでしょうか?


腸を若返らせる食べ物、老けさせる食べ物
腸を若返らせるためには腸内細菌の多様性を高くし、腐敗菌の働きを抑えることです。菌の種類が多いほど、いい菌が棲みやすい環境をつくります。そして、腸内環境の決めては食べ物であることがわかっています。腸を若くするには「まごわやさしいよ」をキーワードにして食材選びをするといいでしょう。



老化は34歳、60歳、78歳でズドンとくる…医学博士が教える「老ける食べ物」と「老けない食べ物」の決定的な違い
© THE GOLD ONLINE


[図表1]腸が若返る食べ物「まごわやさしいよ」


反対に、腸を老けさせやすい食品もあります。特に以下の食材の摂りすぎには注意しましょう。


老化は34歳、60歳、78歳でズドンとくる…医学博士が教える「老ける食べ物」と「老けない食べ物」の決定的な違い
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[図表2]腸が老ける食べ物


発酵食品が腸年齢を若返らせる理由
大豆は腸の若返りが見込めるお勧め食品ですが、特に発酵した大豆は最強です。発酵によってつくられた物質の恩恵も同時に受けることができ、さらに大豆の食物繊維も腸活に有効に働きます。


腸内にいる微生物を腸内細菌といいますが、微生物はこの世界のありとあらゆるところに存在します。発酵食品は、この微生物の働きを活用しています。体によい働きをする物質を作り出すことを「発酵」、悪い物質をつくりだすことを「腐敗」といいます。発酵の段階で体にいい物質をたくさんつくっているので、発酵食品は健康に寄与するといわれているのです。また、発酵によってうまみが増し、食べやすくなることも発酵食品の利点です。



近年の研究で発酵食品に含まれる成分が、直接腸内環境に働きかける、腸内細菌のエサになる、腸内細菌の多様性をもたらして腸内フローラを変えるということがわかってきました。発酵食品は腸活にはかかせない食品となっている理由です。


腸を若返らせる最強食材
大豆の発酵食品というと、納豆が代表的な存在ですが、苦手な人も少なくありません。しかし、近ごろは大豆ヨーグルトが腸活のトレンドアイテムとして話題となっています。


大豆の発酵食品は、発酵によって腸活に有効な物質がつくられるだけでなく、大豆のたんぱく質や食物繊維が分解され吸収されやすくなっています。植物性たんぱく質は動物性たんぱく質に比べて吸収率がやや劣りますが、発酵食品はそれを補ってくれます。


腸が老いると血管も老いる
最後に腸と血管の関係についても解説します。100年前、米国のウイリアム・オスラー博士が「人は血管とともに老いる」という有名な言葉を残しました。動脈硬化は血管の老化の代表ともいえる状態ですが、腸内環境と動脈硬化には密接な関係があります。


近年腐敗菌がつくる物質TMAO(トリメチルアミン N オキシド)が動脈硬化の起因や進行に関わっていることがわかっています。ヒトによる研究でもTMAOが血中に多いと心疾患のリスクが高いと報告されています。TMAOは慢性腎臓病の誘因や悪化にもつながっており、腸の老化があらゆる臓器に影響していることがわかっています。


腸を若返らせることは、見た目が若々しくなるだけでなく、病気を防ぎ健康維持にも大きく役立ちます。腸の若返りは20~30代から始めて、ミドル~シニア世代まで継続していきましょう。


参考


※1 Nature Medicine volume 25, pages1843 1850 (2019)


※2 Nature Aging volume 1, pages295 308 (2021)


※3 N En gl J Med,368:1575 1584,2013


内藤 裕二


京都府立医科大学大学院医学研究科


教授/医学博士





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